鳥がもっと伸び伸びと暮らすには ~ Hさまとの会話 ~ | とりきちTagebuch

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ドイツ・ベルリンから鳥好きの とりきちが、
一緒に暮らす鳥達、家族、ドイツの鳥事情を日記につづります。

どさくさにまぎれて、とりきちの手におさまった、おっちゃん(あすきさん撮影)。

ちんまりして、とても愛おしいです。

 

 

おはようございます、とりきちです。

 

連日の残業で、体が悲鳴をあげていますが、あと少しで休暇です。

 

夕方、スタッフたちに、小鳥たちのお世話もふくめ、お留守番をお願いし、しばしのお別れの挨拶をしました。

 

***

 

今日は、愛鳥家のHさまと会話の一部を、ブログでご紹介させていただきます。

 

Hさまと同じように感じておられる方が多いのではと思い、読者の皆さまと共有させていただくことにしました。

 

Hさま、会話の転載許可を頂きまして、ありがとうございます!

 

■Hさまから頂いたご質問

 

小鳥たちを家族の一員として迎え、小鳥の気持ちを大切にし、いかに幸せに過ごしてもらうかを真剣に向き合って暮らされている方がとても増えたと思います。

 

 

医療機関も(地域によりますが)以前より増え、病気に関する情報も多く得られ、平均寿命も伸びています。

 

愛鳥家さん同士のコミュニケーションの場も広がってきました。

とても素晴らしいことだと感じています。

安心して暮らせる土台が出来てきているなかで、もっと小鳥たちに伸び伸びと楽しく暮らしてもらうには、どうしたらよいかなと考えるようになりました。

 

1. 現状多い1羽飼い。でも本当によいのか?

2. 鳥さんごとに運動量や習性も違うのに、おもちゃやケージレイアウトは同じようなパターンが多い。習性を理解すれば、もっと快適なスペースを与えてあげれるのでは。
3. 小鳥の種類に合わせての配合餌を使用するが、例えば砂漠地帯に住む仔、山岳地帯に住む仔など、好む餌をもっと理解したい

などと考えております。


ドイツではこんな風に考えている、こういう育て方をしている、などございましたら、お聞かせいただけますか?

 

 

■とりきちからのお返事


個人的な見解が混じってしまい恐縮ですが、日本の鳥の生活をドイツから俯瞰していると、「のびのび」というよりは「清潔」「安全」「快適」「健康」のほうが、重要視されているように思います。

 

後者は、決して悪いことではないのですが、後者をあまりにも大切にするあまり、「鳥がしたいこと」が後回しになっているといえば良いでしょうか。
  

「鳥がしたいこと」の一つは、仲間と一緒に遊び、生活することではないかと思います。ドイツでは、まず一羽で鳥を飼う(一羽飼い)は倫理上、許されていません。

 

隣国の、スイスやオーストリアは、動物保護法により、自然界で群生する動物の単独での飼育は禁止されています。したがって、鳥をお迎えするにあたり、ペットショップや、動物保護収容施設のティアハイムでも、一羽での譲渡・販売はほぼ、なされていません。

 

例えば、パートナーを失った鳥が一羽、家庭にいる場合は、それを証明することが求められる場合があり、ティアハイムでは、その家庭にいる鳥を持ってくるように言われることもあります。

 

ドイツでは、鳥がなるべく、本来、自然界にいる場合の環境に近い環境を人間が整える努力をすることが重要視されていまして、例えば、日本の家庭のように、一羽ごとにケージを用意し、別々に食事や温度管理するといったことは、ほぼ見られません。仲間と一緒に暮らすことが、群生の鳥の場合、当たりまえと考えられています。

2007年にドイツで初めてセキセイインコの「ぷぷ」と暮らし始め、当初、手乗りで、一羽で過ごすことが当たり前だった私は、周囲から白い眼で見られました。どうして仲間を見つけてあげないの?と。

 

ドイツ人の考えは文章で読み、頭で理解ったつもりでいましたが、気持ち的に受け入れるのには時間が必要でした。

 

とりきち家に来た当時の、ぷぷ。疥癬の病気を罹っていました。

詳しくはこちら。

 

