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氷艶2024に激震が走った。

 

 

 

宮本亜門さんが演出から「演出原案」となり、事実上演出を降板。振付の立場で氷艶シリーズ全作に関わってこられた尾上菊之丞さんが演出統括というお立場に立ってくださり、役者高橋大輔の師匠である福士誠治さんが演技指導という形で関わって下さるという。

 

お二人ともスケジュールぎっしりのご様子で、菊之丞さんは三時間しか寝てらっしゃらないというような状況だのに、快く引き受けてくださり、本当に頭が下がる。

 

最初、宮本亜門さんの健康問題かと案じたが、ご本人が至ってお元気な様子の垣間見えるSNS発信を続けておられるので、これは制作上の問題ということだろう。

 

そしてさらに、大輔さんに次ぐ立ち位置に立つ役者さんである小野田龍之介さんが降板、大野拓朗さんが代役に立たれるとの発表。

開幕まで三週間を切ったこの段階で、なぜ、とは思うが、やむにやまれぬ事情があってのことだろうし、そういう「事情」は、普通は表に出ることはない。

だから、あれこれ詮索しても意味はないし、大野さんも非常に魅力的な役者さんでいらっしゃる様子なので、ひょうえんずメンバーの団結力と、座長高橋大輔の人間力と土壇場の底力を信じるのみ。

 

 

考えてみれば、4/27に、「あらすじ」というには妙に細かい「あらすじ」が公式サイトに掲載された、あれがいわゆるアドバルーンだったのだろう。

こういう内容ですが、皆さん、どう思われますか?という制作からの問いかけ。

 

そして、管見では、問いかけに対する反応は薄かった。

 

率直に言えば、ここまでの氷艶2024は、2019の月光かりにおける見事なSNSの活用っぷりや、2017の破沙羅のビジュアル発表時の快哉を鮮明に記憶している身としては、いささか歯痒いような、なんだかよくわからないちぐはぐさを見せていたと思う。

 

雨降って地固まる。

 

難しい決断だったことは想像に難くないが、微妙な齟齬(それが本当にあったのかどうかは、当事者ではない私にはわからないが)がもしあったのだとすれば、方向転換は必要な痛みだったのだと思う。

 

勇気ある決意を示して下さった大野拓朗さんに、まず感謝を。

そしてこれまで作品を生み出すべく、共に苦闘して下さった宮本亜門さん、小野田龍之介さん、そして表にはお名前の出ない皆様に感謝と労いを。

 

 

横浜市の観光事業とタイアップした「月光かり」の時のスタンプラリーなどは、実に楽しかったし、興行としても、何もかも手探りだった2017やコロナ禍の自粛の影響をモロに受けた2021LUXEより(売上としては)成功だったろうと思われる。

 

その「月光かり」の創り手である亜門さんには、本当に美しい夢を見せていただいた。

ステファン演じる朱雀君と大輔さん演じる源氏の歌合のシーンなどは、フィギュアスケートとプロジェクションマッピングとかな文字や和歌という日本文化の、最高のマリアージュだった。

 

ありがとうございました。

いつかもし、またご縁があれば。

 

氷艶のenは「艶」であり「演」であり「縁」。

今回は、時を得ることができなかったのだと思うことにしよう。

小野田さんも、いつか、また、何処かでご縁があれば。

 

「氷艶」が特別なのは、歌舞伎なり源氏物語なりミュージカルなり宝塚なり和太鼓なり、様々なアートやエンタメの要素を採り込みつつ、根幹にしっかりと✨フィギュアスケート✨があって、全く今まで目にしたことのない氷上エンタメとなっていることにこそある。

フィギュアスケートが根幹にある以上、そこで「人ならぬスピード」と、特に水平方向の「広大な空間の使い方」は、絶対に喪ってはならない魅力だ。

そこでは、歌や台詞などの言語表現よりも、踊りや滑りによる身体表現の方が重い。重くならざるを得ない。

 

簡単に言ってしまえば、歌う高橋大輔も台詞を語る友野一希も確かに観たいが、それに力を割くあまりに、彼らの滑る/踊るシーンが切り詰められてしまったら、本末転倒だよね、ってこと。

 

大丈夫。

痛みと危機を乗り越えて、十字星はきっと煌めく。

 

最後に、氷艶シリーズの蠱惑的なビジュアルを載せて、エールに代えたい。

 

2017 破沙羅

 

2019 月光かりの如く

 

2021 LUXE

 

 

2024 十字星のキセキ

 

 

 

第一作・破沙羅の一幕を見終わった時の興奮と「来れる人は代々木に来て!観て損はない、というか観ないと後悔するよ!」と、スマホを立ち上げるのももどかしくSNSに書き込んだ時の高揚感は、たぶん、一生、忘れない。