惨憺たる週はまだ続いていた。
疲れのたまる金曜日、お客さんからの電話で、ソファーベッドを注文してきたお客さん。
オンラインショップができてから、小売店では、電話でのクレジットカードの買い物はできない、と言ったら、
じゃあそっちまで行って払えば、家までデリバリーしてくれるんだな?という話になり、
はい。
と言ったはよかったが。
どこへ?の一言を聞かなかったばかりに、この悲劇は始まった。
彼は、わざわざこの買い物をしに、オークランドまで1時間かけてきたのであるが、
不運なことに、レジの子もまた、いつもはインプットする住所を聞くのを忘れたのである。
(それも、そのレジの子は、あるマネージャーの高校生の息子だった。)
なので、このお客さん、家に帰ってから、
あの~、オタク誰も私の住所を聞かなかったよ、という電話をかけてきて、初めて気づいたのであった。
ところが、彼の住むところは、配達地域を越えていたのである。
今までも、配達地域のことを知らず売ってしまった販売員はいたので、
朝のミーティングなどで口すっぱく言われていたため、私にはもう逃げ道はなかった。
私は配達地域のことは頭に入っていたが、どこへ?を聞くことを忘れたのである。
これはもう、自分の失敗と思い、私の嫌いな女上司にも、頭を下げるしかなかった。
悔しかった。
2回ほど、お客さんには、返金を申し出たが、もちろん聞き入れるはずもなく。
わざわざ店まで来てるんだから、当然だよなあ。私でもそう言うわ。
当然会社は、それを配送会社を手配したら利益なしになるので、やりたくない。
マネージメントとしても当然だと思う。
なので、私は旦那に電話をかけて事情を言い、
あなたのルーフラック付きの車を貸して。私が持って行くから。
というと、
これがまたもう一悶着。
思った通り、
嫌だね。という答えが返ってきた。会社がどうにかするべきだ。
キウイは、絶対こういう自腹を切ることをしない。私にはそれがよくわかっていたから、
旦那と口論になった。
はっきり言って、こういう時はどうしてこの人と結婚してるんだ、と思わずにいられない。
あなたは、私が困っているけど助けられないということ?
そう言って、電話を切った。
すると、旦那は電話をかけてきて、やっと折れてくれたが、
自分も一緒に行く、ベッドを運ぶのに、それもだれともしらない男の家に行くのに、女一人なんて無理だ、と言い、
結局彼の時間も取ることになった。
北へ1時間、いつもは田舎のマーケットや、美しい静かなビーチにピクニックなどドライブに行くところだが、
今回だけは寄り道をする気にもならず、帰ってきた。
お互い、言葉少なく、置いて帰ってきた。
一人暮らしの、少し足が悪い60代半ばの男性だった。
ちょっと寂しそうに映り、私はここまで来てよかった、と、少し気持ちは和らいだものの、
彼からはサンキューの一言もなく、ここへ置いてくれ、だけだったので、
これで、また部品が足りなかった!どこどこが凹んでた!交換しろ!などという欠陥品の電話があったら、どうしよう、という不安は、この1年(NZの保証期間)消えない。
メイドインチャイナだから、よくある話だし。
私のdisaster weekは、こうして暮れて行った。
まだ続くんか。あるだろうな、12月だから。
また書くネタが増えるな。