「お乳が一杯でますように。」


その夜、ゆきは多目に桜ママのお皿にフードを入れました。でも、桜ママは一切食べません。

チラッとハウスを覗いてみると、桜ママはチェリーを舐めて、自分の体を舐めて忙しそうです。


真夜中にチラッとハウスの中を覗いてみても、桜ママは休むことなく、チェリーにお乳をあげていました。

他の猫達は、ゆきのベッドの中で眠っています。


桜ママとチェリーのことが気になり、チラッと覗くのは、ゆきだけでした。


翌朝、桜ママは少し居眠りしています。

ハウスの中を、チラッと覗くと…
後産も綺麗に食べてあり、桜ママのお尻も綺麗になっていました。

出産の後、桜ママは全部自分で綺麗にしたのでした。
猫にとっては、当たり前のことなのかもしれませんが、ゆきは感動しました。


そして、一晩で、一回り大きくなっているチェリーにビックリしました。


続く
桜ママとチェリーが入ったハウス(箱)を そっとゆきのベッドの下に置きました。


ハウスの直ぐ横には、お水とフードを置き、その横には、桜ママ専用のトイレを置きました。


夜、ゆきはベッドの上から、桜ママとチェリーの様子を見守ることができます。
桜ママも、直ぐに食事ができ、直ぐにトイレへ行くことができます。


桜ママは、ゆきがハウスを移動しても、気にすることもなく、チェリーを舐めていました。
チェリーの様子は、桜ママの手でよく解りませんが、お乳を飲んでいるようです。


第2子が産まれてくる気配はありませんでした。

チェリーは1人っ子のようです。




続く
コタツの中で お昼寝をしている猫達…
何事もなかったように、寝ています。


父となったモモは、華君にくっつき、甘えて眠っていました。


コタツの外では、桜が出産をしたことを、みんなは気がついていないのでしょうか?


猫はツンデレって、よく聞く言葉があります。
興味がないから知らぬ顔、今はお昼寝の時間だから、知らぬ顔。


人間よりも、動物の本能が優れている猫達のことですから、桜が出産したことを、気配で感じ、ゆきとけい子さんの会話を聞いていたでしょう。


コタツの中を覗いたゆきは、小声で言いました。



「可愛い赤ちゃんが産まれたよ」


ボク君が、一瞬、目を開け、ゆきと視線を合わし、又眠りだしました。



朝からずっと、コタツの中にいた猫達。


自分達が何をするべきなのかを、解っていたのでしょう。


桜が出産に集中できるように、自分達はコタツの中に集合して身を隠し、寝たふりをして、じっと新しい命が誕生することを見守り、待っていたのです。



猫の本当の優しさを、ゆきはしみじみと感じていました。


何もせず、手を出さず、桜が安心して、出産に集中できるように…



人間が猫に癒される猫の温かい優しい心

猫は、人間が忘れかけている本来の優しさを教えてくれているのでした。





続く