筆の滑り | Leikon's Photo Diary

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~ 写真とカメラに係わる独り言、として始めたものの、飲食遊興ネタが増殖 ~

goo blogからの移管のため、2025年6月以前の「テーマ」は天体望遠鏡関連、双眼鏡関連、時計関連、筆記具関連、歌舞伎、男手料理の6つ以外、総て「ブログ」となっております。

塩野七生の『ローマ人の物語』ですが、第 6 巻「パクス・ロマーナ」まではスムースに読めるのですが、そこから段々辛くなって挫折しております。筆者がカエサルを最も愛して叙述しているのよく分かりますし、暗殺という悲劇が待っているにせよ、筆者の熱い思い故に読み進めるのが容易です。やはり対象の問題か?
処が、今回の改作を含む『小説 イタリア・ルネサンス』では主人公のマルコ・ダンドロは同じなのに(副主人公というべき、愛すべきオリンピアは亡くなっていますが)、第 4 巻は読み辛いです。3 巻まではほぼ買った日に読み終わったのに、今回は年末ということもあるものの 5 日を要しましたよ。『海の都の物語』でヴェネツィアの興亡を既に読んでおりますから、暗殺を迎えるカエサルと同じように先は分かっているのに。やはり、マルコがオリンピアを失い、壮年も終わり老年に入って精彩を欠く(別に小説ですから何とでも出来ますが、ここが筆者のリアリティか!?)からでしょうか。流石にレパントの海戦では筆が踊っていましたので、私もガッと読みました(笑)

結局、筆者が楽しい時代を楽しく書いているか、苦しい話を書いているか、に拠る筆の滑りの差が読者である白頭翁に伝わるからでしょう。そう思うと、右肩上がりの『坂の上の雲』を何度も読み返した自分がいるのも分かります。私は全くの凡人ですから、「見たいと欲する現実しか見ていない」ように、読みたいものを読みたいようにしか読めない、のでしょう。Gentile Aspetto(ジェンティーレ・アスペット:佇まいの美しい男)への途は、遥かに遠い(自爆)