10月の終りに愛媛まで旅をしてきました。
車で一人旅は初めてで、ドキドキワクワクでした。
フェリーに乗るも、そもそも車でフェリーに乗り込んだことがなく
どうやって乗船するのか、と言うところからあたふたした旅の始まり。
今回の旅を決めたきっかけは、フェザタコさんが愛媛に引っ越されたので行きたいなーとした漠然とした気持ちからでした。
愛媛って何があったっけ
タオル?
みかん?
その知識しかなく(愛媛の皆様ごめんなさい)
フェリーからのルートを辿っていく時に見つけたワード。
愛媛 宇和島
そうだ、宇和島があった!!!と思い出しました。
日本のパール産業においてここは外せない場所。
宇和島のパールは、日本の中でも有数の生産数を誇っている場所です。
Leniaで扱うあこやパールは大分県産ものと、宇和島産のものを使っています。
どちらも特徴があり、色合いも姿も素晴らしいものです。
宇和島のパールは今年の夏。沢山のパールの稚貝(ちがい)が死にました。
今現在も原因不明で、稚貝が8ー9割死んだと言われてます。
稚貝は2年かけて育てられます。そのため、2年後のパールが無事に育つかどうかは今が肝心になっているのです。
今あるパールが2年後も同じ姿、クオリティーではない。
そのことを目の当たりにした時に改めて、「パールは唯一本当に。人が作れる宝石なのだ」ということが府に落ちました。
宇和島では今回の稚貝大量死に伴い、稚貝の秋生産を開始して県を挙げてその産業を支えています。
そうしたタイミングで愛媛に行く。
今のパールがどうなっているのか知りたい。
そんな気持ちから今回の旅を決めて行きました。
パールの街、宇和島は地元密着の街でコンビニも中心街に行くまではなく、気軽にコンビにを探すことができませんでした。
そのため、パール養殖を学ぶ前にちょっとコンビニでご飯食べようかとできず(苦笑)
たまたま通りがかった自動販売機を見つけてコーヒーブレイクをしていたら、おばちゃんが話しかけてくれました。
「観光の人?」
いえいえー、パールの勉強をしに宇和島まできました。
という説明をしていたら、「うち、パールの稚貝育てとるよ」と言われました。
え?稚貝を専門に育ててる?そういう所もあるんだ!
と興味津々でそのままそのお宅へgo
こんな感じで育つのよ。
一番小さな貝が育て始めの子ね。
昔は杉の葉に稚貝をつけて養殖してたんだけど、今はプラスティックのやつでやっとるよ。
この一番大きなものになるのにどれ位かかるんですか?
一番大きくなるまでに1年半くらいだねえ。
パールを入れる前に1年半ほどの年月をかけて、この稚貝を育てる。
さらにパールを入れて1年ほど育てていく。
パールって時間がなんて掛かるんだろう。
しかも開けるまで、どんなパールが出てきてくれるか分からない。
見えないものを育てていくというのも凄い話だなと思いました。
開けてきたら全部いいかもしれないし、全部ダメかもしれない。
でも海の様子や貝の様子を繊細に見ていきながら判断していく。
繊細に繊細を重ねた見えない糸を紡いでいくような作業をしていくんだと感じました。
これがやや大きくなった稚貝。
開けてもらうととても綺麗な貝が出てきました。
螺鈿なんかする時は小さい貝の方がいいのよ。色が綺麗だからね。
ブルーだったりピンクだったりの色が豊かにあってね。
大きくなるとこれがぼやけて白くなって面白くないんだよね。
これは稚貝育ててる人からしか聞けない意見。
たまたまのコーヒーブレイクから生まれたご縁に感謝!
パール養殖の方のところへ伺う時間になったので向かうことに。
写真撮ってもいいですか?と聞いたら快くOKしていただけたので早速撮影開始!
