職場に、あるとても特徴のある子がいる。
彼は、おねえちゃんが既に働いていた関係で、週末のアルバイトとして去年入ってきた。
今は、とても忙しい時期なので、学校も休みになったこともあり、ちょくちょく平日も午後から勤務に入る。
とても可愛い子で、身なりもきちんとしており、あどけないのであるが。
私は、初日にすぐピンときてしまった。
LD、学習障害に悩まされている、と。
多分、マネージャーたちは、知らされているだろう。
数年前にも、13歳で学校をやめ(させられ)、社会的行動に問題がある子が入ってきたことがあった。
この子も、嘘をついたり、こそこそと悪いことをしていて、私も私用電話を指摘したことがあったが、
この会社、ときどきコネで、こういう子供を雇うことがあることを知った。
ある意味、クリスチャン的な慈悲の精神が反映されていて、きっといいことなのだろうが、
やはり一緒に働く人にとっては、対応が難しい。
反社会的な子は、ここをやめ、別の街の学校へ入り直したようだが、
今現在ここにいるLDの子は、やはりどうしてもすることに自信が持てず、
変わったことを聞いたりするので、忙しいそれぞれのスタッフの足止めをし、
休憩室や倉庫の陰で他の子達のブーイングが炸裂している。
また時には、他の子達にからかわれて、ちょっと気の毒な場面も見た。
当の私も、彼と働いた初日に、ひとりの上司に話したことがある。
Is he OK? とだけ。
彼女は、目配せというか、ただうなづいただけだった。
多分、マネージメントはこれを受け入れて、彼を採用しているものと思う。
私が気づいたのは、とにかく同じことを何度も聞くことであった。
この子は、聞いたことが覚えられない。。。
幸か不幸か、昔の仕事の経験でわかってしまった私は、つい親心というのか、保育士魂が出てしまって、
あのね、必ずペンと紙を持って、書きなさい。などと、対応したりしていた。
ただ、限りなくボーダーに近いので、あるところでは、やや図々しさも出るので、
よけいに他のスタッフの憤慨を買うらしい。
先日は、このクリスマス商戦の変動勤務表を、自分でチェックするのを忘れたので、
自分が勤務に入っていないか見てもらえないか、ということを聞くために電話をしてきて、
わざわざ私を指名してきた。
他の人に聞いても教えてくれないからさ、あなたなら、教えてくれるだろう、と〇〇さんが言って。
と言っていたが、私は〇〇さんがそう言ったとは到底思わない。
まあ、それは構わないのだが。
私だって、言葉の壁などで、似たような失敗はしてきているから、放っておけないというのも本当のところ。
障がいは、その人の個性とみなす。
こう考えるのが、今の社会ではあるし、特にこういった移民文化の国では、
いろいろな習慣を受け入れながら生活しているのが普通であるし。
彼はもう1年近くなるが、やはりいろいろと苦労しているようである。