今朝、仕事場の朝のミーティングで、
なんじゃこいつさんが突然立ち上がり、商品棚でごつんと背中を打った。
どうした?と話していた店長が言ったと同時に、
彼女は目頭を押さえてミーティングの場所を離れて倉庫の方へ歩き出し、
皆びっくり。
私は、彼女の後を追いかけ、とにかく体をさすった。
急に息ができなくなったそうで、自分でもびっくりして立ち上がったものだと思われる。
皆彼女が現在妊娠中で、去年子宮外妊娠で堕胎をしたことを知っているので、皆真っ青になった。
彼女はしっかり歩いていたが、まずとにかく座ろう、と椅子をすすめた。
私はただ、そばで抱えることしかできなかった。
というか、こういうとき、話しかけてもいいものか、迷っていた。
するともう一人のシニアスタッフが来て、
いろいろな質問をした。
体は大丈夫か?
家族に何かあったのか?
彼女は泣きながらも、うなづいたり、掠れた声で、家のことで、とかろうじて言った。
働く女にとって、もうそれだけで十分な説明であった。
とにかく、しばらく休憩室で休んで、
今日は帰る方がいいか、仕事しても大丈夫か、を決めたらいいよ、と私はいった。
30分もしないうちに彼女は売り場に出てきて、仕事を始めた。
大丈夫なの?
と聞くと、やはり、仕事している方が、気持ちが楽なのです、と言った。
彼女は、家のこと、子供のことなどで、もういっぱいいっぱいだった、と。
旦那さんも手伝ってくれる意思はあるが、食産業のため、毎晩帰りが遅く、
疲れていることもあって、彼女が頑張ってしまっているのだと。
子供を持ちながら、家のことも、仕事もすることは、消耗することなのだろう。
特に、インドの習慣もあり、男性はほとんど家事に関わらない。
奥さんは、あの美味しい、たくさんの香草を混ぜてカレー味のおかずを作り、
ロティも家で作るのが普通なんだそうで、
3度の食事だけでもどれだけ手をかけていることだろう。
今回ばかりは、彼女のしんどさが身に沁みた。