廃止が決まった新常磐交通 湯本市内循環系統(2022年10月撮影)

 

 新常磐交通は福島県いわき市で路線バスを運行する事業者です。歴史は古く戦時中に地域のバス会社が合併し設立、現在のいわき市を含む浜通り一体に路線網を確立しました。

 

 乗客減に伴う経営不振から、2006年にグリーンキャブ傘下に入り、社名を新常磐交通と替え現在に至ります。

 

 全国的な運転手不足と経営環境の悪化から、2024年4月に全路線距離の1割に当たる約50キロ、路線数にして15が先週発表されました。いわき市は14の自治体が合併した経緯を持つため、適度に市街地が分散しており路線バスがある程度機能する立地と思っていましたが、なかなか状況は厳しかったようです。

 

朝のいわき駅前の様子。通学時間帯は数多くのバスが出入りします。水素バスも走っています。

 

 廃止される路線を見てみると、多くが高校直行のスクールバス的な路線です。また、乗降客がさほど多くなかったのか市内循環系統的な泉循環・湯本循環といった路線も廃止されます。

 

 おそらく一番深刻なのは山間部まで入り込む入遠野系統ではないでしょうか。こちらは距離も長く、代替交通機関もないことから、何らかの代替交通が準備されるものと思われます。

 

 昨年10月に湯本を訪れた際湯本市内循環系統を目撃しました。

 

駅前で撮影。最近では見かけることが少なくなった旧塗装です。

 

市内を走る様子も目撃しましたが、乗客はほとんどいませんでしたね。

 

少なくとも来年4月以降に残る路線が末永く存続することを祈ります。