連続テレビ小説『カーネーション』
第4週「誇り」(第23回)
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作:渡辺あや
音楽:佐藤直紀 演奏:フェイスミュージック
主題歌:「カーネーション」椎名林檎
出演:
尾野真千子(小原糸子)
麻生祐未(小原千代)
正司照枝(小原ハル)
小泉孝太郎(中村春太郎)
須賀貴匡(安岡泰蔵)、柳生みゆ(小原静子)、眞木めい(小原清子)、吉田葵依(小原光子)、飯島順子(木岡美代)、那々實あぐり(近所の主婦)、宮本毬子、鴨原正浩、NAC、劇団東俳、劇団ひまわり、キャストプラン、テアトルアカデミー、東映太秦映画村
財前直見(根岸良子)
小林薫(小原善作)
STORY
根岸の授業が始まる。糸子の妹たちも根岸に興味津々だが、糸子に下に降りておくように言われ、襖を閉められてしまう。1週間で教えられるのはほんのわずかであるため、大切な基本だけを叩き込むと言う根岸。糸子は帳面を取り出すが、根岸は洋服に着替えるように言う。困惑しながらも初めて洋服を着てみる糸子だったが、何だか変。根岸が着ているのと同じデザインだが、糸子には似合っていない。根岸は糸子にどこが違うのかよく見比べるように言う。糸子の脚が短く胴が長く見えるのはウエストの位置が違うためであり、腰の一番細い位置に合わせると脚が長くなる。襖を開けて覗き込む妹たち。根岸に言われ、更に靴を履くともっと脚が長くなる。根岸はこれを着て街を歩いてみると言い出す。洋服で外に出ようとする糸子を見て、お茶を噴き出す善作。そんな格好で街を歩かれたらと当惑する善作を意に介さず、これも授業だと涼しい顔の根岸。街の人々は根岸と糸子を振り返って見る。どんな顔をして歩いたらいいか分からないという糸子に対し、好きな花を尋ねる根岸。糸子はカーネーションが好きだと答え、カーネーションは根性があり、簡単にしおれないとハルが感心していたと話す。根岸はそれを聞いて、カーネーションになったつもりで歩くように言う。ただ無心に咲く、それでいいと言う根岸だったが、糸子は顔を上げて歩くことができない。根岸はそんな糸子に対し、「私はあなたに一番大切なことを教えているの。堂々としなさい。洋服を着て胸を張って歩くことがあなたの使命だと思いなさい」と言う。胸を張って歩く心斎橋は全然違う街みたいに見えた。今まで目が合ったことのない人と目が合い、やたらと鏡が気になる。よく人に話しかけられ、くたびれるる。アイスクリームを食べにパーラーに入った糸子は、根岸に立ち振る舞いは常に美しくと注意される。街を歩いて気が詰まったと言う糸子に対し、今のこの日本で洋服を着て歩くことは誰もがそんな気持であり、時代の先頭で旗を振って歩くようなものだと言う根岸は、自分も緊張していると打ち明ける。だが、自分の仕事は着る人が、私は大丈夫、私は綺麗と思えるものを作ることだと言う。洋服は女性に品格と誇りを与えてくれ、夢や希望を持てるようになる。糸子が目指している仕事には大事な役割があると教える根岸。そこへ春太郎が女性を連れてやってきて、根岸に話しかける。根岸の隣でずっと春太郎を睨みつける糸子。ひるんだ春太郎は店を出て行く。その帰り、糸子は靴擦れで足を痛める。仕事仲間と話している泰蔵を見かけ、そわそわして根岸の後ろに隠れる糸子。事情を察した根岸は糸子を前に押し出す。洋服姿の糸子に気づいて驚く泰蔵。糸子は胸を張ると、泰蔵に会釈して通り過ぎる。帰宅して、着物に着替えて寝そべる糸子は着物の方が楽だと心から思う。一人ふてくされていたハルは、ひょんなことであっさり機嫌を直した。夕食時、千代が作ったカツレツは焦げすぎて失敗。根岸は一口食べて大丈夫だと言うが、むせかえる。ハルは鰯を差し出して根岸に食べてみるように言う。鰯を食べてそのおいしさに感激する根岸。善作が鰯が好きなのでいつも作るが、孫たちは嫌って食べないことを不満に思っていたハルは、根岸に褒められて気が晴れる。根岸が飲み込んだカツレツを飲み込んだ糸子は、鰯も明日からちゃんと食べてみようと心に思う。
第23話にして遂にタイトルの由来が判明。
なるほど。カーネーションは糸子の好きな花で、カーネーションのように堂々と咲きなさいということですね。
初めて洋服を着ておどおどしていた糸子が、泰蔵に対して会釈をして颯爽と通り過ぎていく様はまさに新しい時代の到来を感じさせるものでした。
また、新しいものばかりではなく、ハルの作る鰯の煮付けように古いもの、昔からあるものも見直そうという姿勢もいいですね。明日からと言わず、今日から食べなさいよと言いたいところではありますが。笑
それにしても春太郎は根岸先生とまで知り合いなんですね。馴れ馴れしく話しかけてくる春太郎を睨みつける糸子の顔が最高。