『なくもんか』(水田伸生監督) | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『なくもんか』


2009年日本映画 134分
監督:水田伸生 脚本:宮藤官九郎
音楽:岩代太郎
主題歌:「なくもんか」いきものがかり
撮影:中山光一 照明:市川徳充 美術:清水剛
録音:鶴巻仁 編集:平澤政吾
音響効果:柴崎憲治 装飾:うてなまさたか
VFXスーパーバイザー:小田一生
スタイリスト:宮本茉莉
ヘアメイク:中村洋子
キャスティング:明石直弓、赤刎敏男
監督補:相沢淳 助監督:蔵方政俊
記録:増田実子 制作担当:近藤博
ライン・プロデューサー:加藤賢治

出演:
阿部サダヲ(下井草祐太)
瑛太[永山瑛太](下井草祐介/金城祐介)
竹内結子(山岸徹子)
塚本高史(祐介の相方・金城大介)
いしだあゆみ(徹子の母・山岸安江)
伊原剛志[友情出演](父・下井草健太)
光石研(金城ブラザーズのマネージャー・加々美昌弘)
皆川猿時(酒屋トシちゃん)
片桐はいり(山ちゃん店員・みどり)
鈴木砂羽(母・下井草祐子)
カンニング竹山(徹子の父・山岸正徳)
山口愛[子役](徹子の娘・山岸静花)
谷端奏人[子役](徹子の息子・山岸徹平)
高橋ジョージ(弁当屋・桜井)
陣内孝則[特別出演](環境大臣・桂谷壮一郎)
藤村俊二[友情出演](ボーダーシャツの男)
徳井優(サンドラッグ店長)
水木薫(主婦)
大島蓉子(同)
松金よね子(同)
小倉一郎(中やん)
橋本じゅん(紅茶好きの刑事)、小林正寛(スカジャンの刑事)、安居剣一郎、江口のりこ(祐介の担任)、梅津栄(田辺のおじいちゃん)、加藤清史郎(小学生の祐介)、東谷柊一(小学生の大介)、平野心暖(幼少時代の祐太)、松本春姫(幼少時代の徹子)、冨田佳輔(中学生の祐介)、鈴木駿介(中学生の祐太)、庄司永建(野口)、市川千恵子(野口の妻)、花原照子(おばあちゃん)、山梨ハナ(トシちゃんの母・ハナ)、岡博之、山部薫、梅沢昌代、酒井敏也(メリーゴーラウンドの男)、八十田勇一(同)、山口良一(同)、豊嶋稔、渋谷正次(SP)、渡邉紘平、大川浩樹[大川ヒロキ](記者)、六角慎司、西尾由佳理[日本テレビ](記者)、九太朗(魚屋)、椎名泰三、段丈てつを、下村恵里(飲み屋の女将)、青木十三雄(パン屋)、吉田羊(サンドラッグのバイト店員)、すぎもとみさき(サンドラッグのバイト店員・武田智子)、豊田唯、田中大輔、八泉杏、植木紀世彦(八百屋)、西木優子、福井利之、武智功高、内藤トモヤ(電気店店主)、武藤晶子、原田久子、三宅知明、北原ひとみ、原島裕子、細原好雄、川崎マリ子、上野大樹、滝沢恵、高品充、五十木小苗、西澤実峰、大堂あやか、田辺真奈、壱ノ木成、伊藤邦靖、康智、岩山孝、金子幸生、与古田康夫、柴田正和、真上沙剣(主婦)、美月麻帆、西原悦子、清水ゆうこ、玉井雅子、一矢麻友、石川みね子、臨光初美、佐藤昌子、鈴木鈴枝、琴吹悠、天手鼓舞、香山裕香、髙橋聡、小田浩次、中上五月、森山智弥子、KYOKO、陽美、大野由加里、中村容子、嶋田真、安田裕、石川詩織、平林靖子、岩澤晶範、田中恵輔、内舛星矢、西原信裕、吉成翔、野口綾奈、ホリベン、森里一大、信川清順、上脇結友、田村三郎、長野克弘、杉浦理史、飯田基祐(テレビ局社員)、ノゾエ征爾(同)、樋渡真司(『コプ太と赤い車』監督)、廣川三憲(『コード・スカイ・ブルー』プロデューサー)、HARRY、保村真、岡本正巳、吉野正弘、鈴木弘秋、神野崇、西岡野人、浅海彩子、松岡依都美、内田悠子、外間みよ子、比嘉リサ、新田保雄、知花としひさ、今野祐一郎、鉄太郎、仲与根奏、儀保盛充、芝本弘樹、平良亮、岸本尚泰、高橋南海子、西平有美、神山吉昭、比嘉健、佐野クジラ、嘉陽初美、比嘉周作(司会者)、玉城ちこ、東正洋、山内トキ、デイジー・アウザ、エイミ、アーミン・ディングラサン

