ゲイリーの演技は相変わらず凄い。鬼気迫っている。辻さんの特殊メイクも、全く特殊メイクだと感じさせない程溶け込んでいた。体型や歩き方、喋り方、身振り手振りまで、チャーチルが完全に憑依している形になっているのが凄まじい。
ただ、顔立ち、特に目は太ったゲイリーそのまんまというか…ショットによってチャーチル本人に見えるときとゲイリーのままに見えてしまう時があった。演技力が凄まじいので気にはならなかったが、ゲイリーはやっぱりゲイリーだったなあ。
(ちなみにゲイリーの陰に隠れてしまっているが、前首相ネヴィル・チェンバレンを演じたロナルド・ピックアップも、写真に残るチェンバレンに相当似ていた。これも何気に凄い事では。)
内容的には、チャーチルの首相就任から、彼がナチス・ドイツに対する徹底抗戦を選択するまでの間のお話であり、ノーランの『ダンケルク』とは、ちょうど時期も同じで、言わば表裏一体になっている作品。
『ダンケルク』と対照的に、戦闘シーンはほぼ存在せず、会議室の内幕が中心。戦場の兵士たちも殆ど出ない。CGを用いないノーランとは逆に、爆撃のシーンがCG感ありありなのが気にはなったが、まあそこが主軸という訳ではないので…。
この2つを合わせて観る事で、当時のイギリスの動向が大体把握できるだろう。
原題は『Darkest Hour』即ち"最も苦しい時期"とでも言うべきか。邦題の副題である『ヒトラーから世界を救った男』の文面には色々疑問だが、(勿論チャーチルの果たした役目は大きいが、彼個人だけで終戦に持ち込めた訳ではないと思うので…)まあツッコミ出すとキリがないので止めておきます。
地下鉄の場面は泣かされそうになってしまったが、史実ではないのか…ともかく良いシーンではあったと思う。
アクションがない分長く感じたのと、最後は『え、ここで終わり!?』と思わされてしまったのも事実。できれば終戦まで描いて欲しかった。
例えば『鉄のカーテン』演説で終わらせて、緊張感保ったままのエンドにするのも一つのやり方であったとは思うが…まあ良いや。
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