少年王者舘+tsumazuki no ishi合同公演
『寝覚町の旦那のオモチャ』
2014年8月22日(金)~9月1日(月)
ザ・スズナリ
作:スエヒロケイスケ
構成・演出:天野天街 演出助手:寺十吾
舞台美術:小林奈月 音響:岩野直人
照明:阿部康子 映像:浜嶋将裕
舞台監督:金安凌平 振付:夕沈
音楽提供:坂本弘道
衣裳:寝覚町衣裳部 小道具:寝覚町小道具部
出演:
寺十吾[tsumazuki no ishi](天沢退二郎)
猫田直[tsumazuki no ishi](天沢貴志子)
佐藤健[tsumazuki no ishi](模型屋の職人・高遠光男)
中村榮美子[少年王者舘](貴志子の姉・松原久実)
祁答院雄貴[アクトレインクラブ](久実の息子・松原マサル)
山本亜手子[少年王者舘](貴志子の友人・野呂アサミ)
保倉大朔[unclejam](歯科医・早川ノリオ)
竹下カオリ[tsumazuki no ishi](常連客・鶴田カンコ)
釈八子[tsumazuki no ishi](マサルの同級生(自称25歳)・生駒優二郎)
夕沈[少年王者舘](ヒトミに瓜二つ・シゲミ)
松原正隆[tsumazuki no ishi](メーカー営業・上後進)
宮璃アリ[少年王者舘](マサルの担任・生駒の恋人・マチコ先生)
小林夢二[少年王者舘](学ラン)
宇鉄菊三[tsumazuki no ishi](アキラ)
蒲公仁[個人企画集団*ガマ発動期](同)
STORY
とある地方都市郊外、寂れた商店街のはずれの、奥まったところに隠れるように佇む天沢模型店。現代詩人と同姓同名である店主、天沢退二郎と、ハンドメイドの模型職人であり店員である高遠光男は、退二郎の妻、貴志子には内密に、裏の稼業を営んでいた。その稼業は人並みはずれた手先の器用さ、正確さを要し、退二郎と高遠は、自分たちの手ではなんともならない要所の作業を、店の常連の一人である小学生のヒトミ君に、嘘八百並べて手伝わせていた。ある日、ヒトミ君が不自然極まりない交通事故で命を落としたことから裏稼業が危機的状況に陥る。退二郎と高遠は奔走するが、貴志子や店にたむろする常連たちを騙し続け、ひた隠しにする。しかし貴志子の姉、そしてその息子、生徒同士の傷害未遂事件で高校を追われたマサルの二人が天沢家に泣きつき居候の身として入り込んだことが破綻の引き金を引いた。【パンフレットより】
KUDAN Projectでもタッグを組んでいる天野天街さん率いる少年王者舘と、寺十吾さん率いるtsumazuki no ishiの合同公演。初演は2001年、ソウモウシャプロデュースにて名古屋で上演。2004年にはtsumazuki no ishiの本公演で上演されている。
tsumazuki no ishi自体は本公演を観たことがないので何とも言えないが(スエヒロケイスケさんは愛知県出身だし、これだけ名古屋と縁があるのになかなか名古屋に来てくれないのは何でか)、両劇団のテイストが程よくブレンドされていたのではないかと思う。いつもだったら天野さんは他人の作品であろうが、自分色に染めてしまうけど、思っていたよりは王者舘テイストは薄め。
逆に王者舘の役者陣はいつもより中身のあるキャラクター(というと語弊があるが)を演じていて、普段とは違う側面も垣間見られた。とりわけ小林夢二さんと宮璃アリさんが印象に残る。そんな中で夕沈さんだけはいつも通りだったけど。笑
お話自体は今一つ摑みどころがないと言うか、上記の粗筋に書かれているようなことも劇中ではほとんど触れられないので筋は追いにくい(本篇ではヒトミ君は既に死んでいて、貴志子は通夜から帰ってくる)。この辺りは天野さんの構成のせいであろうか。
余談ながら、劇場を後にしようとした時、木村多江さんのお姿を発見。いやあ、下北沢くんだり(くんだり言ってやるな)まで来た甲斐があった。