『ウェディング・ハイ』(大九明子監督) | 新・法水堂

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『ウェディング・ハイ』

 

 

2022年日本映画 117分

監督:大九明子
脚本:バカリズム
エグゼクティブプロデューサー:吉田繁暁、津嶋敬介
プロデューサー:田渕みのり、石田聡子、河野美里、奥村麻美子
音楽:高見優 撮影:中村夏葉

照明:常谷良男 美術:西村貴志

録音:小宮元 編集:米田博之

装飾:湯澤幸夫 衣裳:宮本茉莉

ヘアメイク:那須野詞 VFX:高橋良明

音響効果:渋谷圭介 選曲:谷口広紀

音楽プロデューサー:高石真美

宣伝プロデューサー:真保麻希子

記録:松本月 助監督:吉田亮

制作担当:米田伸夫
ラインプロデューサー:田中敏雄

主題歌:「君にサチアレ」東京スカパラダイスオーケストラ(ボーカル:茂木欣一)
 

出演:

篠原涼子(ウェディングプランナー・中越真帆)
中村倫也(新郎・石川彰人)
関水渚(新婦・新田遥)
岩田剛典(遥の元恋人・八代裕也)
向井理(謎の男・澤田紀昭)

高橋克実(彰人の上司、住吉印刷株式会社部長・財津俊彦)

皆川猿時(遥の上司、タジマプリント課長・井上司朗)

六角精児(遥の父、魚屋・新田大造)
尾美としのり(彰人の父・石川紀夫)
池田鉄洋(彰人の叔父・石川充)
臼田あさ美(キャプテン・加藤友梨)
片桐はいり(遥の恩師・樋口良子)

中尾明慶(彰人の後輩・相馬慎司)
浅利陽介(裕也の大学時代の友人・真壁宗介)
前野朋哉(同・倉田大輔)
泉澤祐希(彰人の友人・滝本直樹)

八木将康(同・黒田洋一)
川野直輝(同・桜田誠)

佐藤晴美(遥の友人・山下沙和)

山田佳奈実(同・池田里奈)
おくつようこ(同・石井七海)
大森つばさ(同・近藤彩香)

宮尾俊太郎(誠の先輩、バー店長・村木武史)
伊勢志摩(司会・日下部郁美)、久保田磨希(アテンダー・豊島瞳)、中川大輔(アシスタントキャプテン・松波浩司)、岡野陽一(マトリモーニオトーキョー総料理長)、永島聖羅(受付・三浦加奈)、原扶貴子(遥の母・新田洋子)、空気階段[鈴木もぐら・水川かたまり](本人)、ヒコロヒー(本人)、丸山優子、篤見澪、河邑ミク(彰人の妹・麻里)、髙木直子(彰人の母・石川明代)、田所ちさ(彰人の叔母、充の妻・石川忍)、井上源大(彰人の従弟・石川魁斗)、佐藤尊(彰人の甥・昴)、川鍋花歩(彰人の姪・時音)、佐藤真由美(財津の妻)、鈴木夢(財津の娘)、金島清史、田中帆乃佳(新婦)、松本貴弘、川本龍輝、葉月美優、青木貞雄、太田正徳、山口統生、いながわしろう、吉成友良、丹羽さくら(遥の友人・池尻麻友)、野中美加子、浜田あさみ、武末志郎[武末志朗]、藤牧優花(遥の友人・土屋信江)、萩山沙貴(遥の従姉妹)、大和久ちひろ、岡嶋晴香、飯野泰功、助友智哉、鈴木絵里加、水野ナミ、山田英彦(白井太一)、田川あゆみ、大谷由梨佳、谷川哲也、桑名悟史、池田暢樹、高畑祐史、山上雅弘、東成実、細野智美、藤原智之、北本雅俊、汐瀬あさひ、花咲希実、大利弥里、遠藤史崇(宇崎拓人)、ちゃびまち(彰人の友人・栗原康弘)、北条晃平(同・飯塚寛太)、多田竜也(同・井口大士)、藤下栞(遥の友人・高橋雪乃)、瀧谷一樹、楠木紅琳、野田涼太(サービススタッフ)、浅水香穂、堀あかね(サービススタッフ)、河合里矩、冨永さくら(サービススタッフ)、渡邉玲奈、原田華恋、鈴木友香、鈴木日花里、山口雄介、西村佳祐、高橋晴輝、永富仁葉、彩希エリナ、伊元幸正、小坂田純奈、水木梨乃、南山あずさ、五十嵐結也(動画の中の彰人)、伊藤麻希(動画の中の遥)

