ドイツの小説アルト・ハイデルベルク が好きだった。

ザクセンの王子様が学びやの街ハイデルベルグのビヤホールに下宿したのです。

昔、大昔梓みちよさんのリンデンバウムの歌聴きませんでしたか。
​リンデンバウムの歌 梓みちよ.wmv - YouTube​

 

 

 


あの頃私は中学生だったんですけど。

学生王子とビヤホールで働くケテイの物語がミュージカルになってケテイが王子様のために歌う歌が大流行になりました。ケテイの王子さまへの想いに感激して泣きの涙で聴いてたんです。


♪ リンデンバウムの大きな幹に 愛の言葉を彫ってきた リンデンバウムの緑の木陰 忘れな草が咲いていた・・・角笛がわたる夕べの空、二人の愛の星がのぼってくる。
私の好きな好きな人、、私の甘い口づけあなただ・け・に」


東ドイツ、ザクセンのカールスブルグ公国の王子、カール・ハインリッヒは、
ハイデルベルグ大学へ進学することになった。
王子の下宿はネッカー川の畔にある宿で、いつも学生で賑わっていた。

この宿にケティと言う娘が働いていた。故郷には小さい時からのいいなづけが、牛飼いをしながら待っていた。

王子が到着すると王子を歓迎するため、ケティは花束を用意して詩を暗唱しました。

「遠き国よりはるばると、ネッカー川のなつかしき、岸に来ませる我が君に、いまぞ捧げんこの春の、いと麗しき装飾、

いざや入りませ我が家に、いずれ去ります日もあらば、しのび賜れ若き日の、ハイデルベルクの学びやの、幸多き日の思い出を」

ケティは美しい王子さまに夢中になります。そして二人は身分の違いを忘れて急接近するのです。
 

https://www.youtube.com/watch?v=TMUFMvm1sh0

 

 


4カ月過ぎたある日。カールスブルグ公国より使いがくる。大公が不治の病に罹ったので、すぐ帰国するように。

王子は悩んだが、国政の重要性を考えると、帰国を決意せねばならなかった。王子はケティと悲しい別れをしハイデルベルクを後にした。

2年が経ち、王子はカールスブルグ大公となった。カール・ハインリッヒは、気の進まぬ政略結婚をあと2週間後に控えて、ますます苦悩した。

そんな時、ハイデルベルクから洗濯男のケラーマンが訪ねてきた。カール・ハインリッヒは胸が一杯になった。ケラーマンが語るには懐かしいケティはまだ宿にいて、王子が去ったあとよく泣いていたこと。

大公はいてもたってもいられなくなり、ケテイに逢いに出発した。
しかし、時は移り、世の中は変わっていた。大公を再び迎えたハイデルベルクは、昔の町とは違っていた。大公が泊まっていた宿も、昔ほど学生が居なくて

学生達も、大公が来ると緊張する。懐かしい学生歌も、精彩がない。彼はわざわざハイデルベルクにきたことを後悔しかけていた。
​「青春の時とはなんと、うつろいやすいものであろうか」​
そんな中で変わらぬものがあった。それはケティの愛だった。

​「みんな昔のままだったよ、ケティ。マイン川も、ネッカー川もそれからハイデルベルクも。ただ人間だけが変わってしまった。昔のままの人は一人も見つからなかった。」​

​大公はケティを抱き寄せ「変わらないのは君だけだ。ケティ君一人だ」​
そのケティもウィーンに帰り、牧童と結婚することが決まっていた。そして大公自身も、2週間後には結婚式を控えているのだった。

​​「私たち二人は、どうしようもなかったのよ。そうでしょう。私たちはいつもそのことを知っていたわね」​​​


ハイデルベルクを去ってゆく大公の脳裏に、過ぎ去った短い美しい青春の思い出が浮かんでは、消えてゆく。
​「ぼくのハイデルベルクへの憧れは、君への憧れだった」​

ケティにそう告げて大公はハイデルベルグを去って行った。