『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』(こだま兼嗣監督) | 新・法水堂

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『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』



1997年日本映画 94分
監督:こだま兼嗣
原作:青山剛昌 小学館「週刊少年サンデー」連載中
脚本:古内一成
プロデューサー:諏訪道彦、吉岡昌仁
企画:諏訪道彦 原案協力:奥山道彦、浅井認
絵コンテ:こだま兼嗣、佐藤真人
演出:佐藤真人
音楽:大野克夫
キャラクターデザイン:須藤昌朋
美術監督:渋谷幸弘
撮影監督:野村隆 音響監督:小林克良
総作画監督:須藤昌朋
エフェクト作画監督:糸島雅彦
美術設定:光元博行
編集:岡田輝満(ジェイ・フィルム)
色彩設定:小川さよ子(エムアイ)
特殊効果:林好美
音響効果:横山正和 整音:大城久典
音楽プロデューサー:堀尾裕樹
主題歌:杏子「Happy Brithday」
挿入歌:伊織「逢いたいよ」「キミがいれば〜名探偵コナン メインテーマ〜」
エンディングスタッフ 撮影:篠田昇
ストーリーエディター:飯岡順一

出演:
高山みなみ(江戸川コナン)
山口勝平(工藤新一)
山崎和佳奈(毛利蘭)
神谷明(毛利小五郎)
緒方賢一(阿笠博士)
茶風林(目暮警部)
石田太郎(森谷帝二教授)
岩井由希子(少年探偵団・吉田歩美)
高木渉(同・小嶋元太)
大谷育江(同・円谷光彦)
松井菜桜子(蘭の友人・鈴木園子)
塩沢兼人(白鳥刑事)
藤本譲(東都鉄道総合司令室運行部長・坂口)、藤城裕士(総合司令長・楠)、宮寺智子(黒川大造の後妻・黒川三奈)、藤井佳代子(家政婦・中沢真那美)、山路和弘(長男・黒川大介/医師)、平尾仁彰(西多摩市市長・岡本)、谷川俊(長男・岡本浩平)、山崎たくみ(東都環状線運転士)、千葉一伸(警官)、水原リン(自転車の少年/おばあさん)、一条和夫(ライダー)、百々麻子(ハンバーガーショップ店員)、川谷修士[2丁拳銃](電車の乗客)、小堀裕之[2丁拳銃](同)、野村明大[YTV](アナウンサー)

STORY
頭脳は高校生だが体は小学生の名探偵コナンは、いつも麻酔で迷探偵・毛利小五郎を眠らせ、変声機を使って小五郎を演じつつ正体を隠して難事件を解決していた。ある日、コナンの正体である高校生名探偵・工藤新一に、建築家の森谷からパーティーの招待状が届く。新一は電話でガールフレンドの蘭に代理出席を頼み、自分はコナンとして蘭に付き添おうとするが、その代わり5月3日の夜に、蘭と映画「赤い糸の伝説」に行くことになった。コナンたちがパーティーに出席した数日後の5月3日、特殊火薬盗難事件と連続放火事件が発生する。そして、その犯人らしい男が新一に爆破予告をしてきた。しかし、コナンはラジコン飛行機やペット用ケースに仕掛けられた爆弾を次々と見抜いていく。続いて環状線爆破の予告が届いた。期限は日没まで、しかも環状線上の各列車が時速60キロ未満にスピードを落とすと爆発するという。これらの条件からコナンは爆弾そのものの仕掛けを突き止め、大惨事は未然に防がれた。これまで爆破のターゲットとなった場所も放火された建物も、すべて森谷の古い作品であることに気付いたコナンは、森谷こそが事件の真犯人であると見抜く。森谷は完全主義の美意識から外れる若い頃の作品の抹消を図り、また、新一の活躍がめぐりめぐって自分の新作の建設中止に至ったことから、新一への挑戦を最終目的の隠れ簑にしていたのだ。森谷逮捕の時にはすでに最後の爆破のタイムリミットが迫っていた。場所は、いま蘭が新一を待つ映画館ビル。森谷はパーティーの席上で、蘭からデートの話を聞いていたのだ。コナンが駆け付けた時には小爆破が起き、コナンは瓦礫越しに新一の声で蘭へ最終爆弾の解体の指示を出す。最後の切るべきコードは青か赤か。赤好きの蘭の決断でコードが切られ、爆破は防がれた。選ばれたのは青、蘭は新一との赤い糸を切らなかったのである。【「KINENOTE」より】

劇場版『名探偵コナン』、記念すべき第1作。

『コナン』は原作もアニメも最初の頃は読んだり見たりしていたけど、劇場版はまったくの未見。ふと思い立って観てみたところ、奇遇なことにちょうど5月3日の物語だった。
第1作らしく、冒頭に新一がコナンになった経緯や登場人物並びに発明品の紹介があるなど親切設計。

ストーリーとしては、『新幹線大爆破』要素(『スピード』要素とも言う)あり、『ジャガーノート』要素ありで飽きさせない展開となっていて、今見ても充分楽しめる。
新一と蘭が壁越しに会話するシーンは未見の私でも知っているぐらい有名なものだが、この2人も四半世紀経っても逢わせてもらえないとは思っていなかっただろうな。笑

ツッコミどころとしては、蘭が森谷にべらべらと新一にあげる誕生日プレゼントの話をしたり、5月は2人とも赤がラッキーカラーなどと話すのはやや不自然。女子高生が初対面のおっさん(森谷、47歳には見えないよな…)にそんな話はしないだろうに。
あと、森谷が自分の気に入っていない建築物の写真も飾っているのも変と言えば変。新一に挑戦するためにあえて飾っておいてのかもしれないけど。

エンディングの実景が篠田昇さん撮影というのもポイント高し。撮影助手にクレジットされている内田英治さんは『ミッドナイトスワン』の監督と同一人物? 単なる同姓同名?