「れなは本が好きだし、。、たくさん読むから
そのことを書いて?」

母がちゃんと言葉にして、私にしてほしいことを伝えてくれたのはこれだけだと記憶しています。
さびしいときや心がおれたときだけ甘えてくる母。
弱い母です。
一人じゃ人生を選択することもすっとできない臆病な女性。

おせじにもお手本になるような強い母ではないけど、
仕事になると人が変わったように背筋をのばしてしゃんとした大人になる。
ずっと
母のときでもそうでいればかっこいいのに。


二人でたくさんの病院をまわって、
どうして私の目にはうつらない色があって、
十分な視野がなくて、
夜になると使い物にならないのか探しました。
それが
母の「強い」ストックを枯らしてしまったのかなぁ。

私は見えなくなって、
母の、もちろん見てきた人たちの容姿が
歳をとらなくなりました。
そして
母は髪型をかえなくなりました。

「ママも、れなの記憶にあるママのまんまでいるよ」

それくらい気の利いたこと
言ってよ。


私がステージにのぼるときは、
安心してみていられないんだとさ。
もう大人になったのよ。
すこしでいいから、誇らしくしていてほしいのに。

私、おととい始めて人前でサックスふいたのですよ。
中国からいらしてる観光客のお姉さんたちで
私、「どや!」ってふいてやったぜ?

楽器が手元にきて1ヶ月。
ほんんとうに気合いを入れて練習はじめて2ヶ月ちょっと。
でもさ
すごいいい音だすんだぜ?って思ってふいた。

悔しいのね。
どんなところでも、もうおどおどせずに「どや!」ってできるだけの
実力はともなってないくせに、気持ちだけは一流気取りで
きいていただけたのよ?

演奏家になるんだから。
めまいでゆらゆらしてるけど
スーパーマーケットに10分以上いるとたおれてしまうけど
すぐに弱い最近に感染してしまうけど
演奏家になるの。

これだ!って楽器に出会えたからね。
絶対なるんです。


本のこと
どう文章にしようかなって思ってるけど、
それは楽しんで遊びとしてやろうかな。
読者は少ないからね。
遊びでいいのいいの。

でも
ソプラノサックスは
私の人生のあったらしいパートナーにするわ!

ママが唯一言葉にしてくれたことよりも
本気になるもの
見つけました。
やっぱり
れなは次女だからさ。
勝手に目標つくって
ライブハウスとか路上ライブとか
欲をいえば屋外ライブとか
大はしゃぎするんだ。

2018年一月二十九日 13時24分