部屋に戻ると螺鈿の銀細工が施された黒漆の文箱が文机の上に置かれていた。先程ジュンスの命婦が部屋に居たが、兄上からだろうか?不思議に思い箱を開くと、中にはチャンミン様からのお手紙が入っていた。
紅葉の枝に結ばれた文には「紅葉の赤のような萌える思いで貴方を思い袖を振りましたが、ご覧になりましたでしょうか。叶わぬ想いなれど、貴方様とお子様とがどうかご無事でと願い舞っておりました。」
ああ、チャンミン様、もし、私の心に曇りが無ければ、周りにも大きな声で喜んで今日の日の貴方を褒め称えられたでしょう。
さりとてあの見事に舞うお姿は忘れられるはずもなく、膨らみをますお腹をさすりながら人知れず誇らしくさえ思える我が心が後ろめたく思われた。