山口綾子の居る砦 残暑公演
『至福の梨』
2022年9月30日(金)〜10月3日(月)
早稲田小劇場どらま館
脚本・演出:山口綾子の居る砦
演出補佐:須藤留誠
舞台監督:増田悠梨 舞台監督補佐:吉田大凌
音響:公©️(劇団夜鐘と錦鯉) 音響補佐:のぐのぐ
照明:中西空立
舞台美術:大澤萌(G線上のサクラエビ)
舞台美術補佐:柏田波希(G線上のサクラエビ)、前田なつみ(G線上のサクラエビ)
制作:高田ゆきな
制作補佐:加藤ナナホ、加糖みるきぃ
映像操作:中野治香 舞台写真:アミちゃん
宣伝美術:コットンフィール
出演:
飯尾朋花(山口綾子の居る砦)
小澤南穂子(山口綾子の居る砦)
瀧口さくら
中島梓織(いいへんじ)
西村智翔
箕西祥樹
「至福の梨」
作・演出:山口綾子の居る砦
でるひと:小澤南穂子(よう)、飯尾朋花(のどか)
「わかれば梨」
作・演出:飯尾朋花
でるひと:中島梓織(つばさ)、西村智翔(つばさの恋人なつき)、箕西祥樹(つばさの弟かえで/なつきの友人しのぶ)、瀧口さくら(つばさの友人ひかる/なつきの友人あさひ)
「たちば梨」
作・演出:飯尾朋花
でるひと:瀧口さくら(旅行に誘う人やなぎ)、中島梓織(旅行に誘われる人やまなし)、箕西祥樹(かしわ)、西村智翔(ひいらぎ)、小澤南穂子(くすのき)
「あめやま梨」
作・演出:小澤南穂子
でるひと:中島梓織(新入社員・小田)、飯尾朋花(3年目・林田)、西村智翔(晴)、箕西祥樹(雨)
声のひと:瀧口さくら
「ながば梨」
作・演出:小澤南穂子
でるひと:西村智翔(ともっち)、瀧口さくら(さくら)、箕西祥樹(みっちゃん)
いいへんじに所属する飯尾朋花さんと小澤南穂子さんによるユニット、山口綾子の居る砦の新作公演。
通常、横に区切って使われる劇場を縦に区切って使用。入って左側に客席、右側に舞台。舞台上にはドアと木製のテーブルと椅子があり、場面によって随時変更。舞台手前には梨。通常舞台がある奥の壁にはスクリーンがあり、転換中に梨の豆知識などを表示。
多分世界初、梨をテーマにしたオムニバス演劇。
「至福の梨」はプロローグとエピローグ、各篇の合間に挿入され、スライドで表示されるタイトルも「 の 」から始まって一文字ずつ増え、最後は「至福の梨?」に。
飯尾さんが担当した2篇と小澤さんが担当した2篇の間に10分ほどの換気休憩があり、最後の方はキャストが舞台上で雑談(「何の秋?」「演劇の秋ッスかねぇ」など)。
もちろんそれぞれのエピソードは独立しているのだけど、統一感があり、日常のトーンの中に天気を司る「晴」や「雨」が唐突に登場しても受け容れられてしまう不思議な劇空間が広がっていた。別れ話に始まって恋い焦がれる3人の話で終わる構成もいい。
役者陣のテンポと間合い、大きな声もよく、「目的地もないのに公共交通機関乗るの?」「意識の高さに語彙が追いついてないよ」(ともに「至福の梨」)、「私のダ忘れないで」(「あめやま梨」林と呼ばれた林田の台詞)、「ブルーな気分」(同じく。何を食べたいかという意味で「どんな気分?」と聞かれた小田の台詞)などセンスの光る台詞がいくつもあった。
上演時間2時間(前半45分、休憩13分、後半1時間2分)。