今日も金曜日だというのに、それ程忙しいわけではなかった。
とにかくフィンランド人の来店が少ない。
午前中の中国人と午後のメキシコ人、夕方のロシア人の
お客さんのおかげで前日が嘘のようないい売り上げが出たが、
フィンランド人のお客さんの売り上げは何とゼロ。
なんだかなあ・・である。
ブランド物を買うお客さんを分析してみる。
日本だと、例えば自営業のリッチ層に、大手会社勤務、夫婦でそれなりの
収入がある場合は、収入一杯あるし、ちょっといい洋服・バッグ・靴に時計に
アクセサリーを買ってお洒落しよう、お金もあるから好きなもの買えるし、
っていう感じの層と、若かったり普通のOLだけどお洒落が好きで、
たまにブランド物を買って、だんだん揃えていったり、って感じの層。
百貨店で定額購入する層と、楽天などでお安くゲットする層。
フィンランドはとにかく自営業がなりたたない少数民族のような国家なので
必然的に大部分が勤め人の層。しかも中流層が非常に分厚く、上流層が
他の国に比べて非常に少ない。極端な下流も多くはないのが長所。
でも中流層でも税金がとっても高いので、手元に残るお金は日本人の
感覚で言うとぐーーんと少なくなる。だが教育費が無料、
電気代、電話代などが安い。もともと牧歌的で自然体の気質なので、
お金を持っていてもジュエリーなどを購入する習慣があまりなく、
ラフな格好をしている人が多く、おばあちゃんもH&Mで洋服を
購入するし、クリーニング代が高いので洗濯機でじゃぶじゃぶ洗える服が
主流。それでも当然お洒落したい人も一杯いるわけで、そうなると
ボーナスも無く手元に残った給料の中からブランド品を買うとなると、
当然「これなら投資出来る」と思えるものを買いたい。
そうなると、ヴィトンが真っ先に上がる。笑
ヴィトンのスピーディか、ネヴァーフルなら5万くらいで購入出来るので
この二つを、特に前者を持ってる女性が非常に多い。
正に80年代終わりの日本のような大ブームが今ここに。
この5万円というのが、ブランドバッグの2番目のラインだと思う。
もう少し気軽に買えるのが3万円の一番目のライン。
でも3万円で買えるブランド物の皮革製のバッグは、もうあまり無い。
他の生活用品の値段は上がっていないように思うが、
ブランドバッグの3万円のラインの革のバッグは随分少なくなった。
バーバリーは今じゃ10万超えは当たり前、グッチもそう。
プラダも随分とお高くなった。
ヴィトンは商売がえぐいくらい上手だ。
モノグラムの5万から10万のバッグは、庶民がお金を貯めて買うバッグ。
シーズン毎のすんごいおしゃれなディテールのモノグラム以外のバッグは
30万、50万、70万のものもあって、こちらがリッチ層向け。
リッチ層にはヴィトンの服は人気があるが、こちらも庶民には届かない金額設定。
要するに、5万円の資金があれば、ぱっと一目で「高いバッグだ」と
わかるものに投資したいのが、フィンランド人のお洒落層だと思う。
となると、街一番の唯一のラグジュアリーショップ、ヴィトンしかない。笑
むかーし日本で猫も杓子も状態でヴィトンが流行ったバブルの頃に先輩が、
「ヴィトンのバッグ持ってたら、着てる服とのレベルもそれに見合ってないと
おかしいし、まずコーディネイトきちんと出来ないと、逆に恥ずかしいよ」
と言ったのを、なるほどねーと思ってきいた。バッグだけが無理して
歩いていても、確かにちょっとかっこ悪い。
でもそんな事はここでは一切関係ない。というか時代背景が変わって、
80年代のケミカルウォッシュをお洒落だと思ってるフィンランド人が
多いので、更にH&Mの革のブルゾン羽織ってヴィトンのスピーディとかが
標準になってる。これにオレンジ色の日焼け風ファンデーションに、
グリグリのアイライナーとか。うーむ、やっぱお洒落じゃないけど
頭の小さい足の長い、女性の平均身長が168センチ超えのフィンランドでは
そんなに変でも無いのが羨ましい。日本人がH&Mのペラペラの服を着たら
安っぽくなるが、そういうお洒落に見えてしまうフィンランド人。
というわけで、フィンランド人にヴィトンでも無い店のブランド物で
5万越えのものを購入してもらうのは、難しいのである。