シングルマザー、一戸建てを買う -4ページ目

シングルマザー、一戸建てを買う

シングルマザーが一戸建てを買うまでの、また現在進行中の奮闘記

もしかして家を持つなんて無理なのかも知れない。

そう思い始めていた矢先、1つの物件が目に留まった。

前から不動産サイトに載っていたのは知っていた。でも場所がかなり郊外だったので、検討に入れていなかったもの。

良く見ると、フルリフォーム物件でかなり綺麗。価格も1000万を切っている。

取りあえず見てみようということで、子どもを連れて見に行った。

 

場所は・・正直実家からも離れた、かなり辺鄙な郊外だった。しかし物件はフルリフォームにオール電化、敷地も広く、お洒落な間取り。築年数も20年程度、デザイナーズハウスといった作りだった。

聞くと任意売却物件。早く売りたいため、値段もかなり下がっているらしい。

これなら直すこともなく綺麗な家を、自分の手が出せる範囲で買える・・!

営業マンは「他にも問い合わせが来てますから、気に行ったなら銀行に言ってローンの相談を」

 

はじめて出会った、住もうと思えて、かつ手の出せる価格の物件だった。

買いたい・・!この家なら住めるかもしれない・・!子ども達もこの距離なら頑張って登校するって言ってるし・・!

この時、この場所はかなりの郊外だという事実は、余りの建物と価格の良さに遠く消えてしまっていた。

 

住宅ローンについては、ネット上のシミュレータで計算していただけで、まだ銀行に相談には行っていなかった。

でも、銀行への相談は正直気が引けた。自分の支払い能力の低さに気づきつつあったからだ。

前回の住宅会社とのやりとりの件で、ローンの相談にかなり心理的な抵抗があった。

 

ネットで調べると、借りやすい「フラット35」なるローンが。地元の銀行も取り扱っている様子。

これならローンも通るんじゃないだろうか?ネットで軽く支払い限度額を調べると、なんとかなりそうな様子。

余り迷っている時間もない。とりあえず「フラット35」で銀行に相談してこよう!

そう思い、銀行に相談をしに行ったのである。

さて、あの衝撃の事件の後、やはり自分は中古住宅一択なのだ、と思い直すようになった。

このころからローンの事や自分の予算、中古物件についてなど、いろいろと調べ始めていた。

自分に適正なローンの期間と金額、支払い能力、物件の見極め方、瑕疵担保、住宅診断など・・。

 

そして、友人に紹介してもらった不動産仲介会社に、物件を聞きに行くことに。

その営業マンは今までの人とは違い、誠実さを感じられる話しぶりだった。

そして、何よりも大事な事を教えてくれた。

 

「お子さんが大きくなるまでが必要なんでしょう?じゃぁ売れる物件を買わないとだめです。

今、空き家問題が大きくなってきていて、老後になっていざ家を手放す時に困っている人たちが増えている。

買う時は、後始末の事まで考えて決める事が大事ですよ」

 

あーそっかー、と改めて気づいた。

確かに、最近漠然と考えていたことはあった。子どもが大きくなった後、私はそこに住み続けるのだろうか?と。

正直、子どもが大きくなって家を出たら、自分は市営住宅でもどこでもいいと思っている。

その頃には親の方もどうなっているか分からない。兄弟はいるが、いろいろあって親の面倒を見るのは自分になる予定。なので、将来親の家に入るという可能性もないとは言えない。

つまり、将来そこに住み続けるのかは、かなり流動的だということだ。(じゃあ賃貸でいいのでは、という話になるが、そもそも条件に合う賃貸が無いので・・・)

 

「売れる土地の物件」であるということ、これは大きな新しい指針だった。

 

そして、1000万以下の、利便のいい土地の物件を2件紹介してもらった。

1つはかなりの古民家、場所は良かったが、接道も狭く、全体的に改装が必要で却下。

2つ目は中々良かったが、築30年、雨漏り・白アリ跡あり。リフォームを入れて1300~500万。

立地が良いので今のところ1番の候補であるが、間取りも好きでなくイマイチ気が乗らなかった。

そして何より雨漏り・白アリ。これは耐久性に難ありである。。

 

しかし、いくつか見て、もう一つ分かってきた事がある。

中古で築年数2~30年、リフォーム物件で立地良しだと、安くても1300~1800ぐらいは必要になる。

この前見た新築建売よりも高くなる物件も。これはどういうカラクリなのか不思議だが・・(後で分かったが以前見た建売住宅はパワービルダーが建てたものだった。これはこれで安すぎていろいろ問題もあるらしいのだが、あの新ピカの魔力は強力だった・・)

 

そしてローンを組むなら子どもに残さないよう15年まで、更に今より家賃が安くなる物件、という指針は決めた。

そうなると、いいとこ1000万くらい。後は頭金でカバーだが、そんなものはない・・

そう、1300万ごときが、買えないのである。。。都会にくらべれば、よっぽど安い、この価格が・・

 

やっぱり女ひとりで家を持つのは不可能なんだろうか・・?

