3月に私が長期休暇を取っている間に、
同僚、というか最近副店長から平社員になった60代半ばの男性社員も、
故郷のサウスアフリカに帰っていたそうだ。
その時の話をいろいろ交換したことがあったのだが、
どちらも共通することは、兄弟とのゴタゴタだった。
この歳になると、帰省というのは、楽しい時間だけではない、とお互いため息をついたものだった。
そんな話の中で、一人暮らしのお兄さんが、賃貸の家の契約期間が切れたから、
そこを出て、新しいところを探さなければならないという時だった、という話を聞いていた。
しかし、お兄さんは自分で何もやろうとしないらしく、
その男性同僚は、NZに戻ってからも、何度も電話をして、
もうあと3週間しかないよ、と急かしたり、僕がWEBサイトで見つけたここはどうだ、などと背中を押していた。
ここまでお膳立てしてるのに、何もしようとしないんだから!などと
そんな話を聞いていたのが4月初旬である。
そして、今月最初、同僚が突然1週間ほど休んだ。
どうしたんだろう、とスタッフ同士で話したり、
ある親しいスタッフは、店長にまで聞きに行ったが、
彼らは、本人から聞いてください、というだけだった。
そして知った事実が、お兄さんが亡くなった、と。
前に話を聞いていた私は、まさか、先を悲観して、、、とまず頭に上った。
そして、当人に、急病だったのですか、と聞いたら、
いや、、、自死だったと、言いにくそうに話してくれた。
悪いことを聞いてしまった。
彼は、そんな選択をした兄に怒りを感じるだけだ、と力なく言っていたが、
遠くにいた無力の自分を責めまくっていることだろう。
自己主張が強いイメージのサウスアフリカ人だが、やはりだれでも心は弱い。
そして私は、これからひとりになる離婚訴訟中の日本の姉のことを思った。
母と夫の件で、ある選択をした私だが、
こんなことにも私はこれから向かっているのだろうか。
いや、姉はすっごく強い人だから大丈夫だ。きっと。