昨日,閉店間際に入って来た男性が、ひげ剃り機を買おうと、紙製の100ドル札を出した。
私は、ああ、これは古い紙幣だとすぐわかった。
20年前NZに来た頃に使っていた物だ。
しかし、10年ほど前だったか、紙幣はプラスチックの入った紙幣に変わった。
それはもちろん知っていた。
ところが。
それと同時に、古紙幣は、使えなくなっていたのは,知らなかった。
日本の常識で考えてしまい、古紙幣でも使えると思い込んで、受け取ってしまった。
私の苦手な女上司が、レジをお金を数えているときに、なに~?紙製?といい、
私は、紙も有効ですよね?というと、ほとんどの人が、さあ?という。
あとで,帰宅してからグーグルで調べて、初めて知った。
NZでは、古い紙幣は使えないものなのだと。(実は、このことを調べる前に旦那にも義母にも聞いたが、地元人さえ知らなかった)
しかし、もう一つ問題が。
これ、本物の紙幣か?
何人かが見たが、ひとりをのぞいて、さあ?と言ったが。
そのひとりというのは、銀行で働いていたという事をいつも誇張して言う、これまた苦手な同僚。
この人は,私だけでないほど、ものすごく客にも(自分より若い)同僚にも,大変感じの悪い人で有名で、強いキャラクターの持ち主なのだが、
この時ばかりは、この人の言葉が信憑性を持っていた。
しまった、と私も猛省した。なぜ、すぐあのとき聞かなかったのだ。と。
とにかく、もう客は行ってしまったのだ。今さらだれが何を言っても仕方がない。
そもそも、私はこの女上司とはもう半年以上まともに口をきいていない。
なぜなら、その半年前、私を侮辱する言葉を一度吐き、ものすごく腹が立ったからである。
今では、相手も、私を非常に嫌っている。
お互い、5時半までの仲だと割り切り、事務的な事しか話さない。
残念ながら、私と同年代らしきこの上司は、私の直属であり、物の注文や、休暇の申請等をしなければならない相手である。
なぜここまで関係が冷えきったかといえば、私のどんくささに、その女上司の堪忍袋の緒が切れたというのが、この人から伺える様子である。
確かに私は失敗が多いかもしれない。
しかし、それは他の人が仕事をしないから、としか言いようがない。
電話は何度鳴っても取らないから、私が取る。(私が我慢できるのはベル三回まで)
担当に取り次ぎをしても、電話を取らない事が多いから、私がその作業をすることになる。
当然、動いた分、失敗する確率も多くなる。自分の業務も遅れる。
なら、もう,仕事なんかするべきじゃない。さぼるだけさぼれ、それが要領のいい人間のする事であり、
その女上司の好きなタイプだというわけである。
このドジで不器用な私のようなタイプが嫌いで、身体中ピアスをし、ファックシェッドという言葉遣いをし、
要領のいい子が好きなこの女上司。
それでも私がここにいるのは、この人以外の上司は、少なくともきちんとした英語を話し、私の仕事を評価してくれ、お互いの信頼感を感じるからである。
また、どの国のどこの会社にいようが、こういう合わない一人はいるものだと経験から知っているから。
要領いい人間はどこにだっていて、相性のいい悪いはある。
しかし,今回の100ドル事件は、仕事も追われる原因になる気配がする。
会社が首切り出来る内容ではないが、たくさんの人の酒の肴になり,後ろ指を指される、みじめな中年女性。
そんな風になる自分が許せないプライドがあるからだ。
しかし移民で何も資格がなく、リテールもできないんでは、もう生きる道がない。
どうやって生活したらいいのか、お先真っ暗。プライドを捨てて行くしかないのか。
ーーーこの国に来た時から、もうプライドなんかもともとなかったか。
こんなバカを妻に持っただんなが、かわいそうに見えるとき。