梅田芸術劇場/東宝 ミュージカル『ジェーン・エア』 | 新・法水堂

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梅田芸術劇場/東宝

ミュージカル『ジェーン・エア』

JANE EYRE
 

 
【東京公演】
2023年3月11日(土)〜4月2日(日)
東京芸術劇場プレイハウス
 
原作:シャーロット・ブロンテ
脚本・作詞・演出:ジョン・ケアード
作曲・作詞:ポール・ゴードン
翻訳・訳詞:今井麻緒子
音楽スーパーバイザー:ブラッド・ハーク
美術:松井るみ 照明:中川隆一
音響:湯浅典幸 衣裳:前田文子
ヘアメイク:宮内宏明
 

音楽監督補・ピアノコンダクター:桑原まこ

歌唱指導:柳本奈都子、中井智彦

稽古ピアノ:杉田未央

通訳:今井麻緒子、内藤章子

振付協力:大澄賢也

美術助手:長谷川康子、平山正太郎

演出助手:加藤由紀子 舞台監督:齋藤英明

 
出演:
上白石萌音(ジェーン・エア)
井上芳雄(エドワード・フェアファックス・ロチェスター)
屋比久知奈(ジェーンの親友ヘレン・バーンズ)
春風ひとみ(ロチェスター家の家政婦ミセス・アリス・フェアファックス)
大澄賢也(バーサの兄リチャード・メイスン)
春野寿美礼(ジェーンの伯母ミセス・リード/レディ・イングラム)
仙名彩世(ジェーンの母/アデールの子守ソフィ/ブランチ・イングラム)
樹里咲穂(ローウッド学院の教師ミス・スキャチャード/家政婦ベッシィ/バーサ・メイスン)
折井理子(リード家の家政婦マーサ・アボット/バーサの世話係グレース・プール)
水野貴以(リード家の家政婦アグネス/ロチェスター家の家政婦リア/メアリー・イングラム)
中井智彦(ジェーンの父/御者トーマス/牧師シンジュン・リヴァーズ)
萬谷法英(ローウッド学院院長ブロックルハースト/ロチェスター家の使用人ロバート)
神田恭兵(従兄ジョン・リード/イングラム卿/牧師)
江崎里紗[スウィング](ローウッド学院の教師ローズ)
犬飼直紀[スウィング](ニコラス)
岡田悠李[トリプルキャスト](ヤング・ジェーン/私生児アデール・ヴァランス)
 

Piano / Conductor:桑原まこ Violin:荒井桃子

Reed:大下和人 Cello:平井麻奈美

Oboe:海上なぎさ Contrabass:岸徹至

Percussion:土屋吉弘

 

STORY
1800年代ビクトリア朝のイギリス。ジェーン・エアは孤児となり伯母(ミセス・リード)に引き取られるが、いじめられ不遇な幼少期をおくる。プライドが高く媚びることをしないジェーンは伯母に嫌われ、寄宿生としてローウッド学院に行くことになる。そこは規則が厳しく自由がなくジェーンは教師たちに反抗的であった。ただヘレンというかけがえのない友に出会い、「信じて許すこと」を学ぶ。しかし彼女は病気で死んでしまう。成長したジェーンはローウッド学院で教師をしていたが、自由を求めて家庭教師として学院を出る。ジェーンは、広大なお屋敷の主人、エドワード・フェアファックス・ロチェスターの被後見人・アデールの家庭教師となる。主人のロチェスターは孤独で少し皮肉で謎めいた男だが、ジェーンは自分と共通する何かを感じる。この出会いが自分の人生を大きく変えていくことになるとはまだ知らない。夜になるとこの屋敷には女性の幽霊が現れ、そして大きな運命の歯車が動き出すーー【公式サイトより】

1996年、カナダ・トロントで初演、2000年にブロードウェイ進出、そして2009年に日本初演されたミュージカルの新演出版世界初演。
 
舞台中央奥に枯れ木。上手側に段々になった丘。上手手前にはソーンフィールドの象徴とも呼ばれる樹齢300年の木。
舞台の左右にはオンステージシートがあり、そこで鑑賞する観客は全身黒づくめ(マスクも公演オリジナルのものだとか)。そのお陰が、舞台上に客席があっても意外と気にならなかった。
 
原作はシャーロット・ブロンテの同名小説。
個人的には御馴染の物語なので、正直に言って作品としてはダイジェストを見ているかのようだった。ミュージカルではないけど、ステイホーム期間に配信され、その後、日本でも劇場公開されたナショナル・シアター・ライブの『ジェーン・エア』ぐらい斬新に、とは言わないけど、もう少し目新しさが欲しかった。
いやしかし改めて見ると、孤児でいじめを受けたり結婚が直前で駄目になったり火事になったり失明したり韓国ドラマのような展開ですな。
 
上白石萌音さん&井上芳雄さんは抜群の安定感。
ただ、『ダディ・ロング・レッグズ』の主演&演出チームなので若干新鮮味がなかったのも事実。上白石萌音さんとはダブルキャストでジェーンとヘレンを交互に演じている屋比久知奈さんの評判がなかなかいいので、そちらは配信で観てみようかな。
 
主演ふたりよりも惹きつけられたのが、春風ひとみさん。いやー、家政婦にしては気品がありすぎやろ!という気もするけど、一つ一つの動作が美しく、歌声にも説得力があって流石の一言。
トリプルキャストでヤングジェーンとアデールを演じる岡田悠李ちゃんの芸達者っぷりにも目を瞠った。
 
上演時間2時間42分(一幕1時間12分、休憩22分、二幕1時間8分)。