先月の夫の日本バイク旅行の効果だろう。
ダンナには、トレードミーオークションサイトで売る売る、と言って何年も過ぎているおもちゃが山とある。
その中の一つ、傷だらけのリモアのスーツケース。
もうすぐ、粗大ゴミ回収があるから出そう、と、私がいうと、
何言ってんの!これはすごい価値があるんだ!と言った。
最低でも100ドルにはなる代物だよ、と。
そこまでは、もう何ヶ月も前に繰り返した会話だが、
今日まで、大きな紙に、トレードミー、と書いて貼っておいたりしても、ダンナは動かなかったのが、
本日、はい、これ、写真撮って。と、持って行ったら、ついに重い腰をあげた。
元は広告代理店にいた彼は、ものを売るための写真の撮り方、キャッチコピーなどにこだわる。
で、なんとものの1時間後には、売れていた。
それも400ドルで落札だそうな。
ええっ、ほんとにいいの?
というのが私の感覚である。
いくらブランドの名がついているとはいえ、30年近く使い、傷だらけ、凹みだらけ。
上に伸びるハンドルもない時代のものだし、
この私が今寝ている羽毛布団を入れて持ってきたとき、気圧で膨らみ、バックルが壊れちゃったあれ。
あ、元は私が原因か。。。
もっとも、これは生涯保証付きなんだそうで、
なんとそのバックルの代わりを無償でドイツから送ってくれ、うちで付け替え修理してその後も使えてはいた。。。
が、年も寄り、笑、
私たちは伸びるハンドルがない20kg以上のケースを、駅の階段で運ぶ気力がもうない。
さて、売れたら渡さなければならないが、
相手は南オークランドの人で、遠い。
大抵は宅配業者に頼むところ、週末だったし、たまたまその人がその夜街まで食事に来るということで、
私たちもそこへ渡しに行く、ということになった。
宅配代として、40ドルも加算してくれていたそうで、
まあ、そんなにしてまで欲しいものなのか???と、受け渡しが終わるまで、信じられなかった私。
なんか、悪いことに使われるんじゃないか?とか、
南オークランドの怖い人だったらどうしよう、と思いながら、
待ち合わせの夜の駐車場で待っており、
渡すのはジュラルミンケース、という図は、どう見ても怪しいでしょ。
で、現れた彼は30代の大柄なキウイ白人男性、
お友達と彼女風の女性と日本食レストランに食事に来たそうで。
ちょっと修理すればいいよ、と、
それはもう、喜んで持っていってくれた。。。
はあ〜〜〜〜〜。と感心して見送る私、
ほらね、と鼻を膨らます夫。
やっぱり日本人にはわからんことって、未だに多いわ。
と、本題、ここまでのことをするまでの気力、モチベーションというのが
この5年ほど全く湧かなかったダンナが、
今日またひとつ、自信を取り戻した。