Kさんがバックパッカーをしていたときに買った日本から遥か離れた遠い外国のお土産。

私が珍しそうに見ていたら、家にきれいなものがもう一つあると、次のデートでプレゼントしてくれた。

貴重なものをいただけない、いつかお子さんに差し上げて、と言うと、子どもは自分で旅してくれば良い、と言って手渡された。







Kさんがサイトへ再入会したことに気がついたとき、私はショックを受けた。

自分が思っていた以上に傷ついて、私はいつの間にかKさんに不相応な期待をしているのだと気が付いた。

別に平気だ、代わりなんてすぐに見つかる。

…そう思おうとしたけれど、そんなことはないのも分かっていた。

Kさんが私を同じように思っていないことが悲しかった。







私の部屋の本棚にはKさんからもらった本が並んでいる。

僕と付き合うことで、れもんに何か残せたらと思っている。

私の誕生日にそう言っていたKさん。



お互いが一緒に過ごす中で得られたものが、いつか何かの形で役に立つことがある。



サイトで出会った私にそんな真面目なことを言うものだから、私はいつまでもKさんと別れられない。







付き合うときの楽しさと苦しさをプラスマイナスできちんと計算するべきか、
プラスだけで愛情を重ねていくか、
マイナスの重さで別れを決めるか、

自分にとっての正解が分からない。







Kさんは私に何も求めない。

出会った頃から変わらず、自分のタイミングで、自分のしたいことをしている。







私が浮気することは、Kさんには言わない。



Kさんと二度と会えなくなる覚悟はできない。



結局私は自分が一番可愛くて、傷つくのが怖くて、ジタバタしているだけだ。