東京演劇道場『わが町』 | 新・法水堂

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東京演劇道場 第二回公演

『わが町』

 

 
2023年1月25日(水)〜2月8日(水)
東京芸術劇場シアターイースト
 
原作:ソーントン・ワイルダー
構成・演出・翻訳:柴幸男(ままごと)
翻訳協力:水谷八也
美術:須澤里佳子(金井大道具)
衣装:瀧澤日以(PHABLIC×KAZUI)
照明:北澤真 音響:原香菜子
映像:松澤延拓 演出助手:北浦愛、末富真由
制作進行:福岡聡
舞台監督:浦弘毅(ステージワークURAK)
演出部:北野ひかり・森田千尋・佐藤幸美・細田哲史(ステージワークURAK)
照明オペレーター:秋本雪乃 映像助手:井上孟
映像協力します遠藤正典、染宮弘樹、高田里美
大道具:金井大道具
照明協力:ライティングカンパニーあかり組
音響機材協力:Sound Busters
鑑賞サポート:持丸あい
人形デザイン:水口早香 人形衣装:緒形敦
人形製作:『わが町』出演者
宣伝美術:佐野研二郎・曽我貴裕(MR_DESIGN)
宣伝写真:井上佐由紀 舞台写真:引地信彦
記録映像収録:大竹正悟、神之門隆広
著作権代理:シアターライツ
法務アドバイザー:福井健策・寺内康介(骨董通り法律事務所)
 
出演・創作:
秋山遊楽
石井ひとみ
大野明香音
大滝樹
緒形敦
小幡貴史
兼光ほのか
川原田樹
北浦愛
佐々木富貴子
代田正彦
末冨真由
鈴木麻美
谷村実紀
鄭亜美
手代木花野
藤井千帆
間瀬奈都美
三津谷亮
水口早香
吉田朋弘
李そじん
六川裕史
 
STORY
アメリカ合衆国ニューハンプシャー州グローヴァーズ・コーナーズ。この町の医者であるドクター・ギブズの家にも、また隣家の住人、町の新聞の発行人・ウェッブ氏の家にも、いつもと変わらない平和な一日が訪れている。ギブズの息子・ジョージとウェッブの娘・エミリーは、ともに 16歳で幼なじみ。二人の頭にあるのは今日の宿題のこと、将来の夢のこと、そして、ほんの少しだけ気になっている隣の家の幼なじみのこと。いつもの朝、いつもの一日。それから3年。高校の卒業式の直後。幼なじみのエミリーとジョージは結婚の日を迎える。ジョージは嬉しさのあまり、朝から落ち着かない。新たな家族を迎える2組の両親の、「結婚」に対する思い、新たな家族となる若い二人への願いが語られる。お互いの愛を再認識した二人は、町の多くの人々の祝福を存分に受けながら、幸せな結婚式を終える。永遠に続くと思われた幸せに満ちた夫婦生活が9年を数えた頃、思いもかけない出来事がエミリーの身に起きて…。【新国立劇場『わが町』あらすじより】

東京芸術劇場芸術監督の野田秀樹さんが立ち上げた東京演劇道場の第二回公演は、ソーントン・ワイルダーさんのピュリッツァー賞受賞作をままごとの柴幸男さんが演出。
 
第一幕「1901年 グローバーズ・コーナーズ」、第二幕「2023年 東京」、第三幕「1913年 墓地」の三幕構成。23人の出演者は基本的には白っぽい衣裳で、サイモンを演じる北浦愛さんのみが喪服のような黒い服。
客席は三方向に配置。舞台中央には平台状のものがあり、その両脇に黒い台が7つずつ。奥には2列のベンチ。上手側に脚立、下手側にそれよりは小ぶりの赤い脚立。開演時間になると、キャスト陣がぞろぞろと登場し、両脇の黒い台に人形を置いていく。中央の平台状のものは第二幕になると分解され、街並みへと変貌。
第一幕は人形を用いて展開。第二幕は生身で、スクリーンに映し出される映像に人形が登場。第三幕はスクリーンが下ろされて舞台全体を覆い、墓地となる。死者は生身で自分の墓石に座り、それ以外は人形。
 
…といった具合にそれぞれの幕で違った演出がなされ、ただひたすらに楽しい。今回、「出演・創作」とクレジットされている道場生23名は様々な役割を担うのだが、そのアンサンブル具合もよかった。鄭亜美さんは声が特徴的で、大勢の出演者の中でもどこにいるかすぐに分かる。他にはNODA・MAPのアンサンブルに参加されている六川裕史さんも印象に残った。
 
上演時間2時間15分(一幕・二幕1時間25分、休憩10分、三幕40分)。