ここ最近、川でも海でも「先行者に気を遣う」という人が減ったように思います。

そこに来てコロナ禍で、人を避けてできるレジャーということで、釣りが目下のところ注目されているようです。

 

釣具屋では全く未経験の人だけでなく、かつてかじったがやめてしまった中高年が、

外出できないからという理由で、再び始めようとするパターンが多いそうです。

(人混みを避けて釣りをしようと考えたのに、釣り方がわからないから釣り教室がないかと尋ねる、

 本末転倒な高齢者が若干いるみたいですけどね・・・。)

 

 

 

そんなわけか、最近見かける渓流釣りのHow to本・・・

例えばコスミック出版の『渓流釣りのすべて』、芸文社でも『Gijie 渓流ルアーパーフェクト入門』など、

出版社はここぞとばかりに出してますね。

また、一部のメーカーもエリアトラウトに親しむ人を、自然渓流に引き込む目論見もあるようで。

レンジコントロールなど、管釣りメインの方々にとって当たり前のことも、

自然渓流にも必要な考え方なので、ぜひぜひ挑戦してほしいと思います。

(管釣りに親しむ方って、魚の扱いが丁寧でしょうし・・・よほどそのへんのオジイサンより良いと思います)

 

 

 

しかし・・・

そういうHow to本って川釣りのマナーについて触れていないことが多い

 

 

 

月刊「つり人」の渓流特集には、マナーについての言及がありましたが、

それでもあまり目立たない感じの記事になっていました。

読み飛されかねないテーマなだけに、もっと大々的に打ち出すべきでは?

公共のマナーは「自分の身を守る」「周囲の人を思いやる」の二面があります。

ならば、釣りのマナーも軽視すべきではありませんよね。

 

 

ずっと川に親しんできた私から、これから始めようと思う方々に向けて、

気にしていただきたいコトをお話したいと思います。

歴でマウント取ってんじゃねぇよ、とお思いの方もみえるかもしれませんが・・・

郷に入っては郷に従えでしょ?

 

 

 

 

まずはじめに、先行者が優先・・・という話。

先行者が下流に見える、または車などの状況から認められる場合、先行者の下流か少なくとも500mくらい上流に入るべき。

特に先行者のすぐ上流に入る「頭ハネ」や、先行者を「追い越す」ことはNGです。

理由は以下の通り。

 

 

渓流魚は特に、警戒心が強いものです。

なので釣るためには、ある程度魚との距離が必要。

したがって、先行者の有無が大きく影響するというわけです。

 

川幅の狭い渓流域は、下流から上流に向けて『釣り上る』ことが原則、と考えます。

その理由は前述の通り、渓流魚は警戒心が強いから。

魚は流れに対して、上流側に頭を向けています。

尾びれで水流に逆らって泳げば、その場所にとどまることができるからですね。

そんな魚が人の姿を見たら?

ザブザブと川に入って怯えさせたら?

とてもじゃないですが、次に入る人はいい釣りができません。

これまでにも頭ハネや釣り下りをされた経験がありますが、まず間違いなくその日は終わりです。

 

 

 

逆に川幅の広い本流域は、上流側から下流に向けて『釣り下る』ことが多いようです。

本流は私の守備範囲外なので、詳しいことはわかりません。

河川によって違うため、事前にその地域の釣具屋で情報を得るか、

有名なランで先行者たちの様子を観察すると、自分自身の立ち居振る舞いはどうするべきか判断できるでしょう。

例えば本流トラウトで有名な、長野県の犀川では釣り下ります。

 

 

次回はリリースと漁協について。

お付き合いください。