猿博打『明烏-akegarasu-』 | 新・法水堂

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猿博打 第五回公演

『明烏-akegarasu-』



2022年12月14日(水)〜18日(日)
中板橋新生館スタジオ

脚本:福田雄一 演出:村上弦
制作:河村凌
舞台監督・当日制作:川崎歩夢(歩夢企画)
舞台美術:鈴木良輔(完全右脳アルコロジー)、伏見翔
照明:緒方稔記(黒猿) 照明オペ:佐久間喜望
音響:大嵜逸生 音響オペ:澤あやみ
フライヤー撮影:稲垣隼 宣伝美術:村上弦
タイトルデザイン:板場充樹
当日スタッフ:香西守
オープニング曲:Slingshot Million2「テキーラッ!!」

出演:
板場充樹[猿博打](ホスト・ジン)
佐野晋平[劇想からまわりえっちゃん](ホスト・アオイ)
岡本セキユ(ホスト・ノリオ)
荒波タテオ(店長・アキラ)
村上弦[猿博打](具志堅明子)
河村凌[猿博打](ジンの父・五郎/No.1ホスト・ヒロ)
金城裕一(借金取り・山崎)

STORY
場末のホストクラブ「明烏」に勤める指名最下位ホスト"ジン"。野球賭博に勝ち借金1000万円の返済目処が立つ。開店時間まで浮かれ飲み続けたジン達だったが、目を覚ますと金がどこにもない…!!用意できた金は全て夢だった!返済期限は後12時間。慌てふためくジンの元に現れたのは…【当日パンフレットより】

2011年に劇団ブラボーカンパニーにより初演された福田雄一さんの戯曲を村上弦さんが演出。

開演時間を5分ほど過ぎてから、猿博打の3人による前説ラジオを挟んでから本篇開始。
舞台はホストクラブの控室で、下手に机、カーテンで仕切られたエリア、店の裏口に続く出口。中央にロッカーがあり、上手側に店に続くドア。その前にソファセット。

タイトルの「明烏」は落語の題名で、ホストを夜明けの烏に見立てての命名でホストクラブの名前にもなっている。筋自体はこれまた落語の「芝浜」+「品川心中」といった感じ。
それぞれのキャラが立っていてよかったが、とりわけジンは頭は悪いながらも愛すべき人物となっていた。サゲはもう少しそれっぽく言って締めて欲しかったところ。
紅一点の村上弦さんは眼鏡をかけた田舎娘の装いでコメディエンヌっぷりを発揮。動きがいいのよな。

ジンの父・五郎が『北の国から』で田中邦衛さんが演じた黒板五郎そのままで(ジンの本名は純で、源氏名は赤西仁にあやかったもの)、「子供がまだ食ってる途中でしょうが!」とか土のついた一万円札とか、ドラマネタを連発。ドラマを観ていないであろう若いお客さんには何のこっちゃだったろうな。
ちなみに2015年公開の映画版では佐藤二朗さんが五郎役。戯曲のままでやったのか、それとも権利関係がややこしそうだから改変したのか…福田雄一監督作品は苦手だけど、これだけは観ておくかな。

上演時間1時間21分。