排気口『時に想像しあった人たち』 | 新・法水堂

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年間300本以上の演劇作品を観る観劇人です。ネタバレご容赦。

排気口新作公演

『時に想像しあった人たち』



2023年9月29日(金)〜10月9日(月)
※9月29日は公演中止
三鷹市芸術文化センター 星のホール

作・演出:菊地穂波
音響:Mana-T 照明:中村仁
演出助手:海国りん
舞台監督:菊地穂波 舞台監督補佐:伊藤セナ
宣伝美術:福西想人
制作:海国りん、排気口 制作補佐:飯嶋ひな
パンフレット:ボリボリ先生

出演:
井上文華(リーダーみたいな人・田中かおり)
根間健太郎(近所に住んでる人・ときめき松太郎)
中村ボリ(ときめき松太郎の娘・メモちゃん)
龍村仁美(ボランティアサークルの大学生・レミコ)
広野健至(ボランティアサークルの大学生・南てんぷら)
佐藤暉(ボランティアサークルの大学生・タカシ)
竹之内勇輝(ボランティアサークルの大学生・三浦おじや)
東雲しの(ボランティアサークルの大学生・阿佐ヶ谷エキチカ)
倉里晴(ボランティアサークルの大学生・ダメージヶ原ゆみ)
坂本ヤマト(なんかお金持ってる人・鮫島えくぼ)
松田顕生(タウンメイクアップエージェント・ラージマック)
桂弘(元おもちゃ屋・馬場ゴジラ)

海国りん(ラージマック)※9/30〜10/1代役

STORY
南高井戸ひまわり商店街ではかおりを中心として、夏祭りに向けた会議が行われる。近所に住むときめき松太郎は小学2年生の娘・メモちゃんの世話を押しつけ、呼ばれてもいない元おもちゃ屋の馬場ゴジラが顔を出す。更にガールズバーでかおりと知り合ったという金持ちらしき鮫島えくぼや、タウンメイクアップエージェントという怪しい肩書きのラージマックらもやってくる中、かおりは認知症で徘徊する父親のことが気にかかる。スタッフTシャツを作ることで勝手に盛り上がっていた大学生のボランティアサークルに、タカシの友人の三浦おじやが新しくやってくるが、彼の目当てはエキチカだった。

MITAKA "Next" Selection 24th選出作品。

舞台下手に長机2つと椅子6脚。背後にホワイトボード。上手にソファー。左右に衝立。

排気口は1月の『アイワナシーユーアゲイン』は日程が合わず、4月の排気口/ボリ企画『人足寄場』は公演の存在を知ったのが千穐楽……(なかなか荻窪小劇場の情報は下北沢界隈まで届かないのよな)というわけで、『呼ぶにはとおく振り向くにはちかい』以来となってしまったが、笑いに関しては以前よりも確実にパワーアップしていた。それぞれのキャラクターも濃く、会話のデタラメ具合が素晴らしかったが、特に好きなのは、唐突に「今から埴谷雄高の『死霊』の冒頭を読んであげるね」と言いだすくだり。決して万人ウケしないであろうネタを放り込む潔さやよし。しかもフランス書院版て!(後半の19⇒326ネタももはや通じないのでは…)
照明が暗くなり、展開もシリアスになる終盤との落差もなかなかのもので、序盤からは予想がつかないところに持っていかれる。ただ、ダレるところもあったので、もう少し短くてもいいかな。

上演時間1時間47分。