崩落したとされるFrancis Scott Key Bridge(2007年撮影)

 

 本日、なかなか気になるニュースが流れてまいりました。米国メリーランド州の橋にコンテナ船が衝突、複数の行方不明者がいるとのこと。確認してみると、ボルチモア港口にかかるFrancis Scott Key Bridgeが崩落したようです。

 

 ボルチモアはメリーランド州にある貿易港ですが、大西洋からは200kmほどチェサピーク湾を延々さかのぼらなくてはなりません。かつてはアパラチア山脈から産出される石炭の積出港のイメージが強かったのですが、最近はコンテナ船や自動車船、クルーズ船などにも力を入れており、特に自動車船やRO/RO船の寄港は米国東海岸随一となっています。

 

 チェサピーク湾には河口からボルチモアにかけて3つの橋が架かっており、最下流はバージニア州ノーフォークとデルマーバ半島を結ぶチェサピーク湾ブリッジ・トンネル、次にメリーランド州アナポリスとデルマーバ半島を結ぶチェサピーク湾ブリッジ、そしてもっともボルチモアに近いのが今回崩落したFrancis Scott key Bridgeです。

 

 

 

この橋ですが、インターステート695号というボルチモアの外環状線の一角をなしており、且つ南北の主要高速であるインターステート95号線のバイパスにもなっています。

 

船からみたFrancis Scott Key Bridge。中央部分が主水路。コンテナ船は向かって右側の橋脚にぶつかったと思われます

(写真は2007年撮影)

 

ボルチモア港でもRO/RO船のターミナルはダンダルクと呼ばれるエリアに集まっています。写真を撮影した際は複数のRO/RO船が接岸していました。

 

ボルチモア港を奥までさかのぼるといわゆるインナーハーバーと呼ばれるあたりになります。この辺りはプレジャーボートやタグなど小型船がメインですが、中型の在来船も見かけます。

 

なお、崩落した橋はボルチモア港とチェサピーク湾をつなぐ唯一のルートのため、この部分を船が通行できないと港湾機能に重篤な影響が出ると思われます。まずは一日も早い行方不明者の方の救助がなされること、また港湾機能の復旧のための水路確保がなされることを祈りたいと思います。