私たちには、ご近所さんに仲良くしてもらっている親くらいの年の日本人夫婦がいる。
もとは旦那の店のお客さん。
20数年前にリタイア地としてここを選んだが、
日本にも家を持つリッチな方である。
年に2回ほど、日本の自宅へも帰り、
プラス海外旅行も行かれるライフスタイルの彼らだったが、
今回日本へ戻った時、旦那さんが医者にかかり、即入院の足止めになってしまった。
予定ではひと月ほどでこちらへ戻るはずが、検査などで数ヶ月ということになったそうで、
奥さんひとりだけ先日、いろいろな手続きや書類整理に戻ってきた。
私たちはお互い子供がいないこともあり、この4−5年、一緒に食事に出たり、お宅へ伺ったりと行き来があった。
今回、病床の旦那さんからのEメールで、
何かとお世話になりますが、よろしくお願いします、と御丁寧なお言葉をもらった。
親の世代と呼ぶには申し訳ないほどの、若々しいふたりで、
NZでのお父さんお母さんと呼ぶにはちょっと違う、とてもいい友人である。
なので、できる限りのことはしたい。
当面は、ペーパードライバーの奥さんの代わりに、空港の長期駐車場に置いてあった車を取りに行き、
二人の航空券の購入先で変更をしてもらう、という作業を手伝った。
他にも、GP(かかりつけの医者)に行って、飲んでいる薬を数ヶ月分処方してもらったり、
車の保険などの支払いをしたり、と奥さんは時差ボケを直す暇もなく奔走している。
そして、一番ややこしいのは、年金の受け取り。
NZを28日以上出る時、国から年金や補助を受けている人は、
理由をフォーマルに話に行って、許可してもらわなければならないということであった。
まだまだ、色々と出てきそうである。
こういう時は、気丈にしている奥さんだが、体に何か出ないかと心配になる。
また、旦那さん当人も、はっきりとはどんな状態かわからないだけに、
なんとも不安な毎日を過ごしている。
子供がいない夫婦だけに、私に取っては人ごとではない。