楳図かずお大美術展 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

楳図かずお大美術展

KAZUO UMEZZ THE GREAT ART EXHIBITION
 

 
【東京会場】
2022年1月28日(金)〜3月25日(金)
東京シティビュー
 
『おろち』、『漂流教室』、『洗礼』、『まことちゃん』、『わたしは真悟』、『14歳』…と数々のヒット作を世に送り出し、タレントとしても活躍する楳図かずおさん(1936~)の展覧会。
今回の目玉は何と言っても27年ぶりの新作《ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館》。101点のアクリル絵画からなる連作で、『わたしは真悟』の続篇ともなっている。もう既に半ば引退した状態だと思っていたので、こういう形での新作発表とは思ってもみなかった。
 
 
4年がかりで仕上げたというこの新作、実に実に素晴らしくて1枚1枚に見入った。始まる直前に楳図さんが新作について語っているインタビュー映像もあるのでこちらも見ておくべし。
ストーリーは、ロボット精神科医のドクター森がゴミ捨て場で小さなロボットを見つけるところから始まる。そのロボットが手にしていた靴に書かれていた名前から、「さとる」と名付けられたロボットはドクターの手伝いをするようになる。
と、これ以上は書かないけど、『わたしは真悟』は楳図作品の中でも特に好きな作品ということもあって「さとる」だけではなく、「まりん」、「真悟」なども登場してその度に涙腺が刺激される。そしてラストの展開…もう、これは『わたしは真悟』をまた読み返すしかないではないか!(他の作品も!)
 
新作以外の代表作はパネルで紹介。
年表とともに過去作品の単行本や雑誌、郷ひろみさんに作詞したシングルなども展示。
その他、楳図作品をテーマにした3組の現代アーティストによるインスタレーションも展示されていて、特に『わたしは真悟』をモチーフにしたエキソニモの作品は、窓から東京タワーが見えるというこれ以上にないロケーション。
 
他には《ZOKU-SHINGO》の素描作品をテーマにした冨安由真さん、『14歳』をテーマにした鴻池朋子さんの作品があり、楽しませてくれた。