今週は本店チックなフランス系ブランド店勤務だった。

この店はバッグの店だが、洋服も10枚くらい店に置いている。

本当は20枚くらいあるのだが、陳列の場所が無いので

半分しか店頭に出せない。しかしこの1週間洋服が売れるのを

一枚も見なかった。それもそのはず、バカ高いのだ。

レザーのラビットファーのコートが20万超え。

ブラウスが4万だったり、10万くらいのレザーのパンツもある。

おそらくフランス本社から断れない販売の義務があるだろう。


その中で目を引くレザーのパンツがあった。

深緑色で、しかも裾に分厚いゴム入りの絞りがあって、

身長170cm越えの細見長身で無いと、ひたすらカッコ悪く

なるような、センスの悪い代物で

「これオーナーが仕入れたんだけど、売るの難しいわ~」と、

ロシア人の店長が愚痴をこぼした。

その数時間後に、ロシア人の一見リッチには見えないが

実はリッチだった夫婦が、そう似合うとは思えない

フエルトのような身動きしにくそうなトップスと、

そのレザーのパンツを買って行ったのだ。


購入した女性は小柄で全然痩せてはいないかった。

ロシア人はレザーと毛皮が大好きなのだ。

この店長が誰にでもとても親切な接客をするし、

ロシア人客は財布のひもを緩めて、追加購入をどんどんする。

店長は「ロシア人殺し」なのだ。

ヤンツェクも相当なレベルの「ロシア人殺し」だ。


週末にサンクトぺテルスブルグから遊びに来る客が

また訪れて買い物をしてくれる為、

上顧客への割引10%優待をする。

すると嬉しくなって他にブランド店もあまり無いヘルシンキで

リッチなロシア人カスタマーがまた買い物をしてくれるという仕組み。


私も早く「中国人殺し」になりたいが、

中国人客は観光で訪れるだけの一見さんなので、

ツナ子はやはり各店をぐるぐる回るしかないのであった。


朝出勤するやいなや某アメリカ系ショップの

気難しい店長から携帯に電話が来て、ちょっと来て欲しいと言う。

「えーと、ご都合の良い時に伺いますけど、今が宜しいですか?

