『ヒョンスンの放課後』(ダニエル・ゴードン監督) | 新・法水堂

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『ヒョンスンの放課後』
A STATE OF MIND


2004年イギリス映画 94分
脚本・監督・製作・ナレーション:ダニエル・ゴードン
共同プロデューサー:ニコラス・ボナー
撮影:ニック・ベネット
編集:ピーター・ハッドン 
音楽:バーナビー・テイラー 
出演:パク・ヒョンスン、キム・ソンヨン、キム・ジョンホ(マスゲーム指導者)

STORY
2003年。平壌に住む体操の得意な13歳の女の子ヒョンスンは、三度目のマスゲームに出演することになる。練習は厳しく、寒い冬でも毎日最低2時間は行わなければならない。最初はつらくてさぼってしまったこともあった。しかしそれが先生に見つかり、罰を受けたことも。ヒョンスンと同じ体操クラスに選ばれたソンヨンは、彼女より4歳年下の9歳。まだヒョンスンほど上達はしていないけれど、ヒョンスンに苦手な技を教えてもらい、それを機に二人は仲良しになる。家族はマスゲームに選ばれたヒョンスンを誇らしく思っている。勉強が苦手なヒョンスンは、今日もお父さんに宿題を見てもらう。個性という欲を消し、いかに全体を統一して見せるかが目標のマスゲーム。それを織りなす一人一人に焦点を当てて見えてきた本当の姿とは?【「キネマ旬報映画データベース」より】

イギリス人のダニエル・ゴードン監督が特別撮影許可を得て制作したドキュメンタリー映画。

もう少し北朝鮮に暮らす人々の日常や本音が垣間見えるかと思ったのだが、はっきり言って物足りない。
異例の撮影許可を得たというけど、ドキュメンタリーらしさがまったくなく、ヒョンスンやソンヨンの家族もみんな役者なんじゃないの?という気さえしてしまう。台詞も与えられてるんじゃないだろうか。
マスゲームが順延になって、生徒たちが先生に連れられて白頭山(ペクトゥサン)に行くのだけど(白頭山は朝鮮半島の聖地で、金日成が抗日運動を起こし、将軍様が生まれたという伝説あり)、優秀な生徒が選ばれたという割にはその中に成績不良のソンヨンがいるのはなぜ?(笑)

イギリス人監督にしてみれば興味深いのかも知れないけど、これだったら日本のニュース番組で時折流れている取材VTRの方がよっぽど北朝鮮の実情を伝えていると思う。