図書館で立ち読みした、福岡ハカセの、週刊誌の連載・・・いつか借りようと思っていて、やっと予約が回ってきました。私も田沢湖に魅せられて、田沢湖ブルーのとりこになったので。。。。

 

(前略)

 

「福岡ハカセのパンタレイ パンタグロス」連載769「青が美しい理由」 

 週刊文春20240307

 

なぜハカセは青が好きなのか。記憶の糸をたどると、色に対する原体験は、自然が作り出した青に行き着く。

 

世界を見渡せば青はどこにでもある。海の青。空の青。しかし、どの青も実際に手に取ることはできない。海の青い水をすくっても、晴天の日の空気をどれだけ集めても、そこに青はない。海や空から青を取り出して、白い布を青く染めることはできない。なぜなら海や空の青は、青い色素がそこに溶けているわけではないから。水や空気の性質によって、太陽の光の中から、青い光が選び出されて青く見えているだけである。つまり物質ではなく現象として青い。

 

それなのに、ルリボシカミキリの青、あるいはモルフォチョウの青の鮮やかさはどうだろう。深い宇宙の青がぎゅっと濃縮されて、こんな小さな場所に詰め込まれている。触覚の節にまで青が小さな輝点となってちりばめられている。

 

ところが青はここからも取り出すことはできない。モルフォチョウから青を抽出しようとして、翅をすり潰したら、翅は黒い粉と化して青はたちまちなくなってしまう。実は、甲虫や蝶の青も色素ではない。翅は薄いミクロなガラス状の層があって、青い光だけを反射しているから青く見えるのである。構造を壊すと、青も儚く消えてしまう。つまりこの青も現象。

 

光としての青は、赤や黄に比べて波長が短い。つまりエネルギーが強い。だから太陽光線が海に差し込むと、波長の長い赤や黄は水に吸収されて散逸してしまうが、青は水中深くまで達する。それゆえ原初の生命が、まだ小さな単細胞生物として太古の海に漂っていた頃、最初に感知したのは青色だったはずだ。彼らは青に向かって必死に泳いだ。そちらに行けば太陽の光と熱があるから。

 

生命にとって必要なものを美しいと感じたこと。これが美の起源だとハカセは思う。私たちが青をきれいだと思うのは、最初の生命の記憶が、進化を通じて連綿と受け継がれてきたからではないだろうか。(略)

 

 

また、本では、同じようなことを書いていると知り、借りてみました。

 

「わたしのすきなもの」より「青い蝶」

 

福岡さんは何色が好きですか、と問われれば、迷うことなく「青」と答える。

 

でも、そもそもどうして私が青に惹かれるのかといえば、少年の頃の思い出に行き着く。自然界を見渡せば青はどこにでもある。海の青、山の青、空の青。しかし、どこの青も実際に手に取ってくることはできない。海の青い水をすくっても、晴天の空気をどれだけ集めてもそこに青はない。海や空から青を取り出してきて白い布を青く染めることは決してできない。

 

なぜなら海の青や空の青は、青い色素がそこに溶けているわけではないからだ。水や空気の性質によって、太陽の光の中から、青い光が選び出されているから青く見えるだけである。つまり物質ではなく現象として青い。

 

なのに、この蝶の翅の鮮やかな青はどうだろう。深い宇宙の青がぎゅっと濃縮されてこんな小さな場所に詰め込まれている。蝶の胴体にまで青が小さな輝点となって散りばめられている。

 

少年の私は、こんな青に魅せられた。強いブランデーの香りがすっと鼻から目に抜けるような陶酔感を覚えた。もちろん当時の私はお酒を含め、いかなる陶酔もまだ実際に経験したことはなかったが。

 

ところが青はここからも取り出すことができないのである。この蝶から青を抽出しようとして、もし私が翅をすり鉢ですり潰したとしたら、翅は黒い粉と化して青はたちまちなくなってしまう。実はこの蝶の青も色素ではない。翅には薄いミクロなガラス状の層があって、青い光だけを反射している。この構造を壊すと、青も儚く消えてしまうのだ。青はとても不思議な色だ。

 

光としての青は、赤や黄に比べてエネルギーが強い。生命がまだ小さな単細胞生物として太古の海に漂っていた頃、最初に感知したのは青色だったはずだ。青が光の方向を教えてくれた。彼らは青に向かって必死に泳いだ。

 

生命にとって必要なものをうつくしいと感じるのが美の起源だとすれば、人が青を好むことにも深い理由があるといえる。

 

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そして昨日、安住さんのラジオで、ゲストのみうらじゅん氏が「アルフォートブルー」の話をしていました。

さすが人気なニチテンだね。すぐ書き起こしが出る!!

大事なので、そのままはりますよ!