疥癬が完治した、ぷぷ。

 

その後、ぷぷが罹っていた疥癬の病気が完治し、お友達のクラウスを迎え、そこから現在まで、ドイツ風の「仲間のいる暮らし」を実践しています。

 

一緒に暮らし、心から愛したぷぷとクラウス

 

そこで学んだのは、「人間はたとえどんなに努力しても、鳥の仲間にはなれない」ということです。私たち人間は、鳥が鳥らしく、尊厳を持った暮らしを実現するために、最大限の努力をすべきだと感じるようになりました。

鳥は鳥同士にしか理解し合えない感情、習性、行動パターンがあります。自由に飛ぶ権利も、ドイツでは倫理上、厳しく定められており、私たちは、そうした彼らが鳥らしく、のびのびと過ごせる生活環境を、鳥をお迎えする前にきちんと理解し、準備しておくことが大切だと、思います。

一見、こうしたドイツでの考え方は、日本での「鳥=家族の一員」という考え方に反するもののように聞こえるかも知れませんが、ドイツ人はたくさんの鳥の中に、人間は仲間に入るがごとく、彼ら鳥たちとの暮らしを楽しんでいますし、とても鳥を愛しています。

 

手乗りの鳥も、ヒナから育てた鳥をブリーダーさんから譲り受けることで、鳥も人間とのかかわり合いを持ちながら、鳥は自分が帰れる「仲間」を持つことができます。

ドイツではこうした考えのもと、いわゆる鳥部屋という、鳥たちだけが住まう部屋を用意することが理想的だと考えられています。

 

ぷぷとクラウス、そしてカーリーがお世話になったシッターのホフマンさんの鳥部屋。

 

そこでは24時間、鳥が自由に飛べる環境が実現し、のびのびと暮らすことができるからです(ただし病鳥は隔離し、体にハンデがある鳥は、できるだけ介護用品を併用することで仲間のもとにとどまる努力を人間がします)。※鳥部屋の例は、Vogelzimmer と画像検索してみてください。たくさんのお部屋例が出てきます。

鳥部屋が用意できない場合は、平均して高さ2メートル、横1メートル、奥行き1メートルほどの室内鳥小屋の設置が推奨されています。

 

ちょうどその大きさの室内鳥小屋

ぷぷとクラウスがシッターさん宅で入っていました。

 

小屋に入っていても、飛ぶ空間があることが大切だと考えられているからです。それも難しい場合、一羽ではなく仲間と一緒にいて窮屈ではない大きさのケージを用意することが推奨されています。

 

鳥は種類や性格によって、生活の仕方、行動パターン、遊び方は千差万別ですね。日本に限らずドイツでも、鳥の種類別に、生活必需品は購入可能となっています。

 

特筆すべきは、日本では主に健常な鳥を基準に用品が作られていますが、ドイツでは介護用品が多数入手可能で、鳥が誕生してから一生を終わるまでの長いスパンで、鳥たちを優しい目線で見ていることです。

 

それでも足りない用品は、様々な掲示板で議論されています。

 

鳥も、ご長寿社会に入っていくことが考えられ、日本でも、「鳥」と一括りするだけではなく、そして鳥の種類によってだけではなく、鳥のライフステージに合わせた商品(フードや用品)が、より充実すると良いのではと感じています。

鳥の習性に合わせた部屋づくりについても議論は活発で、雑誌やネットの掲示板では、鳥の種類に合わせたお部屋例として多数、愛鳥家さんの投稿が見られます。

 

こうした掲示板サイトは、自宅の写真など個人情報が含まれるため、メンバー登録した者のみが閲覧できるようになっています。例えば、セキセイインコ向け有名掲示板サイトはこちらです:  https://www.welli.net/

 

少しでも、鳥との暮らし方を考える上で、ドイツの例がお役に立ちましたら幸いです。

 

とりきち

 

※Hさまが書かれた3.小鳥の種類に合わせて..については割愛させていただきました。

 

 

Hさまとの会話の記事を

最後まで読んでくださり、

ありがとうございました。

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