それともお電話でお話ししますか?」と、何を言われるか

ビビってる及び腰の私。結局すぐ歩いて400メートルくらいの

彼女の店に向かった。「えーと、何でしょうか?」と聞くと、

「今月の売り上げが、凄く良かったの。

あなたはこの店のトップセラーだったのよ」と言う。

トップも何も、店長と休暇で月の半分休んだヤンツェクしか

いないではないか。あと週末のスイートハートくんと。

「トップセラーですか、確かに私は誰よりも一杯シフトに入れてもらってて

一杯働きたいんで、有り難いんです」

「はい、これフランスのチョコレート、私も食べてみたけどおいしわよー

私とヤンツェクはもっと小さいパッケージjなんだけどね」

などと言って、色とりどりの64個のチョコレートの箱をくれたのだ。





Mermaid and Crocodile



ここは期待どうり大げさに喜ばねばと思い、

「これいいチョコですねー。フランスの?色んなフレイバーが楽しめるし

食べ終わるのにいつになるかな?実はこういうチョコって自分では

買えなくて、パンダの安いの買って食べてるの。ちょ~嬉しい!」

って、結局思った事をまんま言った。

店長もとても丁寧に感謝をしてるのを伝えてくれたので、

それをニコニコしながら聞いて、途中中国人のお客んが来たので

手短にセールストークをして、その後はバイバ~イ!と手を振って

本店に向かった。仕事を評価してもらえたし、あんな事があったので

気を遣ってくれたのね(TωT)・・と思い、

めちゃめちゃ嬉しい気持ちで本店に帰って行った。



今週勤務の本店チックな店でも、さすがに他の本店勤務の

やり手販売員がいるから無理だろう。。と思って、仕事前には

しょぼーんと休日を過ごしたが、意外にもなかなかの結果に

なっている。今日はまだ3日目であと2日勤務が残っているが、

毎日かなりの売り上げを出せた。あの「中国語OK」の

張り紙が効いたのだろうか、3時くらいまでひっきりなしに

中国人の接客に追われ、休憩に行くのをすっかり忘れていた。


他の販売員はフィンランド人のお客さんは少ないしで、

ショーウインドーに飾る、フランス本社から送られて来た

ロゴの一面に入った棚の組み立てにおおわらわで、

凄い時間がかかった。おかげで綺麗な飾り家具が出来上がったが、

こんな大工チックな仕事は彼女らには1大プロジェクトだった。


私は役に立たない下っ端なので、それらしく大量に出る段ボールを

片す役目に徹した。段ボールも捨てる隙間も無くなるほど

あったので、肩が凝ってクッタクタになった。

明日の土曜は10時から勤務なので、一時間早めに起きなければ

ならないので、もう寝るとしよう。近頃どんどん太陽が弱くなって

きたせいか、疲れやすい。


今日は朝からバタバタだった。

とうとうオーナーが、「ツナ子の勤務するショップの入り口に

中国語OKの張り紙をするように」と言って来た。

うぬぬ、これはそんなのカッコ悪い、張りたくないって思う店長も

いるだろうが仕方ない。こんなパチもんの中国語でお客さん

ごめんね・・と思うが、先週の売り上げの少ないイタリア系ショップでも

自分でも意外なほど売り上げを出せたので、おそらくオーナーは

売り上げをつぶさに見ていて、中国人客を更に重要視するように

なったのだろう。今朝、その張り紙をカウンターの上に置いたら

知らないうちにロシア人の店長が表のガラスに上下逆さに張っていて

笑った。漢字読めないと、上下もわからないんだなー。


「今日は中国人の旅行客が来るからツナ子を他の店にまわさない様に」

と、オーナーから電話があった。ところが3つのブランドのスーツケースを

販売するショッピングセンターの中のショップの販売員が病気で休んでしまい、

一番人数の多いうちの店から誰かがいかねばならなくなった。

ロシア人店長と私以外の、2人の若い女の子の中からどちらかが

いかねばならぬが、二人とも嫌がる。自分の店以外のショップの

商品はよくわからないし、牙城を動きたくないのだ。

この二人はちょっといけずなとこがあるが、二十歳のなかなか美人の

結構優しいとこもある女の子がおれた。彼女はフィン語は勿論、

ロシア語と英語にスウエーデン語もペラペラなので、重宝な女の子なのだ。


それでもしばらくして、そのショップから電話がかかってきた。

「中国人が複数いて、さばききれないのでツナ子を派遣して」

と言われ、こっちのショップの英語のしゃべれる中国人客の接客を

中断し、走ってすぐそばのショップに向かった。

見ると8人くらいのお客がスーツケースをあちこちに散らばらせて

高級ブランドの、しかもドイツの一番高い金色のアルミの

スーツケースを見ている。これが売れれば店長喜ぶなーと

思いながら、手短にスーツケースの中を開けたり使い勝手を説明し、

5年の世界共通保障がある事や、中国に比べて価格が

破格にお得な事を説明し、免税表で買えば買うほど

免税率が上がる事を見せる。


ヤンツェクの働くアメリカ系ショップの商品も

だいぶ詳しくなって来たので、スーツケースとブリーフケースも

セットで販売成功。結局、30万以上売り上げが出て

店長が「マグニフィセント」みたいな事を言って、

ちょっと興奮していた。勿論そのくらいの売り上げが出る事は

珍しくないが、一塊の客でとういうのは珍しい。

しかも、今週は近隣の2つのショッピングセンターで

年に2回のセールスウイークが開催されているので

このショッピングセンターは暇なのだ。


その後ももとの本店に戻ったが、足りない商品を

そこまで取りに行ったり、夕方はヤンツェクから電話が

かかってきて、「ツナ子、頼みごとがあるの、倉庫行くから

店番しててもらえないかしら?」と言われ、雨降る中向かうと

ヤンツェクは、「今日中国人客多かったでしょ?」と聞いてきた。

「うん、一番高いスーツケース買ってったよ」「そーでしょうとも」

と言っていて、私は無邪気を装って答えたが、ヤンツェクは

私が違う店でも売り上げ出してるとは、知らないだろうから、

言えばよかった。売り上げをこまめにチェックし、

「キー、ツナ子この時間で売り上げ20万?めちゃくちゃしてるわ、

中国人客ね、あたしがいない間もあんなに売り上げ出して、

あのスブタっ」とでも思ってるに違いないのだ。

もうめんどうくさいので、他の店にヘルプ行ったり、色々やってるんで

目をつけるのをやめて欲しいのだが、どうしたものか、よよよ。



