『サスペリア』(ダリオ・アルジェント監督) | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『サスペリア』

SUSPIRIA



1977年イタリア映画 98分

脚本・監督・音楽:ダリオ・アルジェント

脚本:ダリア・ニコロディ

製作:クラウディオ・アルジェント

製作総指揮:サルヴァトーレ・アルジェント

撮影:ルチアーノ・トヴォリ

美術:ジュゼッペ・バッサン

衣裳:ピエランジェロ・チコレッティ

編集:フランコ・フラティチェッリ

音楽:ゴブリン


出演:

ジェシカ・ハーパー(スージー・バニオン)

ステファニア・カッシーニ(サラ・シムズ)

アリダ・ヴァリ(タナー先生)

ジョーン・ベネット(副校長ブランク夫人)

フラヴィオ・ブッチ(ダニエル)

ミゲル・ボセ(タナー先生の世話係マーク)

バルバラ・マグノルフィ(上級生オルガ・イヴァノヴァ)

スザンナ・ジャヴィコリ(パットの友人ソニア)

エヴァ・アクセン(パット・ヒングル)

ルドルフ・シュンドラー(ミリウス教授)

ウド・キア(精神分析医フランク・マンデル)

マルゲリータ・ホロヴィッツ(教師)、ジャコポ・マリアーニ(ブランク夫人の甥アルベルト)、フルヴィオ・ミンゴッツィ(タクシー運転手)、フランカ・スカネッティ(料理人)、レナート・スカルパ(ヴェルデガスト教授)、セラフィナ・スコルチェレッティ(第二料理人)、ジュゼッペ・トランソッキ(使用人パヴロ)、レナータ・ザメンゴ(カロリーネ)、アレッサンドラ・カポッツィ(バレリーナ)、サルヴァトーレ・カポッツィ(同)、ディアナ・フェラーラ(同)、クリスティーナ・ラティーニ(同)、アルフレード・ライノ(同)、クラウディア・ザッカリ(同)、ダリオ・アルジェント[クレジットなし](ナレーター)


STORY

異様に静まりかえる空港、今ニューヨークよりバレリーナ志望のスージーが着く。激しい雷雨の中、タクシーでバレエ学校にむかう彼女。不気味な街並みが窓の外を流れていった。ようやく、学校に着くが、「アイリス……扉のむこうに……」と、叫んで木立ちの中に消えていく女性。スージーは、赤い壁の学校の扉をたたくが応答はなかった。翌朝、改めて学校を訪れた彼女は、華やかさの中で副校長のブランク夫人とタナー女史に紹介される。そして、タナーから校長は旅行中であり、又、盲目のピアニストのダニエルも紹介された。ハード・レッスンが始まった。学校に対する不安や、つかれが重なって、スージーは吐き気とめまいと共に倒れる。気がつくと寄宿舎のベッドの中。医者とブランクに見守られ、薬と食事を与えられたスージーは、学生のサラから謎めいた話を聞かされた。スージーが嵐の夜見た女性は何者かに殺され、以前から何人もが行方不明になっており、消灯後、教師達がどこかに集まっているというのだ。数日後、天井からウジ虫が落ちる大騒ぎがおこり、生徒達の部屋は使いものにならなくなった。原因は天井裏のくさった食物だ。全員はその夜、講堂でカーテンをつって寝る事となった。と、異様なうめきが……校長だった。でも彼女は旅行中では--。翌日、ダニエルが自分の盲導犬に殺される。なぜ--? 疑惑の渦の中、サラは夜、教師達をつけていって殺された。スージーは、ある日、サラの友人の精神分析学者をたずねると、彼は何百年も生き続ける魔女の話を始めた。サラが見えないのを不審に思いタナーに聞くと、サラは退学したという。何かある。スージーは、夜学校の奥深くへ出かけていった。サラが話していた何かを求めて--。やがて、たどりついた部屋には、アイリスの花の壁紙が……。押すと隠し廊下の突き当たりの部屋に、ブランクにタナーと学校の首脳陣が集まっていた。逃げるスージー、追う彼ら。さらに奥に部屋があった。そしてベッドには、魔女がいる。魔術でスージーを襲う魔女。激闘の末、スージーのナイフが魔女の心臓をさす。外はすさまじい嵐であった。荒れ狂う学校から逃げ出したスージー。顔に笑みが浮んだ。【「KINENOTE」より】


新作『ダークグラス』が日本でも公開、御年82歳となるダリオ・アルジェント監督による「魔女3部作」の第1弾。


冒頭、スージーがドイツの空港に到着し、嵐の中、タクシーでバレエ学校に向かうシーンからして不穏さしかない。

音楽が否が応でもそんな雰囲気を盛り立て、バレエ学校でも謎の拒絶。翌日、学校に行ったら行ったで一癖も二癖もありそうな人物がスージーを出迎える。天井からウジ虫が落ちてくるシーンも生理的嫌悪感を催さざるを得ない。

その後、そのバレエ学校に関わる秘密が明かされていき、オカルトチックな様相を呈し始める。正直、よく分からないところもあるのだが(特に終盤の展開)、それも押し切ってしまう勢いがこの映画にはある。どことなく楳図かずおさんの恐怖漫画に通底するものを感じた。

それにしてもこの手の映画は非白人がほとんど登場しないよねぇ。


ちなみに脚本のダリア・ニコロディさんはアルジェント監督の妻。本来スージー役に予定されていたが、大人の事情でジェシカ・ハーパーさんが起用されることに。彼女にはサラ役が回ってきたが、それを拒絶して冒頭の空港のシーンにカメオ出演のみしているとか。


さぁ、次は続篇の『サスペリアPARTⅡ』を観るぞ!と思ったら、続篇でも何でもなく、なんなら本国での公開は『PARTⅡ』の方が先だという出鱈目さ。『007』みたいに後で邦題を変えればよかったのに。