STORY
幼い頃、無茶苦茶な人生を送る父に捨てられ、生き別れた兄弟がいた。兄・祐太は、東京下町・善人通り商店街の顔になっていた。8才のときに父に捨てられた祐太は、善人通り商店街の「デリカの山ちゃん」初代店主夫婦に、実の息子のように優しく育てられた。その恩返しとばかりに、祐太はバカみたいに働いた。商店街すべてのお店の手伝いはもちろん、地元住民の買物の手伝い。挙句の果てには、犬の散歩、草むしり、電球の交換などなど。今では、働くバカとまで言われている、究極のお人好し。その人柄と、40年間注ぎ足してきた秘伝のソースをかけたハムカツを名物に、「山ちゃん」を行列のできる超人気店へと成長させていた。弟・祐介は、「金城ブラザーズ」というお笑い倹lで超売れっ子になっていた。幼い頃に母を亡くし親戚をたらい回しにされた祐介が、度重なる転校でもイジめられないために身につけた生きる術。それは、笑いだった。ピンの芸人としては全く泣かず飛ばずの祐介だったが、赤の他人である金城大介と兄弟漫才師「金城ブラザーズ」としてデビュー後、周囲の予想を大きく裏切って大ブレイク! さらに、相方の大介が「金城ブラザーズ」の貧乏な幼少時代をお涙頂戴モノとして書いた、全くのウソで塗り固められた自伝小説「コプ太と赤い車」が、世紀の大ベストセラーに。大人気の「金城ブラザーズ」だが、本当の兄弟でないことは世間にひた隠しにしている。そんなある日。10数年前に善人通り商店街を出て行ったきり全くの音信不通だった、「山ちゃん」初代店主夫婦の一人娘・徹子が突然帰ってきた。子供のときから実の兄妹のように仲良く暮らしていた祐太はもちろん、商店街の人たちはビックリ仰天。しかも、毎日ハムカツを食べていたせいで、デブで不細工だった徹子が、まるで別人のような超美人になっていたのだ! 突然の帰宅、謎の激痩せ、確実なプチ整形……数々の疑惑が残る徹子を、祐太は問い詰めることなく笑顔で温かく迎え入れた。祐太は徹子をずっと待ち続けていたのだ。初代店主の「デブじゃなきゃ、嫁にもらって欲しいんだけどな……」という遺言を胸に。祐太は、しおらしく店を手伝う徹子に、どさくさに紛れてプロメ[ズ。めでたく結婚!するのだが、婚姻届を出すため戸籍謄本を手に入れた祐太は、「金城ブラザーズ」の祐太が実の弟であることを知ってしまう。【公式サイトより】

『舞妓Haaaan!!!』のスタッフ再結集。

前作同様のTHE阿部サダヲショー。
瑛太さんや竹内結子さんら主演級の俳優さんも霞んでしまう。
しかし阿部サダヲさん主演で1度ならずも2度も映画が作られるとは時代も変わったもんだ。
貧乏自慢の芸人、その芸人が書いた本の安易な映画化、エコエコうるさい環境問題を暗に揶揄し、所詮伝統の味なんて給食のソースと大して変わらないよと言ってのけるあたりは痛快。

しかしいかんせん134分は長い。
観ている間はそれほどの長さは感じなかったが、中だるみした部分があったり終盤もややぐだぐだな面もあったりしたので、やはりもう少し刈り込むべきだっただろう。
特に徹子がエコ活動に突然目覚めるあたりや『コプ太と赤い車』の映画撮影シーンは不必要。最後の沖縄行きも唐突かつ強引な展開の割に二人の漫才がさほど効果的とは思えなかった。
どうせならあの商店街だけで物語を展開させて欲しかったところ。

他のキャストではいしだあゆみさんが最高。
疑問だったのが、陣内孝則さん扮する大臣と顔見知りのように会話をしていた点。徹子は家を出てから帰って来なかった訳だから、その間の愛人だった大臣を知っているはずはないと思うのだが…。
橋本じゅんさんと小林正寛さんはどこかで見たような刑事コンビ。もっとも橋本じゅんさんはちょっと古畑任三郎も入っていたけど。

なお、↓になぜ『シャイニング』の商品ページへのリンクがしてあるかは本作を観てのお楽しみ。ボーっとしてたら気づかないので注意あれ(元ネタを知らないせいかほとんど笑いなしだった)。