いつ倒れ、帰らぬ身となるかも分からなかったから、私のもとに来るとなった以上、あの子たちには強くなって貰わねば困る。
自立への第一歩は、なによりも労働だ。
メンタルケアや、コミュニケート能力の醸成には勿論取り組んだ。
だけど、それはそれとして、自力で生活基盤を構築できなければならない。
故郷や家族、友人たちをあのような凄惨な形で失った以上、心安らかに、真っ当な仕事に就いて欲しいと思う。
私もしばらくは、あの子たちの心のケアをしながら、一緒に堅気な仕事をしようと決めた。
あの子たちは、お留守番、家事の手伝い、私の仕事の助手など勤めるべく、頑張ってくれた。
家賃の足しとするには到底足りないが、花売りや靴磨きなど、簡単な労働で幾許かの金銭も稼げるようになった。(それにあたっては、地域の纏め役の子に、丁寧にお願いをしておいた)
しかし、私が駄目だったのだ。
どの街にも定住権を持っていなかったから、安宿を拠点に色々な仕事に挑戦してみた。
傭兵は流石にパスしたが、私には闘う事しか取り柄が無かったので、最初に街の衛兵になろうと試みた。
私のような、胡散臭い人間(ヒューマン族という意味ではなく)では、相手にさえして貰えなかった。
人足…土木作業員は、女だからという理由で散々に賃金を叩かれ、喧嘩をして飛び出した。
花屋、雑貨屋、八百屋…子連れの旅人が勤めるには、色々とハードルが高かった。詳しくは述べない。
知識を活かして、代書屋や通訳に挑戦した時は、縄張り争いに巻き込まれて、弾き出された。
酒場で給仕のまね事をしてみた。セクハラ紛いの客たちには辟易としたが、我慢した。しかし、男たちが妹たちに手を出そうとした段階でストレスが爆発し、色々あって店を出た。
夜の街角で花を売る仕事などは、精神的にも無理だ。
ただでさえ、我が儘で自分勝手で堪え性のない私なのだ。
女性蔑視だけではない。ノームやポークルをヒューマンより格下、家畜に毛が生えた程度の存在だと見下す男たちの態度を思うだけで、身が悍け立つ。
そんな男たちに身体を開き、相手に身を任せるなど、絶望感しか感じない。
万一それを乗り越えたとしても、ヒューマン族とデミヒューマン娼婦たちの縄張り争いに、自ら飛び込んでいく気力など毛頭ない。
あの子たちに当たり散らす事だけはしたくなかった。
私には三つの選択肢があった。
そして私は、あの子たちが、妹たちがそれを望むのだからと自分に言い訳をし、最低最悪の選択肢へと逃げ込んだ。
妹たちは、冒険者になった。
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Wiz-ONの世界においても、娼館は一般的(?)な娯楽施設として存在するようです。
なんか、冒険者向けの娼館もあるっぽいですよ。
前に仮面の男が、ついった4通使ってそんな事ゆってました

arahawi2011/11/22 15:09:08
実装されるかどうか(倫理的に)怪しい設定なのを一つ。マダム ダム・ドラの酒場/Madam Dam-Dra`s Saloon Bar というのがありまして。名前見てピンと来る方はピンと来るかも知れませんが。
ディメント王国の首都アイトックスには名物ともいえる酒場宿がある。それは巨漢のマダム ダム・ドラが経営している娼婦宿・男娼宿である。(中略)冒険者たちを愉しませ、それなりの料金を頂戴している。(続く)
(続き)通いつめて貢ぎ続ければいいことがあるかもしれない。ちなみにマダム ダム・ドラはあまりの巨漢である。太すぎて種族がエルフであるなんて誰も思わないだろう・・・。
うん。あれですね。莫大な文字数がある設定をTwitterで言うのは非常に大変です。
仮面の男は、BUCK-TICKのファンなんでしょうか?
2009年に発売された『mement mori』というアルバムの、『Lullaby-Ⅲ』という曲に、そんな名前の酒場が出てきます。
酔いどれダム・ドラの店 ようこそ パーティーが始まる
紳士、淑女、さ迷う客 みなさん シャンパン泡となれ
「…マダム酒をくれよ」
「ウィ・ムッシュ ケ・セラ・セラ!」
「「一杯トロケル様なアブサン!」」
ダイス転がす奴はJoker 見ろよ13のゾロ目さ
以下略
LIVEツアーでは、髑髏やコートでお客さん役に仕立てたマイクスタンドを相手に、櫻井氏が酒場のマダム役としてオネェ言葉で話す、寸劇が行われたそうな。
聴いてみる事で、イメージを膨らませる参考になるかもしれませんね
