地元企業で7年働いてみて、先日ふと気づいたことがある。
NZというか、欧米企業で日本人移民が管理職の座を獲得した人って、いるんだろうか?
もちろん、日系企業の駐在や自営業でない会社。
20数年NZを見てきて、
スタッフが数人のリテールショップの店長さんにはお会いしたことがあるが、
正直なところ、課長級の日本人にはお会いしたことがない。
私がそういう世界と触れ合う機会がない、
それこそ低労働者階級なだけかもしれないことは前提として。
どうしてこう感じてしまったかというと、
ほんとうにつまらないことから。
うちの職場のボールペンとカッターナイフは、そりゃもう湯水のごとくなくなって行く。
だらしがない、というのか、おおらか、というのか。
りんりん鳴っても電話を取らないのも同じだし、
電話の子機がなくなったりするが、
全然気にしない。
(いや、外の企業から来た人には、大変ショッキングであろうが)
ランチルームでは
すぐ横のディッシュウオッシャーの扉が全開であるにもかかわらず、
シンクの中にぽい、と飲んだカップやスプーンを置いて行く。
NZ人というのは、とにかくフレンドリーが評価の一番の対象。
もっとも、移民の国で、英語国民サウスアフリカ人も多いこの地域では、
現場の管理職クラスはサウスアフリカ人なのだが、
彼らも含めて、まず楽しくおしゃべりしましょうという観念が先に立っている。
仕事だー集中ーという雰囲気は、嫌われる。
ま、私は私、友達作りに行ってるんじゃないからどーでもいいけど。
マネージャーたちも、ボールペンや電話のことは一応は言うが、
日本人から言わせれば口だけで管理が甘い。
日本なら、(これ、一番禁句)
事務用品は、事務室の人が、渡すたびに数と名前を記帳するとか、
電話の子機をうっかり持って帰ったり、置き忘れたりを阻止し、ちゃんと毎晩充電するために、
充電器は一箇所に固めて、全員が帰る時に見えるところに置くなどするとか、
私語厳禁とまではいわないものの、電話を取るのが優先と指導するとか、
それらをしていなければ査定に響くとか、と
普通の日本の管理者なら、そこまでやるだろう。
しかし、この会社では、と言うか、
多分この国では皆、そういう労力は使わないのだ。
そちらに時間を使うくらいなら、
昨日、うちの子供がXXしてね、という話をしている。
それが始まれば、電話も取れないわけである。
かなりの損害額になっているだろうに、
『気にしない』。
ここまでぎゅうぎゅう絞ったら、
まずキウイは辞める。
だからこの国では、まだ日本人は会社の幹部クラスにいないんだと思う。
要するに、仕事に対する考え方が合わないんだろう。
または、あくまでアジア人に使われてたまるか、という感情も見え隠れするが。