 

 

(安住紳一郎)ああ、チョコの部分が溶けていて。

(みうらじゅん)だから「これはやっぱり仏の前に捧げるもんなんだな」っていうことで。その時に滋賀県で見たアルフォートのパッケージの色がね、一応「アルフォートブルー」って呼んでんですけども。目に痛いぐらい、鮮明でね。

(安住紳一郎)いい色ですよね(笑)。

(みうらじゅん)北野ブルーとは言いますけど、アルフォートブルーもあるわけですよ。いい色ですよね、あれ。何とも言えない……。

(安住紳一郎)ミルクチョコ版の薄い水色を見た後に、またあれを見るとね。

(みうらじゅん)違いますよね。あれが本当目に痛くて。あれを今……毎日、絵は書いているんですけども。でもあの色は、なかなか出ないんですよ。ほら、銀色のパッケージっていうか。あれに刷ってありますから、テカりも出るんでしょうね。デ・キリコ展っていうのを上野の美術館で見たんですけども、あの人も結構ブルーを使っていて。僕、最近ではもうアルフォートブルーからずっとブルーのことばっかり気になって。それで絵を見たんですけど、アルフォートブルーよりは、ダメでしたね。デ・キリコの方が。やっぱりアルフォートの方が……。

(安住紳一郎)そうですよね。

(中澤有美子)そうなんですか(笑)。

(安住紳一郎)たしかに、いや。うん。やっぱりテカりもあってね。箱の方のアルフォートは特にね。

(みうらじゅん)あの、ほら。ミルクをこうやっている、絵の有名な人がいるじゃないすか。ええと、なんでしたっけ?

(安住紳一郎)フェルメールですか?

(みうらじゅん)フェルメール! あれもブルーがいいんですよね。フェルメールブルー。でも、アルフォートの方が勝っていると思います。

 

※ハカセもフェルメールが、大好きなんですよ!!!(ブルーが好きだかどうだか知らないけれども出してる)

 

(安住紳一郎)私、ニベアブルーが結構好きなんですよ。

(みうらじゅん)ああ、わかります。ニベアブルーも近いですよね。アルフォートブルーに。たしかに。

(安住紳一郎)でも最近、ニベアブルー少し色を抑えたんですよ。

(みうらじゅん)そうだ。僕も最近、買いました。前はもっと色、深みがありましたよね?

(安住紳一郎)ちょっと色がアルフォートブルー寄りでしたよね。今、ちょっとなんか、うん。パステルっぽい感じの色になってますよね。

(みうらじゅん)また今度、来た時に発表しますね。アルフォートブルーが世の中にどれだけあるのか。今日から調べ始めます。

(安住紳一郎)ぜひ、ブルーの世界を。

(みうらじゅん)はい。それを1年間かけて、やらせていただきます。

(安住紳一郎)いいですよね、みうらじゅんさん。話してるとね、突然何か新しくビジネスがわいた瞬間を私たち、目撃することがありまして。

(中澤有美子)すごい嬉しい!(笑)。

(みうらじゅん)「ビジネス」って……(笑)。

(中澤有美子)居合わせた(笑)。

(安住紳一郎)居合わせたよね? 「アルフォートブルー」って(笑)。

(みうらじゅん)まあ、アルフォートブルーを頂点として、そこにブルーヒエラルキーを並べてみることを1回、やってみたいですよね。このスタジオでね。

(安住紳一郎)そうですね(笑)。

(みうらじゅん)じゃあ、ぜひ協力もしてください。お願いします。

(安住紳一郎)ちょっと気持ちがこう、やっぱり……。

(みうらじゅん)高揚してきますよね。前にSINCEをここでやってくれたじゃないですか。そこで、赤坂の四方さんがみうらじゅん賞をもらったんですよ。SINCEがここの界隈で一番古いっていうことで。

(安住紳一郎)江戸時代からやっているから(笑)。

(みうらじゅん)江戸時代からやられていたということで。

(安住紳一郎)でもブルーの世界、おもしろいかもしれない。いろいろとね、ブルーを売りにしているところを。ポカリスエットさんとか、いろいろありますよね。

(みうらじゅん)そうですね。「ブルーな気持ち」もありますもんね。「その気持ちは、アルフォートぐらいなのか?」って言いたいですよね。「いや、そこまでは……」って。

(安住紳一郎)そこまでは行ってない(笑)。

(みうらじゅん)「じゃあ、大丈夫か」ぐらい。あるかもしれませんよね。

(中澤有美子)アハハハハハハハハッ!

 

ちょうどここで、高速でインター下りたところまで、ラジコで聞けました。いやーいい話だった。実に楽しみです。

 

ハカセとみうらじゅん氏、安住アナ仲立ちで対談してくれないかね~!!