今週は4軒のショップの中で売り上げの一番多い、

本店的なショップ勤務。ここはヘルシンキに出店した

ブランドショップの中で40年以上の歴史があって

認知度が高いので、フィンランド人のお客さんが多い。

まずこのブランドの成功があって、他のショップの店を

構える基盤となった店なので、雰囲気が本店チック。

フランス本社から制服も送られてくるので服装も自由ではなく

ショップもちょっと格調高い感じで、常勤の女性4人がいて

ちょっといけずな若い女の子もいる。


いけずと言っても、フィンランド人の程度はたかが知れていて、

他の白人圏の女性に比べると、びっくりするくらいこちらにも

気遣いをしてくれる。血中女濃度が薄いので、女々しい意地悪を

するタイプがいないのだ。ちょっと高飛車に物を言って来たなあと

思うと、その後ちゃんとフォローも入るので、自分の事もちゃんと

かえりみてるんだ。。と感心する。

アジア人の私のような特別フレンドリーでもなく、面白いわけでもなく、

フィンランド語の雑談にも入っていけない人にも、こんなにきちんと

接してくれるとは、フィンランド人は凄い。


白人女性のアジア人には全く興味も目もくれない人を

一杯見て来たので、有り難さがしみる。

日本の職場の人間関係のややこしさに比べたら天国だ。

まあそのかわり、言葉の壁でそれほど仲良くもなれないが

「おばさんの年齢だしな」と軽い気持ちで割り切れるので

年取るっていい事一杯あるな~と、発見もしたり。


それに私だけが4店舗を周っていて、他は固定か2店舗間を行き来する

だけのシフトなので、距離縮めたくても難しいし、

「ツナ子は悪い奴じゃあないな」と思ってもらえるレベルでいいのだ。

4店舗を周るのはいつか周りも私も慣れると思うが、

当然覚える事が多いし、なぜ一番難しい事を

フィンランド語しゃべれない私がしているのだ・・と思う事もあるが

何しろ仕事が見つかった事が嬉しいし、仕事も結構好きなので

チャレンジ感覚でやっているが、最近ちょっと怠けていて、

家で勉強していない。初心をキープするのって、難しいのう・・と

入店3か月もたたないのに、思うのであった。




今日も金曜日だというのに、それ程忙しいわけではなかった。

とにかくフィンランド人の来店が少ない。

午前中の中国人と午後のメキシコ人、夕方のロシア人の

お客さんのおかげで前日が嘘のようないい売り上げが出たが、

フィンランド人のお客さんの売り上げは何とゼロ。

なんだかなあ・・である。


ブランド物を買うお客さんを分析してみる。

日本だと、例えば自営業のリッチ層に、大手会社勤務、夫婦でそれなりの

収入がある場合は、収入一杯あるし、ちょっといい洋服・バッグ・靴に時計に

アクセサリーを買ってお洒落しよう、お金もあるから好きなもの買えるし、

っていう感じの層と、若かったり普通のOLだけどお洒落が好きで、

たまにブランド物を買って、だんだん揃えていったり、って感じの層。

百貨店で定額購入する層と、楽天などでお安くゲットする層。


フィンランドはとにかく自営業がなりたたない少数民族のような国家なので

必然的に大部分が勤め人の層。しかも中流層が非常に分厚く、上流層が

他の国に比べて非常に少ない。極端な下流も多くはないのが長所。

でも中流層でも税金がとっても高いので、手元に残るお金は日本人の

感覚で言うとぐーーんと少なくなる。だが教育費が無料、

電気代、電話代などが安い。もともと牧歌的で自然体の気質なので、

お金を持っていてもジュエリーなどを購入する習慣があまりなく、

ラフな格好をしている人が多く、おばあちゃんもH&Mで洋服を

購入するし、クリーニング代が高いので洗濯機でじゃぶじゃぶ洗える服が

主流。それでも当然お洒落したい人も一杯いるわけで、そうなると

ボーナスも無く手元に残った給料の中からブランド品を買うとなると、

当然「これなら投資出来る」と思えるものを買いたい。


そうなると、ヴィトンが真っ先に上がる。笑

ヴィトンのスピーディか、ネヴァーフルなら5万くらいで購入出来るので

この二つを、特に前者を持ってる女性が非常に多い。

正に80年代終わりの日本のような大ブームが今ここに。

この5万円というのが、ブランドバッグの2番目のラインだと思う。


もう少し気軽に買えるのが3万円の一番目のライン。

でも3万円で買えるブランド物の皮革製のバッグは、もうあまり無い。

他の生活用品の値段は上がっていないように思うが、

ブランドバッグの3万円のラインの革のバッグは随分少なくなった。

バーバリーは今じゃ10万超えは当たり前、グッチもそう。

プラダも随分とお高くなった。


ヴィトンは商売がえぐいくらい上手だ。

モノグラムの5万から10万のバッグは、庶民がお金を貯めて買うバッグ。

シーズン毎のすんごいおしゃれなディテールのモノグラム以外のバッグは

30万、50万、70万のものもあって、こちらがリッチ層向け。

リッチ層にはヴィトンの服は人気があるが、こちらも庶民には届かない金額設定。


要するに、5万円の資金があれば、ぱっと一目で「高いバッグだ」と

わかるものに投資したいのが、フィンランド人のお洒落層だと思う。

となると、街一番の唯一のラグジュアリーショップ、ヴィトンしかない。笑

むかーし日本で猫も杓子も状態でヴィトンが流行ったバブルの頃に先輩が、

「ヴィトンのバッグ持ってたら、着てる服とのレベルもそれに見合ってないと

おかしいし、まずコーディネイトきちんと出来ないと、逆に恥ずかしいよ」

と言ったのを、なるほどねーと思ってきいた。バッグだけが無理して

歩いていても、確かにちょっとかっこ悪い。


でもそんな事はここでは一切関係ない。というか時代背景が変わって、

80年代のケミカルウォッシュをお洒落だと思ってるフィンランド人が

多いので、更にH&Mの革のブルゾン羽織ってヴィトンのスピーディとかが

標準になってる。これにオレンジ色の日焼け風ファンデーションに、

グリグリのアイライナーとか。うーむ、やっぱお洒落じゃないけど

頭の小さい足の長い、女性の平均身長が168センチ超えのフィンランドでは

そんなに変でも無いのが羨ましい。日本人がH&Mのペラペラの服を着たら

安っぽくなるが、そういうお洒落に見えてしまうフィンランド人。


というわけで、フィンランド人にヴィトンでも無い店のブランド物で

5万越えのものを購入してもらうのは、難しいのである。