━星が採れたよ。たくさん採れたんだ。
きれいだろう?これは星の抜け殻だよ。
輝くために、古い殻を脱ぎ捨てるんだ。
ヒトと同じ事をするなんて、やっぱり生きてるんだね。

いちごぶたは豚のくせに空を飛べる。
背に何か乗せていても、苦もなく飛べるらしい。
見た目は鈍重そうだけど、実は正体は風船かなにかなのかもしれないなぁなんて
自分が今乗っているのに思う。
針か何かでつついてみたらあっという間に消えてなくなるのかも。
やったことはないし、やらないけどね。
「ここ、ここー」
小さな集落にたどり着いた。
「大人しくしててねー」
いちごぶたをその場に残し、自分は鞄から手紙の束を取り出しながら歩きだした。
ひとつずつ家々を廻って手紙を配るのだ。

「ありがとう」

そう言ってもらう事以外に報酬はない。
でも自分にしかできない事なのだ。
理解してもらえない事も多い。
それでも、自分に与えられた使命をまっとうするしかないと思っている。
ただ、強制はしない。
配達人でもあるけれど、媒介人でもある。
受け取る人が受け入れられないものは届けない。
地上の配達人と違うところはそこにある。
が、ふと思う。
…彼女は?
望んでいるのだろうか。
分からない。
確かめる術は、まだない。
考えても仕方がないのだ。

軽く頭を振って残りの郵便物を端の家からいつも通り順番に届けた。
「次行こうか」
いちごぶたの背を一度撫でてから飛び乗り、再び空へと還った。