ここでもまた現実を突きつけられたのであった。

さて、すっかり新築に当てられてしまった自分は、しばらく何とかして新築が買えないだろうか、と考えるように。

いつもポスティングされるミニコミ誌には新築内覧会の記事がいっぱい。それをめくっては住んでいる姿を想像したり。

 

しかし、この時点で明らかにおかしい部分があった。

そう、予算である。

私は自分の予算がどこまでか、自分が払える額がどこまでかをはっきり把握していなかったのだ。

 

お次は住宅不動産へ。ミニコミ誌にいつもチラシが入っている大手。

そこには「シングルマザーでも大丈夫!家を持つのを諦めないで!」の文字が大きく踊っている。

そのチラシに引き寄せられるように、フラフラと近くの支店へ立ち寄ったのである。

 

営業マンは愛想よく、優しく迎え入れてくれた。「お任せください!私たちはシングルマザーの方たちも何件もお世話してきたんです」 そうなのか・・!私も新築の家が持てるのかも知れない・・!

取りあえず3年分の確定申告を出してくださいと言われ、次の日に用意して提出。

 

そして次の来店で言われたことは・・

「あなたの組めるローン額だと、これらの土地と建物になります。あなたの収入では中々厳しいものがありましたが・・大丈夫です、頑張って通します!」

といって建物と合わせて35年ローンで月々6万後半のプラン。

 

どうやら彼らが太鼓判を押すのは、収入が少ない母子家庭でも長期ローンを通す手立てらしいのだ。

つまり、金額自体は普通にかかるということだ。

私の年齢も伝えてあったのに、35年のプランを普通にすすめてくるとは・・、どうやったらこのプランにうんと言えるのだ?

 

私「80になっても一人でこの額を払うのは無理です」

営業マン「お子さんがいるじゃないですか」

私「子供には自分の負債を払わせたくありません」

営業マン「そんなこと言ったら家なんて買えませんよ。お子さんたちは今賃貸暮らしで友達も呼べない、狭い、と窮屈な思いをして暮らしているんです。自分の事ばかりじゃなく、子どもの事を考えたらどうですか」

 

いや、子どもの事を考えたら益々親子ローンはできないんじゃね・・?

いくら生活が苦しくてもそれぐらいの矜持は私にもある。

しかしどれだけ無理と断ってもあの手この手でクロージングしてくる営業マン。微妙に母親のプライドをけなし、うまく矜持をついてくる物言い。

私は段々ムカついてきた。

そして2時間あまりの拘束ののち、やっと振り払って店を出てきたのであった。。。もうその日は1日ぐったり。

 

この1件で、私のプライドはかなり傷つき、しかも自分の支払い能力も突き付けられる事態となった。

これだけけなされたのもしょうがない。私には収入も支払い能力も無いからなのだ。

そう、確定申告を抑えていたのはまずかったのである。。。

前回の1件目の内覧で、ちょっと気づいたことがあった。

中古住宅の傷み具合はどうやって把握するのだろうか?

あんな綺麗にリフォームしてあったら、基礎や中の様子なんて分からない。

ネットで調べると上っ面だけだ、中は・・とか怖い事もたくさん書いてある。

 

やっぱり新築がいいのかな・・でもとても手を出せる予算じゃないよな・・

と思いつつネットサーフィンしていると、実家のすぐ近くで1600万の建売新築を発見。

前回の物件+400万でそれほど変わらない。

そして実家の近くということに何よりも惹かれた。

親に言ったら「あんた新築って何言ってんのお金は」と言われたが、見るだけなら・・と内覧の予約。

 

ええ、それは新築は最高でした。どんな間取りや設備であろうと、平凡な作りであろうと、白くて新ピカの家はそれだけでもう全てOKという神々しさでした。

私も子どもう新ピカの神々しさに当てられて、ここにしよう・・!と本気で考えだす始末。

 

ローンが払える額なら・・!とサイトにあったローンシュミレーターで計算。

へぇ~今は頭金がなくても家が買えるんだ。もしかして本当に買えるんじゃね?

35年で5万円台。うんうん今より安いし払える額だね・・ ん?35年? 私80歳では?

80歳になってもローン払ってんの?一人で?

 

あーーー・・無理だなコレ。と現実を知った今回の内覧なのでした・・。

早速地域を広げて探して見た。

今はアットホームとかの不動産サイトを見ればほぼ物件は把握できる。いい時代だなと思うと同時に、「これって壮絶な取り合いになるんじゃね」とも薄々感じてきた。

 

まずは1件目。隣の市のリフォーム物件。1200万ぐらい。一番安くて住めそうな物件というと、それくらいが底値という感じだった。

買えるかどうかは置いといて(というかこの時点で良くわかっていなかった)、内覧申込みへ。当日は親と子ども達を連れていざ内覧。

家は、外観も内装もリフォームされてとても綺麗だった。間取りも大きなリビングで今風、部屋数も4LDK。

狭い賃貸暮らしの私たちはすっかり舞い上がってしまった。

「買おう!買おう!」と子ども達は大合唱。おいおい転校は良いのか。

 

しかしそこで出た親の一言。「学校も駅も遠すぎる」

確かに、小学校は徒歩30分、中学校は自転車で30分。駅はさらに遠く自転車で1時間くらい。

.長女の目指す高校は恐らく電車通学。現実的ではない。

とりあえず1件目はそのまま見送ることに。営業マンに「遠いのぐらい子どもはすぐ慣れるよ!選り好みして買わないんなら他にも待ってる人いるから、そっちに売るよ!」とかさんざん失礼な事言われたけど、お断りした。

シングルマザーって言ったから舐められてたんだろうか。。

 

取りあえず、子供たちが引っ越しに乗り気になってきてくれたので、それはよかった。

そして次の物件を探したのである・・。