術後録(5)小腸に潰瘍見つかる | 潰瘍性大腸炎さんがなかなか別れてくれない

潰瘍性大腸炎さんがなかなか別れてくれない

潰瘍性大腸炎歴30年目で大腸全摘した人のブログです。

手術後も潰瘍性大腸炎の薬が必要になるとは思っていませんでした。
潰瘍性大腸炎さん、いつになったらわたしと別れてくれますか?

腹痛の女性の顔

潰瘍性大腸炎の外科手術後の人工肛門閉鎖から約2ヶ月。わたしは1ヶ月以上続く下血と肛門の痛みに苦悶にしていた。

 

 

トイレの回数は連日20を超える。下血もだがガスも多い。ガスは、お腹に風船が入っているのかと思うほど勢いよく出た。風船の口を縛らないまま手を放すと「ぶぷう〜っ」と音を鳴らして飛ぶ、そんな感じで。下痢が噴射で飛び散る。

 

動けばお腹も動いてトイレへ行く。食べる、トイレ、歩く、トイレ、寝返り、トイレ。トイレを立つとまた出るから中々出てこられない。もうずっとこれの繰り返し。

 

無理やり食事を減らして排便回数を減らす。それでようやく16回くらい。固形物は肛門を通過するときに傷を抉るから怖いくて口にできない。豆腐とかヨーグルトとかがいい。それも段々食べられなくなった。ただでさえ落ちていた体力がさらに落ちた。手術したのに、これじゃ痛い場所が大腸から肛門に変わっただけじゃないか。もう嫌だ。限界だ。口から弱音が出た。病院にSOSの電話した。

 

 

入院した。その翌日内視鏡検査を受けた。結果、前回の検査時にあった直腸粘膜部分のびらんは潰瘍になっていた。潰瘍はびらんより傷が深い。そして、潰瘍は小腸(回腸嚢)にもできていた。回腸嚢の潰瘍は、肛門管接続部に近いJ型回腸嚢のJの丸くなっている部分に複数連続して存在した。

 

 

本格的にIBDの治療を開始するよ。回診で手術を担当してくれた消化器外科の主治医が言った。内視鏡検査をしてくれた消化器内科の主治医(IBD専門医)からも説明を受けた。回腸嚢炎に準じた治療をする。潰瘍は連続的だから下痢で刺激されてできたのだと思う。

 

回腸嚢炎というほどではないけど、回腸嚢に炎症ができているので、回腸嚢炎の治療で軽快を目指す。ということらしかった。ちなみにわたしは回腸嚢炎の診断基準を知らない(訊いてもいない)。

 

 

ペンタサ坐剤は効いてなかった。これはわたしと消化器内科主治医の同じ見解。食事を止めた効果をペンタサの効果と混同したのだ。もっと早く疑えばよかったと後悔した。楽観的な性格が完全に裏目に出た。

 

いま振り返れば、ガスの量は明らかに異常だったのに。肛門の炎症だけであれほど発生すると思えない。潰瘍性大腸炎の再燃時はいつだってガスが大量発生した。冷静に考えれば腸の具合がおかしいと気づけたはずだ。でも、結果としてわたしはそこに思い至れなかった。強烈な痛みがわたしの思考力を奪っていたのだと思う。