東京成人演劇部『命、ギガ長スW(ダブル)』ギガ組 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

東京成人演劇部vol.2

『命、ギガ長スW(ダブル)』

 

 

【東京公演】

2022年3月4日(金)~4月3日(日)

ザ・スズナリ

 

作・演出・美術:松尾スズキ

効果音:吹越満 照明:佐藤啓 音響:佐藤こうじ

衣裳:戸田京子 ヘアメイク:大和田一美

演出助手:大堀光威 舞台監督:幸光順平

舞台監督助手:戸川翔太郎 美術助手:岩本三玲

照明操作:溝口由利子 音響操作:今里愛 衣裳進行:梅田和加子

ヘアメイク進行:井草真理子 振付:エリザベス・マリー

ギター指導:富澤タク 劇中曲歌唱:中尾ちひろ

小道具製作:佐藤涼子 衣裳製作:梅津佳織、梅田和加子、アトリエハリコ

カツラ製作:山﨑智代、趙英 義歯製作:玉置潤一郎

パンカチ製作:田中りか ヘアメイク助手:鹿島結花

宣伝美術:榎本太郎 宣伝写真:興村憲彦 宣伝スタイリスト:宮本茉莉

宣伝ヘアメイク:大和田一美 宣伝広報:る・ひまわり

協力プロデューサー:三好佐智子(quinada) プロデューサー:長坂まき子

制作:横山郁美、北條智子、赤堀あづさ 票券:河端ナツキ

 

出演(ギガ組):

宮藤官九郎(オサム/教授キシ)

安藤玉恵(エイコ/女子大生アサダ)

 

STORY

80代で認知症気味の母親エイコと、ニートでアルコール依存症の50代の息子オサム。貧困生活を送っている2人を撮影するために、ドキュメンタリー作家志望の女子大生アサダが密着していた。エイコの年金を当てにして酒を飲み続けるオサムと、パチンコに依存するエイコ。アサダが撮るドキュメンタリーのVTRを見て、彼女の所属ゼミの教授キシは、ある問題を指摘する。エイコとオサムには、ある秘密があったのだ…。【公式サイトより】

 

2019年に松尾スズキさんと安藤玉恵さんの二人芝居として上演され、第71回読売文学賞(戯曲・シナリオ賞)を受賞した『命、ギガ長ス』を二組のキャストにて再演。

 

初演は当日券に並んで何とか観ることが出来た覚えがあるけど、今回はしっかり予約して最前列を確保。笑(もちろん長ス組も)

「8050問題」を扱いつつも、社会派の欠片もない本作。二人芝居でありながら、それぞれ二役をこなし、エイコとオサムの母子が実は…と暴くあたり構成の妙がある。

安藤玉恵さんはエイコ役の時は入れ歯で台詞のたびに「チッ」と音を鳴らす一方、女子大生アサダ役の時は何だか初演時より可愛く見えた。松尾さんに代わって相手役を務める宮藤官九郎さんはオサム役の時は頭頂部が薄くて襟足の長いカツラで、顔は赤ら顔メイク。キシ教授の時も何だかみすぼらしさが漂い、見てくれだけでも笑いを誘う。

ただ、やっぱり初演時の方が笑えたかなぁ。そりゃあ一度観ているし、戯曲も読んでいるから、例えば最後のシーンで墓石と思っていたのが実は…というのも分かっちゃっているから仕方ないけど。

 

ちなみに再演に際して、「新庄剛志」「小山田圭吾」の名前が新たに登場。

初演時にもあった 「野田秀樹がセサミンのCMに出る時代だよ」という台詞も健在だったけど、野田さんは本作が読売文学賞を受賞したときの選考委員だったのよな。笑

 

上演時間1時間41分。