探偵の仕事でマッチングサイトの男性を調べて行く途中、気になるプロフィールを見つけました。


嫌味も下心も感じさせないスマートな言葉が並んでいて、明るくてテンポの良い文章が頭にすっと入ってきます。


ちょっとサイトに似合わない人だな、と思いながらも、すぐに次の人へ調査を進めていきました。




翌日の夜、足跡をたどってきた彼からのメッセージを見たときは、初めて、サイト内のやり取りでウキウキした気持ちになりました。


既婚ですか?婚外経験ありますか?と送ったメッセージには、同じですね!と一言。


無駄なメッセージが少なく間延びしないのが、私としては最高ドキドキ


早い段階で、メッセージ交換を続けるより会いましょう!となりました。


日にちを提案されるも、私の返信が遅れたせいで彼の予定が埋まってしまったり、彼に急な会議が入ってリスケになったりで、やっと会えることになったのは、2023年の2月24日でした。恵比寿に19時。それが初めての待ち合わせでした。




当日、お互いが隣に立っていることに気が付かず、数分後に初めましてをして、Kさんが予約してくれたバルまで歩きました。


このときは、背の高い人だと思っただけで、特に印象は残っていない…驚き




バルでは、Kさんの仕事の話や、今までの婚外恋愛経験について話しました。


Kさんは、外交官の彼女と専門分野でCMに出ていた彼女がいたらしく、CM彼女の頭の良さを褒めていました。


そんなに良い人なのにどうして別れたんですか?


独身の人と付き合うと言われて…


きっと残念な気持ちが残っているのだろうな、と思っていたけれど、Kさんは去るもの追わずタイプなので、そうでもないらしい。。




Kさんは私より年下だと思っていたら、10才近く年上ということが判明。


信じられないでいると、名前部分を指で隠して、パスポートを見せてくれました。




バルの美味しい料理をごちそうになり、外に出ると、Kさんがホテルに行く?と言いました。


メッセージがスマートで、会話も楽しい。そんなKさんに、一軒目のバルを出た瞬間、ホテルに誘われた私は…


はぁー、今ので印象サイアク凝視


と思ったのでした。




後にKさんにこの話をすると、酔っていたんだよ!と言われますが、えっちしたい!と言われた衝撃は忘れていません。


真面目な人だと思ったのに笑




Kさんは、私のテンションの急降下を察知して、二軒目はバーに行こうか?と提案してくれました。


そして、初対面の日のバーでゆっくり話せたことが、Kさんとの恋愛を発展させる一因となりました。




二人だけの空間と思わせる席で、Kさんはウォッカ、私は葡萄のカクテルを飲みました。


Kさんは残りの人生をどう過ごして、何を成し遂げるべきかを熱く語っていました。


マッチングサイトのプロフィールを読んだときのように、Kさんの言葉は私の心にすっと入ってきます。


考え方に共感できる部分が多いこと、言葉選びが洗練されていること、穏やかで少しスローテンポで話す声のせいだと思いました。




終電の時間が近づいてきました。


バーを出て、急な階段で手を繋いでもらいます。


初対面で手を繋ぐのは、私にしては早い展開でしたが、嫌な気持ちはしませんでした。


恵比寿駅までの道を酔いが回らぬようにゆっくり歩きます。




たぶん、僕たちは大人の関係になると思うよ。




Kさんのこの言葉は本当だったと、出会って1年経った今でも思い出します。


バーが素敵だったのか、Kさんに心が傾いていたのか、理由は分からないけれど、婚外活動で誰かに会った日のなかで、一番に楽しい時間でしたスター