 

STORY

人生最大のイベント・結婚式の日を迎えた新郎・石川彰人と新婦・新田遥。2年前、共通の知人を通じて知り合った2人は、交際1年で彰人が遥にプロポーズ。彰人は結婚式には乗り気ではなかったが、今後の結婚生活のために遥の意志を尊重することにする。2人はウェディングプランナーの中越真帆のサポートの下、ウェディングドレスを決めたり、お互いの上司に主賓挨拶や乾杯の音頭を頼んだりして準備を進める。披露宴の余興は彰人の友人たちが太鼓、遥の友人たちがダンスをする予定でいたが、彰人の父・紀夫がマジックをやると言い出し、遥の父・大造もマグロの解体ショーをすると張り切る。そして4月18日、結婚式当日。前日から大学時代の温泉同好会仲間と温泉旅行に来ていた八代裕也は、ささいなことがきっかけで別れた遥が結婚すると知り、遥を奪い返すために結婚式場へ向かう。披露宴は彰人の後輩・相馬慎司が作成した動画や彰人の上司・財津部長の主賓挨拶、遥の上司・井上課長の乾杯の音頭で大いに盛り上がるが、1時間ばかり押したため、このままでは途中で会がお開きとなってしまうことが判明。中越はキャプテンの加藤らスタッフに指示を出し、出し物をカットすることなく時間を短縮すべく奔走するが、その裏では謎の男・澤田が暗躍していた。


今年3月の公開作をWOWOWシネマにて。

ちなみに本日は中村倫也さんの誕生日。


人生最大のイベントである結婚式を舞台にしたドタバタコメディ。

序盤は結婚式の準備あるあるなネタが続き、当日の段になって、映像を依頼された新郎の後輩・相馬慎司(この役名は相米慎二監督が由来?)、主賓挨拶を依頼された新郎の上司・財津部長、乾杯の音頭を依頼された新婦の上司・井上課長といった人物それぞれの思い入れが語られていく。

通常ならそれらがことごとく失敗に終わりそうなものだが、なぜかロシア語字幕が入っているような相馬の映像すら参列者を感動させ、入念に準備をしてきた財津部長の挨拶では爆笑に次ぐ爆笑、それに負けじと張り切る井上課長の挨拶もまた大ウケとなる。


そのせいで1時間の時間短縮を余儀なくされたウェディングプランナーの中越が様々な策を講じることになるのだが、キャンドルサービスでは同時に火がつくようにしたり、余興を全部ひとまとめにしたり(太鼓、ダンス、マジック、マグロの解体ショー)、料理をワンプレートで出したり、メッセージ映像も言葉を切り貼りして1つにまとめたりとパターンが一緒になってしまっているのが惜しい。

あ、でも片桐はいりさん扮する遥の恩師・樋口のスピーチはよかったな。全部のスピーチはこれでいいと思う。笑


無事に披露宴が終わった後で新婦の元カレ・裕也と謎の男・澤田とのエピソードが語られるのだが、あまり本筋と絡みがなく、もっと意外な展開が欲しかったところ。まぁガンちゃんと向井理さんというイケメン2人がちょっと情けないことをやっているのを見て楽しむぐらいかな、この終盤パートは。


中越がウェディングプランナーを目指したのは、自分の結婚式がきっかけ。

だが、いい結婚式を挙げられたからといって結婚生活がうまくいくとは限らず、いいプランナーがいい上司とも限らないというのは、バカリズムさんらしいシニシズムが込められているように感じた。