パールを育てる方法から、パールの核入れまでを実際に見せてくれました。
まず、稚貝を育てたら抑制という作業から始まります。
パールの核を入れる前に籠の中に稚貝をいっぱいに詰めて、海へと戻します。
籠の中に詰め込まれた貝は通水性の悪い中で仮死状態に近いところまで持っていきます。
ギリギリの状態で生かすというのがポイントだそうで、その見極めもパール作りにおいてはとても重要になってくるのだとか。
核入れをする際にも、貝ひも部分である外套膜を切り出します。
というのもこの外套膜が貝殻の成分を分泌するためです。
この外套膜を、パールの核となるドブ貝(マザーオブパール)につけて一緒に入れます。
そうすることにより、核の周りにパール層を作ることになります。
ドブ貝。核自体は本当に貝のまま。
外套膜を赤く染めてから一緒に核入れ作業をします。(そうすることによってちゃんと外套膜が一緒にちゃんと入ってるかどうかを一髪で見れるためです。)
ちょっと赤くなってるの見えますか?これが核と一緒に入れてる外套膜です。
これがちゃんとついていないとパールになりません。
基本的に一つの貝につき一つの核しか入れないのが通例ですが、大きなパールの場合は2つ入れたりもします。
それによって面白いパールができたりすることもありますが、それはまたあとで。
核入れが終わった後は、言わば貝は腹を切られた手術を受けた状態。
そのため、リハビリを受けるために波の少ない湾内で傷が癒えるまで一月ほど休ませます。
元気になったぜ!となった6月〜8月ごろ。
パールを沖の方へと持っていきます。
栄養の高い沖でたっぷりとミネラルを取り入れて、パールを作っていきます。
向こうに見えるのがパールが育つ沖。
玉出しのまでの間、ずっと放って置いたらパールができるわけではありません。
パールの貝表面までのところには海藻、フジツボなどが着いて来ます。
不純物がつけばつくほど窒息のリスクや十分な栄養素を取り入れることができなくなるため
細やかに掃除を行います。
そうして、12月から1月にかけていよいよパールを取り出します。
今回はちょっと早いのですが、体験をさせてもらうために貝だしも体験させていただきました。
晴れていたので、外で作業することに。
取り出すための貝を選びます。
私は今回ミネラルカフェでこのパール取り出し体験をするために何度かさせていただくことに
お手本を見せてもらうことに。
差し込んで、こう!と見せてもらうも、わかんない。。
となったので、実際に私もいくつか開けさせてもらいました。
パカ!と開いたらOK。
取り出したパールたち。
と、貝柱をいそいそと他のスタッフさんが用意してくれてました。
今海から出したばっかりだから、食べれますよ。
普通の貝柱とは一味違いますが食べてみませんか?と言われて
すぐに飛びついて食べる私(食い意地が張っているともいう)
シャキシャキしていて、私の知らない貝柱。
香りもフルーティー。
なんだこれ!!??
なんだ、これ!?!?!!?
となりました。
えー、美味しい。サラダとかにして食べたい気分。
取り出し体験した後は、パールの品質についての勉強をしました。
その勉強のことについては今度のミネラルカフェ。のあこやパール取り出し体験の際に
皆様にお教えしようと思います^^
あたらめて、パールを育てるのには時間がすごく掛かること。
そして本当に繊細な作業の連続によって培われているのだということを知りました。
学んだ後にパールを見ると、一粒一粒がより一層愛おしく、大切にしたいという気持ちでいっぱいになりました。
先ほど行っていた大きな貝に2粒入れた結果。
こうやってくっついちゃうことも稀にあります。
双子パールと名付けましたが、可愛くて可愛くて。
思わず数点仕入れました。
このパールで一つリングを仕立てています。
お楽しみに!(今絶賛鋳造中!)
Lenia
イベントのお知らせ
11/22-24 福岡ミネラルフェスタ(ミスターストーンさんのところに少し出店しています。)
11/30-12/1 大阪ミネラルカフェ(11/30は予約制です。)
12/7-8 東京ミネラルカフェ(予約制。ワークショップなどあり)
12/13-16東京ミネラルショー(初日込み合いますので2日目以降がおすすめです。)
12/20-22 名古屋ミネラルフェスタ