海ねこ症候群『プレイス・リバティ』 | 新・法水堂

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海ねこ症候群 第4回本公演

『プレイス・リバティ』

PLACE LIBERTY

 
2023年12月13日(水)〜17日(日)
小劇場 楽園

作・演出:作井麻衣子
舞台監督:石田茜、古屋治男
音響:齋田吾朗 照明:緒方稔記(黒猿)
演出助手・アンダースタディ:古川はる
衣装:邱筠筑 振付:ぞんび(劇団OZ)
劇中曲:坪田実澪 音楽監修:河合陽花
舞台美術:UPN 宣伝:坪田実澪
グッズ・チケットデザイン:河合陽花
フライヤーデザイン:古戸森陽乃(かるがも団地)
ゲネプロ写真撮影:坪田蒼樹
当日制作・票券:宮野風紗音(かるがも団地)
制作:作井麻衣子、河合陽花
企画:海ねこ症候群

出演:
髙岡葵(清水詩織)
坪田実澪[海ねこ症候群](生徒会長・石田亜紀)
河合陽花[海ねこ症候群](集う人々・小川ひかり)
安藤安按(集う人々・大山光子)
信國ひろみ[バケツまみれ](集う人々・東海林咲)
岸鮫子(生徒会・斉藤凪沙)
新里乃愛(生徒会・鈴木穂乃花)
金澤摩耶(吉野花子)

STORY
東京の隅に佇む、 成願寺女子高校。 の隅にある女子トイレ。教室に居場所がないと感じていた清水詩織は、誰にもバレないように、毎日ひっそりお弁当を食べている。一方、新生徒会長に選出された石田亜紀はこれからの日々に心躍らせている。そんな対照的な2人の学校生活は、とある事をきっかけに大きく変化していく。自分の居場所はどこにあるのか、果たしてそんな場所は本当にあるのか。まだまだ子供な彼女達の女子高という小さな世界で巻き起こる『自分の居場所』 を巡る小さな物語。【当日パンフレットより】

主宰の作井麻衣子さんが初めて脚本を手がけた新作公演(作井さん、また名前を戻したのね)。
前作『白眉濛濛』は公演中止となり、配信での鑑賞だったため、本公演を劇場で観るのは今回が初めて。

開演時、舞台にはトイレの便器に見立てられる白い箱馬が1つ。劇中、その数は3つまで増えるが、それ以外は何も出てこないシンプル設計。

公式サイトやチラシに掲載されているあらすじでは、いつも一人の石田亜紀という転校生がトイレに居場所を見つけるということになっていたが、蓋を開けてみれば石田亜紀は生徒会長で、トイレに居場所を見つけるのは清水詩織という生徒(ずっと転校生だと思いこんで観ていたが、その設定はなくなったらしい)。
生徒会の中で文化祭を外部公開で実施するという案が持ち上がり、そのためにはトイレ問題が課題となる。屯することがないよう生徒会が見廻りを始める一方、ハムスターを持ち込むひかり、お菓子が止められない光子、静かに読書をしたい咲の3人が、トイレで弁当を食べている詩織を仲間に巻き込んで、抗議活動を行う。その対立とは距離を置いて一人で学校中のトイレの掃除をする花子(トイレの花子さん…!)は何やら亜紀の過去を知っているらしい。

男子は基本的に学校のトイレの個室を使わないので(若い人はどうか知らんけど)トイレが居場所という発想はなかったが、いつも一人でいた詩織がひかりたちと関わるうちに成長していく様はなかなかよかった。前半はもう少しテンポアップした方がいいと感じるところもあったし、周りに合わせるのが苦手だった亜紀がなぜ現在のようになったのかが今ひとつ腑に落ちなかったけど。

上演時間1時間41分。