今年も、夫の皮膚がん治療が始まっているが、
その度に私も帰りの運転手として休暇を取っている。
しかし、先月から皮膚科の専門医、、、というか、美容整形の先生はメスは入れず、夫との問診に終わっている。
がんの部分を切りとり、身体の別の部分を切り取って貼るというスキングラフトという治療をするそうだが、
いつもの部分麻酔だけの処置よりも大きな手術になると聞いていたので、
予約が入るたびに、私も休暇を申請し同行しているというわけである。
先月も、今月も休暇を取ったのだが、
結局、先月は抗がん剤を塗るよう薬を処方されただけで、今月はその経過観察に終わった。
先生は、その薬の効果に大満足、
確かに塗った数箇所は綺麗な皮膚になっている。
これから、別の部分にも塗ってください、そして来月鼻の処置をします、と言われた。
鼻のあたりも、皮膚が回復してきているらしく、
当初言われていた、おでこあたりから血管を引っ張って、切った部分に血流する面倒臭い器具をつける治療が必要ないと言われたらしい。
思えば、毎朝枕についていた鼻の出血はほとんどないか、ずいぶん減っている。
それにしても、いろいろなところが壊れてくる年だとは自覚しながらも、
休暇は医者のためばかりとは、がっくりくる。
診察がものの5分で終わって、1日ぽっかり空いてしまった、と言うことが2回続き、
ああ、貴重な年休が。。。と思ってしまう。
しかし、ある意味では、最近家にいると全く会話がない状態の夫婦の、
キャッチアップの場であることに気づく。
夫は、家にいると寝てばかりいる。
平日の仕事後の夕寝も、休日の昼寝も、必須である。
それは持病のせいであることも多いが、
会話が続かない、もともとそう喋る方でない第2言語の妻といてはつまらないことも事実だと思う。
朝は、私が仕事に出たあとに起きてきて、顔を合わせることもなく朝食も食べずに10分で支度して出ているし、
夜は私より先に帰宅、テレビを見ていて、話しかけると、今見てるから!と言い、うとうとし始めるので、
とにかく毎晩会っていても家で会話は無理。
なので、税金とかの請求書は払ったか、とか、今度粗大ゴミが来るから分別しないと(ほとんどあなたのモノだから)、とか、
去年出席した大工さんの結婚式の、ショートビデオを作ると約束したのを始めないと、などという
生活に関する会話は、
こういう休みのときで、車を運転していると言うちゃんと意識がはっきりした時しか、ない。
最近の夫は、ほんとうに、物事に対する動きが遅いとつくづく感じる。
年なのか、持病薬のせいなのか、義姉との揉め事以来の鬱的症状なのか、はたまたそう言う性格なのか。
この国の人は、確かに六十を過ぎると、リタイアを強く意識し始め、
いわゆるスローダウンする。
第一線を退いて、働く日を減らしたり退職したり、ストレスの少ない種類のアルバイトをし始めたり、
そのかたわら、バケツリストのことをし始める。
キウイはこの引き際が見事である。
仕事が私の精神状態を保っていることも事実で、
お金がなければ日本への帰省もままならないこの私は、
いつまで職場にのさばるんだろう。。。