2223project produce 劇団晴天『共演者』【配信】 | 新・法水堂

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2223project produce
劇団晴天 第14回本公演 
『共演者』


2023年7月1日(土)〜11日(火)
小劇場B1

脚本・演出・舞台美術:大石晟雄
編集:白石花子
舞台監督:岡田竜二 (コントユニットTOO)
美術協力:眞野祐美子(こわっぱちゃん家)
照明:松田桂一 照明オペレーター:木村奏太
音:北島とわ(Portowal birch)
フライヤー・グッズデザイン:横井希美  
フライヤー・ブロマイド写真撮影:保坂萌
映像撮影・編集:柴野太朗
制作:類家アキヒコ、劇団晴天
企画・製作:2223project

出演:
近藤陽子[劇団AUN/劇団晴天](まなみ・伊藤愛美)
白石花子[劇団晴天](やっちゃん・安田桃)
鈴木彩乃[劇団晴天](ショウ・東堂照)
佐藤沙紀[劇団晴天](コング・加藤まつり)
角田悠[劇団晴天](舞台監督、ねむこ・松本夢子)
桂弘(まなみの恋人、かーくん・遠山克己)
喜田裕也[はちどり空港](やっちゃんの恋人、ぴっぴ・青木亮) 
荒木広輔[劇団晴天](ショウのマネジャー・都倉さん・都倉丈二)

STORY
高校の演劇部同期4人が卒業して数年、ようやく集まった公演の本番前日、その楽屋。しかし悪質なストーカーからの殺害予告でSNSは炎上し、公演中止かキャスト変更かの選択を余儀なくされる。そして3年後、少し大きくなった楽屋に、4人は再び集まった。「わたしは気づいたわ、っていう奴の顔が一番ブス」女優が楽屋に入った瞬間、もちろんそこは戦場だ。飛び交う怒号、荒ぶるおむつ、手に入れた幸せと不幸せ。生まれてしまった、想像したって超えられない溝を、軽々と跳んでいきたい。だって演劇ってそういうことでしょう?【公式サイトより】

2019年に短篇として上演、2020年に長篇化して初演された作品の改訂版。7月に新作『同級生』と同時上演された公演を配信にて(初演は観劇三昧で有料で鑑賞可能)。

客席側の二面にそれぞれ長机と椅子があり、下手側はやっちゃんとショウ、上手側はまなみとコングが使用。奥の壁には衣裳がかけられたハンガーラック、積み上げられた椅子、ソファ、道具の入ったスチール製の棚など。下手側の出口は舞台に、上手側の出口は劇場裏口へと続く。中央にも出入口があり、のれんがかけられている。

高校の同期4人で作った劇団公演の楽屋というだけで既にエモさがあるが、女優4人という設定は清水邦夫さんの名作『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』を踏まえてのものだろう。
最初のシーンでは、まなみが深夜ドラマの脚本を書きながら、フィリピンに転勤することになった恋人のかーくんとも話をしなくてはならず、更にはショウがストーカーからの殺害予告を受けて降板するかどうかの決断を迫られ……四面楚歌な状態。
そこから3年後、結局降板したショウが楽屋を訪れる中、ショウに恋人を奪われたやっちゃんとの間にバトルが勃発。コングも絡む中、まなみも本音をぶつけながらも、「四人芝居しよう。私、想像を超えるから!」と最高の脚本を書くことを約束するシーンがとにかく素晴らしい。近藤陽子さんに至っては鼻血まで出すほどの熱演。
元々、演劇を題材にした作品にはヨワイのだけど、本作もまたその系譜に加わる作品となった。初演も観てみなくちゃ。

配信時間1時間36分。