夫の誕生日祝いという事でやって来た、クイーンズタウン。
国内とは言え、別世界のここで、
昨日には第一回目の年金が振り込まれ、
しみじみと喜びを味わっていた。
私達は、いわゆる世界遺産の様な有名なコースには乗らず、
街の中心部から1時間ほどで行けるマイナーな所を回っただけだが、
それだけでも、十分過ぎる程美しく素晴らしかった。
この景色を見せようと、
日本の母に何度かビデオ電話をした。
60代の私達に起きている現実が、
私を日常に引き戻す。
母は、綺麗だねえ。私もそこへ行きたいわ、と言い、
自分の不甲斐なさを感じる。
日本の姉弟とのグループメッセージには、
私だけ遊んでいることはどうしてもだせなかった。
義理家族のグループメッセージには、
夫への誕生日祝いのメッセージが入り、
義姉は結局タイムシェアの所へ義母と行くことになったと聞いた。
一緒に行くはずだった彼氏は入院したとか。
このところ私のメッセージに反応がない義母だったが、
年金がもらえるまで働き続けられたのは、
夫が病気の時もあなたが経済的精神的に支えてくれたおかげですとかいた私に
Thank you for the kind words とだけ短い返事があった。
今回、旅行など行くより義理家族の集まりに行くよう夫を仕向けなかった私に、
イラついている、という所だろう。
まあ、よろしい。
嫌われてナンボのものが、ヨメという物である。
日本でもこちらでも気持ちよくいられる場のない自分。
そんな現実に、私達はもうすぐ戻る。





