アガリスクエンターテイメント
二十周年記念興行第一弾
第三十二回公演『二十歳の集い』
HATACHI NO TSUDOI

上野ストアハウス
舞台監督:丸山直己 舞台美術:岡田竜二
照明:山内祐太 音響:久郷清
演出助手:真壁愛(片岡自動車工業)
衣裳:榎並夕起*
小道具:前田友里子* 小道具協力:佐藤区役所
舞台写真:石澤知絵子 宣伝写真:冨坂友*
宣伝美術:津和野諒* 宣伝映像:榎並夕起*
撮影・編集:CineLives
制作:佐伯凛果* 制作助手:樫村健人*
プロデューサー:佐野木雄太*
製作協力:Cuebicle
企画・製作:株式会社アガリスクエンターテイメント
*=アガリスクエンターテイメント
「Go as Operation!!」
原作:冨坂友 脚本・演出:淺越岳人
出演:
矢吹ジャンプ(レンタルビデオ店アルバイト・高橋)
榎並夕起(大学生・鈴木恵理)
古谷蓮(常連のバンドマン・一条)
鹿島ゆきこ(高橋の同僚・和泉)
小林和葉(常連の大学生・岸)前田友里子(フリーの万引きGメン・麻里子)
伊藤圭太(妻に出て行かれた会社員・秀夫)
江益凛[日替わりキャスト](レンタルビデオ店の店長)
STORY
さびれたレンタルビデオ店に長年勤める中年男性・高橋は、バイトの大学生・恵理へのほのかな好意をひた隠しにしながら、黙々と働いていた。しかしある日、恵理が常連客の青年・岸に告白を計画していることを知る。高橋は協力するフリをして告白の妨害作戦を実行するが、それは次第に周囲を巻き込んだ大きなトラブルに発展する…
「宇宙からの婚約者」
脚本・演出:冨坂友
出演:
岡田怜志(サラリーマン・風間良(25))
榎並夕起(小学校の教師・南有里(25))
STORY
男は、付き合っている恋人に意を決してプロポーズをするが、断られ、別れを切り出されてしまう。納得いかずに理由を問い詰める男に対し、女は答える。「別れよう? 私、ウルトラマンだから」かくして、星と種族を超えた別れ話が始まった。【以上、当日パンフレットより】
今年結成20周年を迎えるアガリスクエンターテイメントの記念興行第一弾。
中篇2本立てとなっており、最初の「Go as Operation!!」(多分これ、英語としては不自然)は旗揚げ公演を淺越岳人さんがリブート。
舞台はレンタルビデオ店で、下手奥が店の入口。棚が奥の壁に2つ並び、縦にも2つ並ぶ。上手側にレジカウンター。その奥に事務所へのドア。上手手前にトイレへと通じる出入口。
アガリスクエンターテイメントは単独公演を観るのは初めて(視点『SHARE'S』で「令和5年の廃刀令」は観たことあり)なので初演とどう違うのかは分からないが、シチュエーションコメディとしてもよく出来ているし、特に勘違いをしている同士の会話が奇跡的に成立しているくだりなどは見事だった。
ただ笑えるだけではなく、恵理を騙してしまったことを悔やむ高橋の心情もしっかり伝わってきてほろりとさせられた。矢吹ジャンプさんもハマり役。
ちなみに是枝監督がいたという話を聞いて探しに行き、戻ってきた岸が「歩いても歩いても見つかりませんでした」とさりげなく是枝監督の作品名を入れていたのに気づいた人が少なかったのか、笑いは起きていなかった。笑
お目当ての1日店長・江益凛さんの美魔女設定もなかなかよかった。
続く「宇宙からの婚約者」のタイトルはもちろん『宇宙からの侵略者』が元ネタで、2019年末にユニット・川口菊池に書き下ろされたもの。
場転しながら良が話し始めるというパターンで、先ほどの事務所入口のドアが部屋のドアとなり、入るとすぐに流し台。奥にあった棚は離され、下手側にパソコンが置かれた机。上手側の壁にはテレビセット。
有里がウルトラマンであることを打ち明けると、奥に銀色の幕が下ろされる。
現実世界なら自分がウルトラマンだなどと言い出したら、役者でもやっているのかと思ってしまうところだけど、怪獣が出現する世界という設定にしてあるのがうまい点。更には良も異星人であることが発覚し、小さな一室での会話が宇宙規模の話になるあたりも面白い。
2作立て続けに出演の榎並夕起さんがとてもよかった。
上演時間2時間8分(「Go as」1時間15分、「婚約者」53分)。