誤認衆の H 口さんのご厚意で、昨年と同じ本日 4 日に歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」夜の部を芝居見物。

お目当ては松緑の熊谷陣屋と贔屓の隼人の「大富豪同心」です。後者は NHK 番組で楽しんでいたので歌舞伎座でどうするのかとても楽しみです。しかも最前列。因みに古巣の同窓同期の H 田くんが居ました。桟敷には M 先輩も。
 
まずは「熊谷陣屋」。松緑が良かったですね。萬壽の相模、雀右衛門の藤の方、歌六の弥陀六(左團次さん亡き後この人に頑張って貰うしかないですが、今年75歳!)と鉄板の脇役にも助けられ、若い命を散らせて無常を観じる処が確り感得できました。ただ、引っ込みのところ、記憶違いかもしれませんが二世吉右衛門はその場面に「16年はひと昔、 夢だ 夢だ。」と言って花道を走り抜けたと思うのですが、今回の松緑は未だ幕が閉まる前にその台詞を言って、花道は無言でした。これは二世吉右衛門のやり方が良いと思いました。
次に「二人椀久」。壱太郎の出までは記憶が確りしていましたが、スンマセン、その後は時々ウツラウツラしていました。右近の踊りは確り世界観を出していたと思います。次の演目の幇間と対比して芸域の広さを感じました。
さてさて「大富豪同心」。年増の役をやっていた米吉、久々の姫役は流石で良かったなぁ、と本筋から離れましたね。筋は少し盛り込み過ぎでしょうか(だから「続編?!」)。歌舞伎座でやらなくても・・と云う批判は当然にありそうですが、丸本物(しかも悲劇)、所作と来たら新年を寿ぐ「大切り」は明るく締めないと・・となれば、これで良かったと思います、まぁ白頭翁は隼人贔屓ですけど、で、何か。その隼人は姿も良く、軽いタッチの卯之吉が本当に似合いますね。右近の銀八は名演だと思います。どうしても NHK ドラマと比較して観てしまいますが、ドラマの石井正則に匹敵していました。それで言うと巳之助は(贔屓という点はありますが)TV ドラマ以上の清少将ですね。最後のダンス(?)も一人だけ(!)歌舞伎の舞踊だと思いました。他で原作のイメージに近いのは三国屋の雁治郎。逆に壱太郎の美鈴、亀鶴の沢田は原作でもなく TV ドラマにも負けと感じました、ファンの方にはゴメンナサイ。



【 本日の演目 】

一谷嫩軍記   
一、熊谷陣屋(くまがいじんや)   
熊谷直実  松緑(仁左衛門、吉右衛門、染五郎改め幸四郎、橋之助改め芝翫、幸四郎:現 白鸚) 
相模    萬壽(孝太郎、総て魁春) 
源義経   芝翫(錦之助、菊之助、菊五郎、吉右衛門、菊五郎) 
梶原平次景高 松江(松之助、吉之丞、芝翫、吉之丞、幸太郎改め高麗五郎) 
堤軍次   坂東亀蔵(同左、又五郎、鴈治郎、国生改め橋之助、松緑) 
藤の方   雀右衛門(門之助、雀右衛門、雀右衛門、菊之助、高麗蔵) 
白毫弥陀六 歌六(同左、同左、左團次、歌六、左團次) 
なお、( )内は順に 2021年3月、2019 年 2 月、2018 年 2 月、 2016 年 10 月、2014 年 11 月の公演の其々の配役です。   

 

二、二人椀久(ににんわんきゅう)  
椀屋久兵衛 尾上右近(玉三郎)
松山太夫  壱太郎(勘九郎)
なお、( )内は順に 2016 年 3 月の公演( 2 回)の其々の配役です。  

幡 大介 原作「大富豪同心」(双葉文庫) 
戸部和久 脚本 
松本幸四郎 演出 
尾上菊之丞 演出・振付 
新作歌舞伎 
三、大富豪同心(だいふごうどうしん) 
影武者 八巻卯之吉篇 
八巻卯之吉/幸千代 隼人
美鈴    壱太郎
清少将   巳之助
徳川家政  新悟
真琴姫   米吉
銀八    尾上右近
溝口左門  吉之丞
乳母岩橋  青虎
箔屋寿太郎 寿猿
傅役大井御前 笑三郎
中臈富士島 笑也
坂内才蔵  猿弥
沢田彦太郎 亀鶴
本多出雲守 中車
荒海ノ三右衛門 幸四郎
三国屋徳右衛門 鴈治郎