今回はマーラーの7番です。
副題は「夜の歌」、ナハトムジークってことですが、、モーツァルトのそれとはだいぶ違う笑
この曲が語られるとき、いつも出てくるワードは「狂気」とか「支離滅裂」とか。
なんだかいろんなものがごちゃごちゃと入り混じってる感じで、一筋縄ではいかない難解な曲かなと思います。
マーラーの交響曲を改めて眺めてみると、1番っていうのは後年の作風からするととても清楚だけれど、それがマーラーの交響曲としてはちょっと薄っぺらい印象で、実際オーケストレーションもアレ?ってところがあったり、初期の作品らしいと言えばそういう曲かなと思います。
そのあと、2番、3番では、声楽を入れたり楽器や楽章を増やしたりの試行錯誤を続けて、ちょっと休憩したような4番を挟んで、5番は大作。
この5番についてはいつか改めて書きたいと思いますが、歌を入れない純器楽の交響曲として傑出したものだと思います。マーラーはこの頃バッハ研究に熱心だった、ということもあるみたいで、終楽章のフーガなんか見事です。
そして6番「悲劇的」。これは以前書きましたが、原点回帰と言えるような厳格な4楽章ソナタ形式。交響曲として行き着いた感じがある曲だと思います。
それに続くのがこの7番「夜の歌」で、6番で行き着いた先はどこへ行くの?と思ったら、、凡人には分からない狂気の世界だった、という感じ。
第1楽章は出だしの弦の刻みからして異様な雰囲気で、そこに乗るテナーホルンっていう中途半端な楽器(失礼!)のソロも印象的。躁と鬱の繰り返しのようにころころと場面が変わっていく楽章ですが、まだなんとか正気を保ってるような。。
第2楽章と第4楽章は「夜曲」と題されていて、「夜の歌」というニックネームはここからきてます。
暗闇で妖怪が行進するような第2楽章と、甘美で妖艶な夜を描くような第4楽章。後者にはギターとマンドリンが追加されてて、セレナーデのようでもある。でもどちらも支離滅裂な感じは否めません。
その2つの夜曲の間に挟まる第3楽章は、実にマーラーらしい奇怪なスケルツォ。弦のピツィカートがバチバチ言って不気味です。
そして問題の?第5楽章、フィナーレ。
祭りか?と思うようなヘンテコな太鼓連打で始まり、金管のファンファーレや弦のザクザクとした強奏、まるで躁状態で突っ走るような大騒ぎが続いたかと思うと突如静まって暫し優美なダンス、そしてまたファンファーレが鳴り響き祭りが再開、みたいなことを延々と繰り返す。
最後は大音響の中でこと切れるように終わります。
最近聴いた中では、バレンボイム/ベルリン・シュターツカペレの演奏が気に入っています。この曲の不気味な感じがとてもよく出ていて、録音も優秀。..CDジャケットのバレンボイムの笑みも不気味ですが笑
希代のマーラー指揮者・テンシュテットの最晩年のライブも素晴らしい。喉頭ガンに侵され、体調のいいときだけ指揮台に上がっていたという、いわば奇跡の記録です。
異端な曲を異端な演奏で表現したのがクレンペラー/フィルハーモニア管。とにかくスローテンポで、前掲のバレンボイム盤の演奏時間が74分35秒なのに対して、クレンペラー盤はなんと100分を超えます。最初に聴いてはいけません笑
テンポが遅いぶん細部まではっきりクッキリなのですが、プレイヤーはさぞ大変だっただろうな、と笑。
マーラーの交響曲は、このあとの第8番「千人の交響曲」も異端の大作。大編成オーケストラとともに独唱8人と合唱団3つが必要で、もはや交響曲の体を成していない。
そして「第九のジンクス」に抗うように番号を付けなかった9番目の交響曲「大地の歌」が続き、最後に第9番を書くことになります。
このマーラーの第九は、クラシック音楽史上、至高の名作と言われるほどの大傑作、私が安易に語れるものではありませんが、いつかここで紹介してみたいものです。
勉強しておきますね笑
