KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト『冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

KAAT カナガワ・ツアー・プロジェクト 第一弾

『冒険者たち~JOURNEY TO THE WEST~』 

 

 

【相模原公演】

2022年2月23日(水・祝)

杜のホールはしもと ホール

 

上演台本・演出:長塚圭史(原作:呉承恩『西遊記』)

共同演出:大澤遊 音楽・演奏:角銅真実
舞台美術・衣裳:長峰麻貴 ヘアメイク:冨沢ノボル
照明:上山真輝 音響:星野大輔 小道具:雲田恵

演出助手:神野真理亜 舞台監督:竹井祐樹

プロダクションマネージャー:平井徹、足立充章

 

演出部:吉村彩香 照明操作:山下綾花 照明部:伊倉広徳

音響部:江口佳那 衣裳部:木下明美 ペア部:MARI

宣伝美術:吉岡秀典 宣伝衣裳:長峰麻貴 宣伝ヘアメイク:冨沢ノボル

宣伝小道具:雲田恵 宣伝写真:河内彩 宣伝編集:原田菜央

広報:森明睎子 営業:大沢清 票券:小林良子

 

出演:

柄本時生(三蔵法師玄奘/三蔵法師の影)
菅原永二(斉天大聖孫悟空/白輪園長)
長塚圭史(捲簾大将沙悟浄)
佐々木春香(玉龍/沙悟浄の恋人サユリ/市杵島姫(弁財天))
成河(口笛の男/鶴見区職員(生麦の道祖神)/空海上人/警察官(神奈川の道祖神)/サユリの息子/神奈川県内の伝承を探る先生・高久文一/アルバイトの若者・山下くん/沿道の人(大磯の道祖神)/二宮金次郎/大山祗神)
角銅真実(おはん)

 

STORY

どこでどう道を誤ったのか、天竺国大雷音寺を目指していたはずが現在の神奈川県に迷い込んだ三蔵法師一行。しかも弟子である孫悟空、猪八戒(猪悟能)、沙悟浄そして白馬の玉龍までも、皆散り散りになってしまいました。横浜日の出町で空腹のため野垂れ死にしかけていました三蔵法師。映画館ジャック&ベティから映画を見終わって出てきた陽気な地元の道祖神と共に、鶴見に現れた人喰い大蛇退治に加わります。爬虫類専門の動物園を経営する白輪園長と共に大蛇を捕まえると、それはなんと逸れてしまった玉龍(本当の姿は龍)でありました。県内各所を食べ歩く猪悟能、アルバイトに明け暮れているらしい沙悟浄、そして全く行方の知れない孫悟空を集め、大乗仏法三蔵の仏典を天竺国大雷音寺へ取りに向かうというそもそもの旅路に戻るため、神奈川県の神々や伝承の力を借りて、三蔵法師玄奘は県内をひたすら歩きます。【当日パンフレットより】

 

KAAT神奈川芸術劇場、メインシーズン「冒」の掉尾を飾る、県内ツアープロジェクト。

杜のホールはしもと開館20周年記念事業をも兼ねる。

 

舞台中央には大きな木箱。それが観音開きに開いたり、半回転して舞台が現れたりする。

下手には打楽器、上手にはドラムが並び、角銅真実さんは行ったり来たりしながらの演奏。

 

開演時間になると、全身白づくめで頭に神奈川県の地図をつけた成河さんが登場。「県を演じるのは初めて」などと前説の後、舞台奥の木箱を開くと、他のキャストが並んでいて一人ひとりを紹介し、主題歌っぽいのを歌いつつ本篇へ。

 

ご存知『西遊記』をモチーフにしつつ、三蔵法師一行が神奈川県各地を巡るという、いかにも楽し気な本作。しかもそれを実際に各地で上演するというのも好企画。

ただ、歌あり演奏ありでもあるのだけど、であれば成河さん以外にもうちょっと歌唱力のある人がいたらよかったかな…。柄本時生さんにしても菅原永二さんにしても、どちらかというとご陽気なキャラではないので(長塚さんもね!)、キャスト次第ではもっと楽しいものになったような気がする(『ロッキー・ホラー・ショー』なんかと比べてしまうよね)。

 

神奈川のご当地ネタが分からずに置いていかれるのは承知の上ではあったけど、動物商の白輪園長ってそんなに有名? 行方不明になっていたアミメニシキヘビを捕獲した人と聞いて、ああ、そんなこともあったなぁ程度で、名前なんて覚えていなかったけど、横浜ならびに神奈川県の人にとってはヒーロー的存在なんだろうか。笑

 

上演時間1時間40分。